災害は 避難は 核ゴミは
九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)が、新規制基準に「適合」とする原子力規制委員会の審査結果について、県などによる住民説明会が9日夜、薩摩川内市で開かれました。住民からは「使用済み核燃料の行き先が決まっているのか」「事故が起こりうるものを稼働して安全だという説明は疑問だ」「避難計画を再稼働の条件にするべき」「誰が責任をとるのか」などと、再稼働に疑問や不安の声が続出しました。住民説明会は、10日には川内原発30キロ圏内の日置市で開催。いちき串木野市、阿久根市、さつま町でも順次開かれます。
9日の説明会には約1000人が参加。市民からは、「津波と台風の高潮などが重なった場合の対応はしているのか」など、地震や津波をはじめとする自然災害、テロへの対策についての質問が相次ぎました。規制委事務局の原子力規制庁の担当者の回答を聞いても、「回答になっていない」「納得できない」との声が出されました。
10人が質問。9人が川内原発の安全性に疑問を投げかけました。
「『リスクを最小限に抑える』というが、原発事故は起きたら抑えきれない。原発にリスクはいささかもあってはいけない」「経験則で考えていた以上のことが福島で起きた。テロ攻撃や隕石(いんせき)の落下など、想像もつかないことが起きたとき、どうするのか」「福島の事故が片付いていないのに、あなたたちの説明に説得力があると思っているのか」などです。
規制庁の担当者の回答は、「絶対安全には到達できず、リスクは残る」「あくまで法律に基づく審査をしたもの」など、通り一遍のものに終始しました。
会場内からは質問を求める手がいくつも挙がっていましたが、「予定した時間を大幅に超過しています」と打ち切られました。
安倍政権は、一連の住民説明会の開催で地元住民への説明を果たしたとし、薩摩川内市議会と同市長、鹿児島県議会と同知事の同意を得て、川内原発を原発再稼働の突破口にすることを狙っていますが、今回の住民説明会は、そんな暴走は許されないことを浮き彫りにしました。