市民グループ県庁前で集い
「ケネディさん、沖縄に新たな基地はいりません」―。ケネディ駐日米大使の沖縄入りに合わせ、那覇市の県庁前で11日、米海兵隊普天間基地(宜野湾市)の返還と名護市辺野古の新基地建設中止をアピールする集いが開かれました。
主催は市民グループ「New Wave to HOPE(希望に向かって新しいうねりを)」。若者や子育て世代の市民で3週間前に結成されました。
集いには「ジュゴンを守って」「辺野古の基地建設をやめて」と英語表記されたピンク色のプラカードや、ジュゴンの写真パネルを持った市民約50人が参加。名護市に住む渡具知和奏(とぐち・わかな)さん(12)は、ケネディ大使に送った手紙を読み上げ「辺野古のきれいな海を見に来てください。どうかお願いです。軍事基地を造らないでください。ジュゴンを守ってください」と訴えました。
「何よりも平和を願っています。軍用機の飛ぶ空ではなく、鳥が舞う空を。新たな基地はいりません」―。名護市出身の高校生(16)が同グループに宛てた手紙が紹介され、共同代表の城間えり子さん(52)は「平和と民主主義が大切にされる社会を子どもたちに引き継ぎたい」と訴えました。
東村高江への米軍オスプレイ着陸帯反対
― 那覇でパレード300人
同じ11日那覇市国際通りでは、やんばる(沖縄本島北部)の貴重な自然と生活環境を壊す東村高江への米軍オスプレイ着陸帯(パッド)建設反対を広く訴えるサウンドパレードが行われました。建設中止を求めて高江で座り込みを続ける「ヘリパッドいらない住民の会」が呼びかけ、インターネットによる発信などを通じて県内各地から約300人が参加しました。
三線(さんしん)やトランペット、バンジョーなど多彩な楽器が奏でる演奏に合わせ、参加者は幼児から年配者まで、持ち寄った鳴らし物をたたいて行進。にぎやかなパレードに、沿道からは盛んに声援や手拍子が送られました。
7歳の娘を連れて夫と参加した女性(36)=那覇市=は「同じ沖縄に暮らしていながら、当たり前の生活が脅かされている高江の人たちに、少しでも力になれたら」と語りました。
障害者施設の仲間とともに車いすで行進した男性(33)=沖縄市=は「高江住民のみなさんが米軍ヘリパッド建設のせいで安心して生活ができない状況は、国の冷たい政治で自立を妨げられている私たち障害者の問題と共通する部分があると思います。人ごとじゃありません」と話していました。