キ上の空論

小説もどきや日常などの雑文・覚え書きです。

初句会基本を復習う嬉しさよ

2016年01月14日 | 日常
 やっぱり基本がしっかりできてないと(以下略)。
 時々暴走するのが困りものですが、まずは五七五。やはり自宅でパソ画面をぽちぽちするより、人の句に触れた方がいいなあと思いました。
 続けられるとなお良いですね。お借りした本をまずはしっかり読んでみようとパラ読みしていたら日付が回りそうです。
 連体形が助詞に続くのは「海潮音」で上田敏が書いてたような。音で覚えた詩なので漢字仮名遣いが思い出せず、検索さんを頼りました。
 「鷺の歌」で「骨蓬の白くさけるに、」とありました。使う用法と使わない用法があるのかしら。伝わるのが大事とは思いますが。

 頭痛は風呂に入ったら回復しました。鼻痛は今朝から悪くありません。調子に乗ってもう一度言ってみます。治れ俺!

 時間切れになりましたので、はみ出た部分はまた明日。
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こと問はめ新年会の待ち遠し

2016年01月13日 | 日常
 忘年会は不調で全滅したので、新年会までには復調したいのですが、回復しておりませぬ。
 会社のはないので、新年会は習い事の方です。わからないけど気になることが増えておりマッスル。

 明日は俳句講座に行ってくるので、文章を打ってる暇がないのでござる。そして今日は年末にやられてた鼻のあたりと背中が痛いので、もう休みます。更新? うん、三日分くらいあるけど、分割しても一週間くらいは余裕でかかりそうだからもうちょっと先送ります。昨日の頭痛は治ってませんよ。病気自慢通り越して逆ギレみたいになってきたな。治れ俺。
 週末は病院行ったりパソ校行ったりしてるので以下略。

 本当は登場人物の名前を漢字表記にしようかカタカナ表記にしようか迷って止まってます。名前だいじ。AIのジロウくんはどちらにしてもカタカナなのですが。「佐方さん」「サカタさん」はどっちも言いそうだけど、「八紘さん」「ヤヒロさん」はカタカナっぽいからカタカナかなあ。八紘さん多分名前しか出ないけど。ジロウくんがカタカナ呼びってこともあるかなあ、なんて悩んでるから止まるわけです。
 名前だけ並べてみると佐方、高濱、岡里、背野、フレディ、ジロウよりはサカタ、タカハマ、オカリ、セノ、フレディ、ジロウの方が読みにくい感じがします。岡里はカタカナの方が読み間違われないんでしょうけれども。読み間違いというか、姓名を入れ替えて間違われるのが嫌になって名前をF.と略して書いたらフレディと呼ばれるようになったという設定の後(うしろ)もカタカナの方が良さげ。
 漢字表記の方が良いキャラとカタカナの方が良いキャラがいるので、困る。主人公に合わせて漢字かなあ、とは思っております。

 ある程度進んでからまとめてごっそりなかったことにすることもあるので、昔から鈍いです。一発書きベタ打ちなら取り返しがつかない分だけ早いんですけども。
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メールにて病を見舞う初便り

2016年01月12日 | 日常
 お察しの通り、そろそろ新年カテゴリーが辛くなってきました。

 頭痛が辛いので、本日は打ち込み中止にするでござる。ここ二、三日は前進してってルドゥ姐さんが占ってくれたけども、だいたいそういうタイミングに体調を崩すデフォルト設定。
 早めに切り上げて、下書きの方を進めます。本編より先に後日談が降ってわいたので、長文をどういう風にしあげていくかをブログでどこまで再現できるかやってみたいです。

 早速予告嘘で済みませんです。

 以前「あの案件とっとおと?」と「あの案件とおっとおと?」は案件の向きが逆ですね、と言ったら、何を言っているのかわからない、そもそも何がどう違っているかもわからないと言われたのですが、九州方面でもどのくらいに伝わるのかしら。
 今日授業でmais(更に)とmas(しかし)の違いが出たので、芋づる式記憶で。
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あれ?

