「大企業には8千億円もの復興特別法人税を前倒し廃止、(米軍への)思いやり予算は何千億円も出しながら、学生にはわずか84億円も出せない。これでは若者の未来は守れない」。日本共産党の宮本岳志議員は17日の衆院予算委員会で、日本の大学の異常な高学費を告発、学費負担軽減のための予算拡充と給付制奨学金をただちに実現するよう求めました。論戦ハイライト
宮本氏は冒頭、政府が2012年9月に国際人権規約に定められた中等・高等教育の「漸進的無償化条項」を受け入れたことを指摘。一方、経済協力開発機構(OECD)加盟34カ国の「授業料無償化」と「給付制奨学金」の有無を示したパネル(左表)を示し、二つとも行われていないのは日本だけだという事実を示しました。下村博文文科相は「おおむね、その通り」と認めました。
私立大学の平均授業料は年間86万円(初年度納付金は131万円)、国立大学の初年度納付金は標準で81万円―宮本氏は、高すぎる日本の学費の背景に、政府の大学教育に対する予算があまりにも少ない現状があることを指摘。減らされ続けてきた国立大学運営費交付金と私学助成を抜本的に拡充するよう求めました。
宮本氏は、異常な高学費のもと18年間で半数以上の学生が奨学金を借りるまでになった現状を示し、奨学金の返済に苦しむ学生たちの悲痛な実態を紹介。高校生向けの「給付制奨学金」が予算案に盛り込まれたとして、「大学生向けの給付制奨学金は84億円もあれば実現できる」と主張。自民党の選挙公約(2012年総選挙)にも「給付型奨学金の創設」が掲げられていたと迫りました。安倍晋三首相は「今後、財源を確保していく上で検討していく」と答えました。