暴走政治を続ける安倍政権のもとで閣僚の「政治とカネ」問題が相次いでいます。23日の西川公也前農水相辞任に続き、27日には、望月義夫環境相と上川陽子法相がそれぞれ代表を務める自民党支部が、国の補助金を受けた企業から政治献金を受けていたことが明らかになりました。辞任・疑惑閣僚続出の金権腐敗にまみれたボロボロ政権です。
望月氏の政党支部は、2013年、同年に環境省と国交省から補助金が交付されていた総合物流商社「鈴与」(静岡市)から、140万円の献金を受領。上川氏の政党支部も13年に「鈴与」から72万円の献金を受け取っていました。
政治資金規正法は、国の補助金を受けた企業による、補助金交付決定から1年以内の政治献金を禁じています。
この日の記者会見で菅義偉官房長官は、望月、上川両閣僚から補助金交付企業とは知らなかったとの報告を受けたとし、「(政治資金規正法は)知って受け取ってはならないということであり、全く問題はない」とかばいました。
辞任した西川前農水相も居直りで批判をあびています。国から補助金を受け取っていた木材加工会社や、環太平洋連携協定(TPP)と関係の深い砂糖業界団体の運営する企業から西川氏が献金を受け取っていた問題ですが、西川氏は、違法性はない、「私がいくら説明しても分からない人はわからない」(23日)と逃げています。
27日の衆院予算委員会では、望月、上川両氏と、下村博文文部科学相の3閣僚について追及を受ける異常事態に。下村氏については、複数の支援組織「博友会」が政治団体の届け出をせず、同会会員が会費として支払ったはずの金を下村氏が代表を務める政党支部に献金していた問題が取り上げられました。
安倍政権下での「政治とカネ」をめぐる問題は2006年の第1次政権から相次いでいます。14年9月の内閣改造後には、わずか1カ月半で小渕優子経済産業相、松島みどり法相が辞任。その後江渡聡徳防衛相が交代しました。1次、2次、3次で8閣僚も辞任・交代。政治のモラルが完全にまひしています。