韓国と北朝鮮の高官級会談が9日、南北の軍事境界線にある板門店の韓国側施設「平和の家」で開かれ、北朝鮮は、2月に韓国で開幕する平昌冬季五輪に高官級代表団と選手団、応援団などの派遣を正式に表明しました。韓国側は「多くの代表団を派遣するよう希望する」と応じ、開会式での共同入場や共同応援なども提案しました。韓国代表団の千海成(チョン・ヘソン)統一省次官が明らかにしました。
この席で北朝鮮は、2016年2月から断絶していた黄海地区の南北間軍通信回線を再開すると表明しました。
韓国は、「朝鮮半島での緊張を高める行為」を互いに中止することを提案。「非核化など平和を定着させるための対話を早期に再開する必要がある」との立場を表明しました。千氏は、北朝鮮側が「朝鮮半島の平和を保ち、和解と団結を図り、問題を対話と交渉を通じて解決していこうと話した」と述べました。
さらに韓国は、旧正月(2月16日)に合わせた南北離散家族の再会事業実現に向けた赤十字会談や、偶発的な衝突防止のための軍事当局者会談も呼び掛けました。
韓国側の首席代表は趙明均(チョ・ミョンギュン)統一相、北朝鮮側は韓国との窓口機関である祖国平和統一委員会の李善権(リ・ソングォン)委員長で、ともに代表団5人で構成されています。
冒頭、李氏は「北南当局が真摯(しんし)な立場と誠実な姿勢で会談をうまくすすめ、全ての同胞に新年初の贈り物を差し上げてはどうかという思いでここに来た」と発言しました。
趙氏は「長い間南北関係が中断した中で会談が始まった。焦らず根気をもって一つ一つ解決していけばよいと思う」と述べました。
代表団は、両国の立場を明らかにした共同報道文の草案を交換し協議を続けました。