2016年01月11日 | リハビリ企画
 ボタン操作を間違えたらしい。
 クリックの直前に読み込みの終わった画像がその位置を変えさせるように、ボタンを押した瞬間に近いタイミングで、ボタンの表す意味が変わった。
 私は何を書くつもりだったろうか。目的と場所が変われば、書くべき内容も変わる。
 一応、セキュリティソフトを確認する。それなりに働いているようだ。

 物語は暖めなくて良いらしい。どうせ書いていくうちに変わってゆくものだ。しかしながら、毎日の更新ができるほどの分量は急に出て来はしない。
 時間稼ぎをするのも良いかと言っているうち、更にその時間稼ぎが必要になってくる。目的はどこへ行ったやら。
 まとめる前の雑な文章を上げた方がまだマシな気がしてきた。
 どこをどう修正したかを書いてしまうと読みにくいだろうが、どれだけ無駄に時間がかかるのか、文章にも下書きと清書があるとわかるのも良いかもしれない。更に修正を重ねて発表したりしなかったりする。人物描写や背景描写をほったらかしすぎなのは二次創作でない限りは要注意点。多分くどくなるから書かないだろうけど。名作を書いてやろうと気取るのはできる人に任せておいて、趣味で書くものに好みでないものをとやかく書かなくて良いだろう。キャラクターを名前以外で区別できる程度には、なんやかんやあった方が良いとは思う。

 書くつもりだった、ではなかった。こいつを何とか吐き出さないと、とにかく落ち着かないのだ。別の文章など打っている場合ではない。こいつだと思ったのだからこいつだ。他の何かではない。もののついでのように全く別のところから勝手に主張をはじめるだろうから、今こいつと思うものを書けば良い。まとめるのは後からでも。多分原型がなくなるけど。
 あんまり放っておくと出番はまだかと待ち体勢のまま動かなくなってしまう。
 三週間くらいかけて文章を打つ生活に慣れようなんて、ぼんやりしている場合じゃない。

 どうも、思ってもみないところのスイッチが入ったようだ。

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鉄は熱いうちに打てと先人が言ってましたねえ。
そんなわけで横線とか(←ここ削除)とかが入った文を明日から晒してみます。一日では打ち切らないので、何日かに分けるはず。
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月と火星の寄り添ひたりし四日

2016年01月11日 | 日常
 ちょいちょい五七五にまとまらないのが出てきます。しぶんぎ座流星群を何とか新年に組み込むと「四分儀座流星群と呑むおとそ」くらいなのかなと思いましたが、お酒は飲まないので(嘘はいけない)「屠蘇のごと流星群に酔ふ四日」にすると季語重ねてるのかそうでもないのかと訳がわからなくなります。流星群は秋の季語、屠蘇のごとだと季語として使えてないので季節を確定する四日が必要になります。多分。
 寝転がって流星群を見ていると不思議な気分になりますね。境界がわかりにくくなる。

 イメージのある程度できあがっているものをひっくり返すのは難しい、新たな別のイメージを受け入れる、取り込むのにはものによっては時間がかかるのですが、多分見ちゃえばこれはこれで良いよねって思うんじゃないかなとは思うんです。慣れてしまえば新しいヒルメスさんもきっと楽しいはず。でもラブラブフラッシュなさるディア様はきっと無理。
 アンジェ新作も気になっていたのですが、そんな理由で断念しました。サイトに載ってて本当に良かった。ありがとうございます、コーエーさん。ロイブラの新作がコンシューマーで出たらきっと買います。攻略不可の男性キャラがいてはいけないルールに則ってパスハを消したら当然セットでサラも消える、じゃあラブラブフラッシュは? →ディア様にってところなんでしょうけれども。ディア様は優等生だけどまじめで控えめなので何となく不器用感がある性格という印象、補佐官になったからといってラブラブフラッシュなさるとは……。まさに才色兼備な方ですけれども、人の心を操るに似た技を使うとは思えないと言うか……そんなのディア様じゃないって言うか。さじ加減間違えたらうっかり「愚民どもめ」と言ってもまあわかる気がする顔立ちになられた本命キャラはまだなんとかなるのに、意外なところで躓きました。

 体調はじんわり回復中なはず。さっきうちの永徳さんは「これはこれで良いよね」を「これはこれで井伊よね」ってどんな井伊かと思うからそろそろ癖を覚えて欲しいな。
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きみのなまえ

