参院予算委 大門議員が迫る
日本共産党の大門実紀史議員は8日の参院予算委員会で、消費落ち込みの原因が実質賃金の減少にあることを示して、「いまやるべきことは消費税増税ではなく、賃金の引き上げ、特に低所得層の賃金の底上げだ」と述べ、最低賃金の大幅な引き上げを提起しました。安倍晋三首相は「成長戦略を進めていくことで、将来は(物価上昇に賃金が)追いついていく状況をつくりたい」などと従来の答弁を繰り返しました。
円安と消費税増税による物価上昇で実質賃金が低下しつづけています。大門氏は、特に低収入層に大きな打撃となっていることをデータで示し、「この層の底上げなしに、消費全体が上向くことはありえない」と強調。消費税率10%への再増税中止を一刻も早く打ち出すよう求めました。
首相は「消費動向を分析しながら、消費税(増税)の判断をしていく」と述べるのみ。大門氏が、米国で経済効果が実証されている最低賃金の大幅引き上げを求めたのに対しても、首相は「(最低賃金)2桁の伸びを続けていきたい」と答えるだけでした。
大門氏は「従来通りの枠ではなく、大胆な最賃の引き上げを政府あげて取り組むべきだ」と求めました。
大門氏は、アジア諸国との企業負担軽減競争に突き進む安倍政権の姿勢を批判し、日本の企業負担が諸外国に比べて重くないことを財務省資料(グラフ)で提示。「(法人)税の引き下げ競争は、やめた方がいい」と迫りました。
首相は「競争の観点から見れば、日本の法人税が高いという意見がある」と答弁。大門氏は、法人税引き下げ競争の弊害が国際的な議論になり、企業に応分の負担を求める流れがアジア諸国で強まっていることをあげ、「『税の引き下げ競争はやめよう』と呼びかけることこそ必要だ」と首相の姿勢を批判しました。