日本共産党の志位和夫委員長は14日、国会内で記者会見し、安倍政権が安保法制=戦争法を発動し、海上自衛隊の補給艦が日本海に展開している米イージス艦に燃料を補給していた問題について「万が一、米朝間で軍事衝突がおこった場合、国民が知らないままに、日本が自動的に戦争に参戦し、戦争の当事国となる危険が生まれている」と警鐘を鳴らしました。
米軍支援のための戦争法発動は、5月に海自のヘリ空母による米補給艦への「米艦防護」に続いて2例目です。いずれも国民には事実が全く知らされないまま、後から報道で明らかになりました。
志位氏は、「今の一番の危険は、米朝間の軍事的緊張が高まるもとで、偶発的な事態や誤算によって軍事衝突が起こり、それが戦争へと発展し、周辺国や日本に波及することだ。それをいかに回避するかが喫緊の課題となっており、そのための関係国の対話が強く求められている」と強調。「にもかかわらず、日本政府が、危機打開のための対話を否定し、『新ガイドライン』と安保法制のもとで米国との軍事一体化、軍事態勢の強化にのめりこんでいることはきわめて危険」として、その姿勢を強く批判しました。
志位氏は、菅義偉官房長官が北朝鮮問題にかかわって、「安保法制を成立させて本当に良かった」と発言していることに対し、「まったく反対だ。安保法制=戦争法の存在が、地域の軍事的緊張の悪循環をエスカレートさせ、日本を深刻な危険にさらしている」と強調。戦争法強行から2年を迎える19日には、国会前で戦争法廃止の大集会が開かれることにふれ「憲法違反の安保法制=戦争法を廃止することがいよいよ緊急の課題になっている。野党4党と市民が共闘の『一丁目一番地』として取り組んできた課題であり、このたたかいを大いに重視していきたい」と語りました。