2016年01月10日 | リハビリ企画
 名前を決める作業はいつも難航する。登場人物の方から「違う」と言ってくることもしばしば。話が動き出す前からそんなに生き生きと動かれても始末に負えなくなるだけだ。
 女子高生だった頃は、しばしばなんて日本語をoftenの訳語以外で使うことなんてないと思っていた。そう言えば、文化の違いからちょうど良い訳語が見つからなかったときのカタカナ音訳には当たり外れがある。雰囲気に合わせてどの国の言葉でカタカナ語にするか決めて欲しいものだ。
 音訳と言えば、babeはベイブと読むのにAbeはアビーになる英語がわからない。
 とりとめのないことを考えながら、線を引いていく。
 この顔はちゃんと思い描いたとおりの「この子」だろうか。所作は、服は、骨格は。
 線を増やしたところで他の絵が同じように描けるわけでもなし、最初の設定画だけ気合いを入れすぎてそのまま蔵に入った子も何人か。
 ちょうど良い名前があれば、それなりの子になるはずだ。そう思って、いつも名前で行き詰まる。

 しあわせな将来を勝ち取るために生まれたあなたに聞きたい。あなたの名前は何ですか?
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鏡餅割れずあをかび生ゆるなり

2016年01月10日 | 日常
 暖冬だからじゃないと思うけどね。田作りに続いて哀しみの鏡餅。鏡開きは明日だっていうのに。

 まだラノベという名称のなかった頃のラノベのお約束には、登場人物からのツッコミがあるかと思います。
 漫画で枠線の隙間に作者からのツッコミが入るのとは逆なようで近い、読んでいる側を内輪ネタの中に入れてくれる感じ。
 今時やると何か違う気がするので、時代性もあったのかなと思います。表現の場も方法も変わってきました。
 昔ながらの後書き遊びを続けてらっしゃる方もいらっしゃるようで、変わらない部分もあるものでしょう。
 後書きと言えば、毎度後書きで七転八倒しているようなことを書いていらしたあの先生。
 当時はあのファランギースをBBA呼ばわりするアホンダラがわいて出るなど想像もつきませんでしたし(ファランギースは学年に一人いたらしあわせな気持ちになれるだろう美少女が同じ空間にいるだけで気後れし、なおかつ周囲もさもありなんとするくらいの美女なんですが、原作読んでないのかな)、思いも寄らない方向に変わるものもあるのでしょうね。自分の中でのヒルメスの強い中ボス感は池田秀一さんの声で形成されていたと、書店で流れていた映像を見て気づいたのは、まあ良かった。アンドラゴラスの親戚だからじゃなかった、仮面で池田秀一さんだったからだ(それもどーなのよ)。他のキャラの声が変わっても、まだ何とか……なってないキャラもいますが、キャラクターイメージを形成するに至ってる部分が違うと、何となく遠のいてしまいます(エラムが頑なに挿絵に登場しなかった天野絵育ち)。
 アルスラーンは完結したらまた読みたいと思います。いつになるかな。

 休日なので、眠気に逆らわず寝ておりました。一日が短すぎて悲しい。
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赤い

2016年01月09日 | リハビリ企画
 罪状が何だったか、記録にすらない。
 私刑に近い理由だったので、秘密裏に。
 事情を聞けばそういうことだ。
 ディナの処刑が決まったのは、新しい教務官長の気まぐれであるらしい。
 権力争いの余波で、前任者の縁者が理由らしい理由もなく殺されることがある。話には聞いていたが、まさか自分が当事者になるとは思っていなかった。結構うまく立ち回っていたつもりだったのに。
 前任の教務官長シオン・キシュ・リシオンが神殿を追われて、蟄居同然の生活を送るようになってからわずか数日。
 死人の数は二十を超えた。
 処刑部屋は魔導兵器の実験室でもあった。
 床は随分と血が染みているらしく、掃除の意味を疑う色になっている。
 ディナは混乱していた。
 リシオンの縁者で最初に死んだのは娘婿のトリ・ライシュ・イツトウだ。
 その時はまだリシオンが教務官長だった。彼を神殿から追い出すために、力を殺ぐ必要があった。イツトウの死はその最初の一撃。
 イツトウは、ディナの友人だった。
 イツトウは、ディナが殺した。
 魔導神官が三人、刑吏が五人。
 ディナを貫くはずの光は、神官の手から放れた瞬間消えた。
「貴様、邪魔をするか!」
 魔導神官が宙に向かって叫んだ。
 刑吏がすかさずディナを拘束する。
 彼らが警戒するまでもなく、ディナにはそんな力はない。
 何一つ浮かばない。
 頭の奥がどこかに抜け落ちたみたいだ。
 目の前で踊る粘着質を見ながら、ディナは抵抗を諦めた。身体を拘束するいくつもの手が、その分だけ皮膚に食い込む。
 神殿の奥で生まれた、女神のためにと作られた、赤い化け物。
 いくつもの手と目を持つ異形。
 ただ喰うために殺す。
 ただ殺すために在る。
 化け物が口を開ける。このまま飲み込まれたら、何になるだろう?

