沖縄県国頭郡国頭村と東村に広がる米軍北部訓練場で、2016年12月に完成、米軍に提供された海兵隊の垂直離着陸機、MV22オスプレイ輸送機のための6カ所の着陸帯(ヘリパッド)。15年2月に先行提供、運用が始まった東村高江集落に接するN4地区の離着陸帯(2カ所)で、オスプレイの高温排ガスと風圧により、張り付けられた芝が焼き尽くされ、地表が黒焦げになっている実態が、赤旗紙の入手した空撮写真(1面)で確認されました。
沖縄・北部訓練場
空撮写真は、フリージャーナリストの桐島瞬氏が昨年の12月19日から20日にかけて現地で撮影しました。
北部訓練場に沿って走る県道70号の西側付近にL形に配置された二つのヘリパッド。着陸帯に張り付けられた完成時の青々とした芝生は消え、黒々と焦げ付き、地肌がむきだしになっているのが鮮明に実写されています。
オスプレイは離着陸時に、約270度の下降高温排ガスを地上に向けて吹き出します。芝は、排ガス、風圧による周囲への環境被害防止策として張り付けられました。
N4地区を含む6カ所の着陸帯が計画された一帯は、亜熱帯気候による湿気をたっぷり含んだ世界有数の照葉樹林が広がり、ヤンバルクイナやノグチゲラなど多数の貴重な固有種が生息します。
写真を他の4カ所のヘリパッドと比較すると着陸帯を取り囲む樹木(主にイタジイ)にも変化が見られます。完成したばかりの着陸帯の樹木は青々と茂っているのに対し、N4では葉や枝の枯れが目立ちます。
N4地区のヘリパッドでは提供以降、オスプレイが昼夜を問わない激しい離着陸と飛行訓練を繰り返し、昨年6月には3機編隊飛行が2週間も継続され、すさまじい爆音被害、墜落などへの不安から抗議と中止要求の声が住民からあがりました。
沖縄防衛局は赤旗紙の取材に「張芝は、着陸帯表面の気温上昇、林縁部や林内の乾燥化などの低減、土砂の流出防止など環境への配慮の観点から行っている」と回答。黒焦げについては「一義的には運用している米軍の維持・管理だが、環境保全への配慮について必要に応じて米側に申し入れる」としています。