小選挙区制は民意をゆがめている、と先日書きましたが、さっそく、そのユガミが現れ始めました。
その筆頭が原発問題です。
2012年8月に政府がおこなったパブリックコメントでは、2030年の原発依存度について「ゼロ」が87%を占め、「今後原発が必要か」については「不要」が84%でした。今回の選挙とは違って、正真正銘の圧勝です。
それなのに・・・
自民党は公約で「遅くとも10年以内には将来にわたって持続可能な『電源構成のベストミックス』を確立します」「その判断に当たっては、原子力規制委員会が安全だと判断する新たな技術的対応が可能か否かを見極めることを基本にします」と述べました。
つまり、基本的に原子力規制委員会と自民党が中心となって、原子力の今後を決めてしまえ、というのです。
多くの疑問点を抱えながらも、この公約だけでは、得意技の「玉虫色」でした。
しかし、圧勝後はどうでしょう。赤旗から見てみますと・・・
自民党の安倍晋三総裁は22日、山口県田布施町で原発の新規建設に関し「・・・新しい政府・与党で決めたい。民主党が決めた(建設しないという)方針をもう一度見直していきたい」と記者団に述べました。
安倍氏は21日にも、「原発の新規建設を認めず、2030年代に原発の稼働をゼロにする」という民主党政権の基本方針を見直し、新規の建設を認めることもあり得るという考えを明言していました。
そのうえ、安倍氏は22日、中国電力が建設を計画している上関原発について「地元の(建設)凍結という意思を尊重しつつ、国全体としてどう考えていくか検討していきたい」と言及。(尊重したら普通は建設凍結なのでは?筆者) 上関原発の着工を検討していく姿勢を示しました。・・・(12月24日付より)
わかりやすい。なんとも、わかりやすい。
皆さんご存知の通り、あれだけ長く使い続ける原発です。新規で建設するということは、これから建設した原発が数十年後に寿命を迎えるまで、原発を停める意思はない、と言う以外、どう考えられるのでしょう。
一箇所でウン百億~ウン千億円ともいわれる莫大な金額を投入して建設される原発です。まさかすぐに停止したり廃炉にしたりするムダが、この不景気の時に許されるわけもありませんし。
21日には、「連立政権合意文書」なるもので、自公(あああっ!、また、この言葉を、これから何十回も入力しなければならないなんて!ゲンナリ!)が、原発再稼働を容認しています。
朝日新聞社が選挙前の12月初め、電話による世論調査で「原子力発電は、今後、どうしたらよいと思いますか」と聞いたところ、「徐々に減らしてやめる」が66%、「早くやめる」が18%で、合計すると、広い意味の「脱原発」は84%を占めました。またもや、圧勝です。「使い続ける」は、わずか11%だったのです。
いわゆる、「大メディア」の朝日新聞ですら、この結果なんです。
民主主義のもとでの選挙で選ばれたハズなのに、11%の側にたつとは、一体なにごとでしょうか!