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昔書こうと思って頓挫した話の冒頭部分のコピペ。
行方不明になったCDの捜索に時間をかけたくなったので。
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正月も寝てばかりなり副作用

2016年01月09日 | 日常
 年末の眠りっぱなしの一因は抗生剤だった模様。いつもより多めに眠っております。だんだん俳句から離れてきた気がするのは気のせいではありません。
 今月に入って早くもまた抗生剤のお世話になっているていたらく。
 寝正月とは違うんだよなー。寝正月は怠け者の節句働きの対義語みたいなやつなので。

 カレンダーは1月の間は通年用の2枚目を使おうと思っています。……明らかに選手として撮ってるんだもの。

 今日は音楽を聴くと良いよとか弾くと良いよとか言われた気がしたので久しぶりにソプラノリコーダー出したら高いラが出ませんでした。古い方はだいぶ無理な感じの絵面になっていたので捨てた方が良さそうです。新しいの買うかなあ。運指間違ってないのに出なかったんだ。
 昨年「題名のない音楽会」で植松伸夫さんが弾くゲーム音楽をと言ってらした気がしますが、三十年前くらいにラブソングさがしてを弾ける子に教えてもらってソプラノリコーダーで弾いたのを思い出しました。高いラの音関係ないけど、弾いてみようと思ってやめました。

 俳句はもうちょっとポエム心が欲しいよね。ないけど。

 昨日補足に書き忘れましたが(割とそんなのばっかりです)フィルバートは残念な弟の子を養子に迎えて家督を継がせているのですがナナの日記の記述からはわかりにくく、本人もそのことに言及することはほぼなかったため、そこら辺の事情は後世に伝わっていません。
 ただ、先祖の意味は初代から数えられる親戚の範疇の人々なので、ご先祖さんには違いありません。

 創作やりたいなーと自分のホロスコープに聞いたら「成功の鍵は小規模とエロよ!」と。エロは書けませんが小規模ではあります。

 今日も日付をまたぎそうですが、とりあえず続けてみます。
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ご先祖さんとの遭遇

