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米朝戦端開けば日本の被害甚大 / 軍事あおらず対話促進を

2017-08-14 | 歴史の流れは平和外交

米国と北朝鮮が軍事衝突にいたり大規模な戦争に発展すれば、日本は弾道ミサイルの標的となり甚大な被害を受ける―。少なくない専門家は共通してこう指摘しています。だからこそ、米国の軍事的対応をあおるのではなく、対話による解決を促す以外に道はありません。(竹下岳)


米軍基地が標的

 北朝鮮が米領グアムを攻撃した場合、米国が直ちに反撃するのは確実です。その役割を最初に担う可能性が高いのが在日米軍です。

 1950年6月に始まった朝鮮戦争では、日本全土が米軍の兵たん・出撃拠点となりました。今なお国内には「国連軍」基地が7カ所(横田、座間、横須賀、佐世保、嘉手納、普天間、ホワイトビーチ)存在しています。休戦している朝鮮戦争が再開されれば、これらの基地が米本土から増派される部隊の拠点になります。

 さらに、岩国や三沢の航空部隊も北朝鮮への攻撃態勢を保っています。加えて、日本海に面した車力(青森県つがる市)や京都府京丹後市に朝鮮半島をにらんだレーダー基地が設置されるなど、全土で朝鮮有事に即応できる態勢が維持・強化されています。

 北朝鮮がこれらの基地や周辺地域を報復の対象として選ぶ可能性は高い。実際、北朝鮮は3月に日本海に弾道ミサイル4発を同時に発射した際、在日米軍基地の攻撃任務を持った部隊が担当したとしています。

危険な拡大解釈

 自衛隊が参戦した場合、自衛隊基地も報復対象になることは言うまでもありません。小野寺五典防衛相は10日の衆院安保委員会で、北朝鮮のミサイルが日本の上空を通過してグアムを攻撃する場合も「存立危機事態」に該当し、安保法制=戦争法を発動して集団的自衛権を行使し、米軍の武力行使に参戦する可能性に言及しました。

 弾道ミサイルが日本の上空を通過するだけなら安保法制の発動要件にならないというのが、従来の政府見解です。小野寺氏の答弁は明らかに拡大解釈であり、日本を戦禍に巻き込む危険な考えです。

迎撃極めて困難

 日本政府は北朝鮮の弾道ミサイルに備え、「ミサイル防衛」態勢をとっています。

 防衛省は12日、上空通過が予告された島根、広島、愛媛、高知各県の駐屯地に地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を搬入しました。万が一、日本に落下する場合に備えてのものです。

 そのような「事故」ではなく、日本を標的にしたミサイル攻撃の場合、射程範囲も高度も限られているPAC3では迎撃は困難とみられています。

 「ミサイル防衛」網や有事法制を担った元政府高官は「ミサイルを撃ち漏らさないことは不可能。国民にある程度の犠牲を覚悟してもらうか、撃たせないための外交努力のどちらかだ」と指摘します。

 現実問題として、米朝の軍事力の差は歴然としています。しかし、北朝鮮が制圧されるまでの間に、日本を含む周辺国で大量の血が流れることになります。

 17日には日米の外交・軍事担当閣僚会合(2プラス2)が開催され、北朝鮮問題が最重要議題とされます。日本政府は軍事的圧力一辺倒ではなく、米朝の直接対話の実現、6カ国協議の再開など外交努力の強化を訴えるべきです。

 

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