東京電力福島第1原発の事故から3年を前に、「原発廃止」への国民の思いが増え続けています。直近の世論調査では原発を廃止すべきだと答えた人が8割を超えました。安倍政権は原発を「基盤電源」とし原発に維持・推進を明確にするエネルギー基本計画を来年早々にも閣議決定しようとしていますが、民意に真っ向から反することになります。
「毎日」26日付の調査は、原発の今後について聞いたところ、「当面は維持し、将来は廃止すべきだ」59%、「今すぐ廃止すべきだ」24%でした。「将来も維持すべきだ」は9%にすぎず、原発廃止を求める人は8割を超えました。また、日本の将来のエネルギー源として重視すべきものをたずねたところ、「太陽光」が最も多く68%、次いで「天然ガス」41%、「風力」21%、「水力」15%、「バイオマス」14%の順。「原子力」をあげたのは6%にすぎず、全体として原発からの転換を求める人が顕著になっています(複数回答)。
注目されるのは、こうした「原発廃止―ゼロ」を支持する世論は、福島原発事故以降、7割前後を維持し続けていることです。「朝日」が福島事故以降の3年間に実施した調査では、設問の違いはあるものの、次の通りです。
▼2011年6月「段階的廃止で将来やめる」74%、「反対」14%
▼12年8月「段階的廃止で将来やめる」80%、「反対」12%
▼13年2月「やめる」71%、「やめない」18%
安倍政権が狙っているエネルギー基本計画案は、民主党政権時代のあいまいな「原発ゼロ」方針さえ投げ捨て、原発回帰へ大きくカジを切ることになります。原発を「基盤となる重要なベース電源」として将来にわたって維持・推進する立場から、再稼働・海外輸出を強行しようというものです。
政府は来年1月6日締め切りで同計画案への意見を公募していますが、こうした案にたいし「福島原発事故の反省はどこに行ったのか」「民意とあまりにかけ離れている」との批判が広がっています