2016年01月08日 | リハビリ企画
「星を動かそうとすると寿命をなくすって、ちゃんと書き残しといたのに、ばかね」
 罵倒の言葉ではあっても、口調だけは柔らかい。
 確かに消えないように、つぶれないように、それだけは伝わるようにとそこかしこに警告として残されていた文言だ。
「こういう意味だとは思ってもみませんでした」
 不老不死。もしかしたら憧れる者もいるかもしれない。ただの長い孤独と似た意味でしかないものではあるが。
 シャール家の者とわかる出で立ち。外見は妙齢の女性だが、決定的に色気を感じない。体型にメリハリがないとか、女性らしさがないとかそういうことでなく。わからないものが見ればすこぶる魅力的に見えるだろうが、人を越えてしまっている部分がそれとわかる者には最初から無理物件。
「残念ながらそういう意味よ。死にたくなったら粉微塵にしてあげるから言って頂戴。死ねなくても風と土くらいにはなれるでしょ」
 外見に合わせて出で立ちと口調を作ってはいるが、内実の性別はないとうちの先祖が書いていた。
「痛み入ります。そのときは是非」
 大魔導アッシェズローズ。確か、人としての名前はラティーナ・ルイーカ・シャール。
 最初に破壊神を封じた八聖の一人。
「リデュ・ノナって、ご大層な名前ね」
 予言師でも何でもない、見えたものを語るだけ。変えることはできない。異名は変に重たい。
「汗顔の至りです、アッシェズローズ様」
 丁寧に名を呼んでから自分の体を見下ろす。
「生きていること自体がその人にとって災厄なら、効果ないわよ」
 アッシェズローズはあらかじめ認めた者にしかその名を呼ぶことを許していない。うかつに呼べばちょっとした災厄とともに命を落とすと……伝承通りなのに、伝承通りじゃないのか。
「ラスケス、ここは私が居住地として使っているの。他に行って頂戴」
 狭間の空間。別の世界への扉の中とも言うべきか。
 他人のいない場所を求めたら、たまたま偉大な先達がいたというだけ。
 名乗りもしないうちからこちらの名を呼んだと言うことは、同じように見える人なのだろうか。
「承知しました。ご先祖様、立ち去る前にいくつか伺いたいことが」
「子はいないわね」
「ナナ女王は、そんな感じで良いって書き残しておられましたが」
「じゃあいいわ」
 いいのかよ。
 ともかく、古い文献を漁っといて良かった。
 ナナ女王は日記がかなりの割合ででエロ小説だが(そう読めないように書いているつもりなのはわかる程度で)、本名がわからない。夫のフィルバートは今では俺の嫁という意味でしかない言葉で書き残していて、名を隠す人と言うことは、つまり。
「ナナ女王は竜人だったのですか?」
「そうよ」
「ご存命でいらっしゃるのでしょうか」
「知らないわ」
「ご友人だと」
「そうね」
 声はいちいち素っ気ない。
「ラスケス、竜人にも寿命はあるのよ」
 微笑みは他の疑問を打ち消した。一番聞いてはいけないことを一番最初に聞いてしまったようだ。
「人は自分の理解や共感が及ばない人や部分に対して、おそろしく残酷になってしまうことがあるんですって」
「うちの先祖が言ってたと書いてましたね」
「フィルバートにとっては、一応、人みたいなのよね、わたしでも」
「個体名:アッシェズローズ、種族名:ラティーナと分類しているようだとナナ女王は書いていましたが」
「サナルドだって種族名:聖王だったもの」
 記録を読んでいてうすうす感じてはいたが、うちの先祖もだいぶおかしい人だったのはまあわかる。
「その友人の夫として認めたうちの先祖にえげつない薬盛ったって記録があるんですけど、その話ですよね」
 夜這う友人の後押しとして。
 鋼鉄の理性と裏で呼ばれていた先祖が(比べれば鋼鉄の方が柔い気がする)その事実を聞いて思わずアッシェズローズの首を絞めかけたと。
「そんなにひどかったかしら」
「原材料の羅列見ただけでえぐいの丸わかりです」
 記述は塗りつぶされていたが、読める者には読める仕様になっている。
「だって、一発勝負みたいなものだったし、思い切っていいかなって」
「思い切りすぎです。一部の裏家業で今も現役で拷問に使われています」
「ちゃんと塗りつぶしたのに」
 あんなの盛られて目の前のご婦人を説得して家に送り届けるなど人外の所業だ。送り届けたご婦人の方が実際には人外だったわけだが。
「そういうのは好事家が全力で解析するんですよ」
 残念ながら、そういうものだ。
「一応反省しておくわ」
 少しの反省したそぶりもなく、伝説の大魔導はうなずいた。
 余計な質問をした分は取り戻せたろうか。
 色々踏ん切りがついたら、粉微塵にしてもらいに来るとしよう。
「それでは、別の場所を探しますので、ごきげんようご先祖様」
 入り口が思い出せるうちに片付くと良いのだが。


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タイムアタック敗北。日付をまたぎました。
アッシェズローズとナナはそれぞれの魔女っ子ネームみたいなやつです。
フィルバートはモノローグでナナを妻と言っていますがサイと読んでねって昨日書き忘れました。また頭の中ではラティーナですが、呼ぶときはちゃんと「アッシェズローズ様」です。うっかりでラティーナ呼びしたことはありません。
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