参院選公示（２２日）を前にした２１日、日本記者クラブ主催で与野党９党による党首討論会が開かれました。日本共産党の志位和夫委員長は、野党共闘の勝利と日本共産党の躍進への決意を表明し、安保法制＝戦争法や安倍政権に代わる責任ある政権構想などについて語りました。（詳報）
 （写真）発言する志位和夫委員長（右）。左へ岡田克也民進党代表、安倍晋三首相＝２１日、東京都千代田区 |
司会から基本的な主張を問われ、「力あわせ、未来ひらく。」と書いたボードを掲げた志位氏。「今度の参院選では、安倍暴走政治ストップの願いに応えて、全国３２の１人区すべてで野党統一候補が実現しました。戦後かつてない画期的選挙、政治を変える絶好のチャンスです」と強調し、４野党が確認した４点の「共通政策」の柱を示して、野党共闘の勝利と日本共産党の躍進を勝ちとりたいと述べました。
志位氏は討論で、自民党総裁の安倍晋三首相が「アベノミクスの果実」として２１兆円の税収増を挙げていることに対して、２００８年のリーマン・ショックや１１年の東日本大震災による税収減という「二重の打撃」を受けていた２０１２年度と比べた数字だと指摘し、巨大な外的要因をまったく考慮していないとただし、フェアな政策論争のためにも、こうした手法を慎むよう求めました。
安倍氏は「確かにリーマン・ショックや東日本大震災（の打撃）はあった」と述べつつ、都合の良い経済指標を列挙。記者クラブ代表は、「２１兆円の税収は、志位さんがおっしゃったように、もっとも日本経済が谷底だった２０１２年（との比較）の数字」だと述べ、「アベノミクスがすべての果実を生み出したという宣伝は過大広告。あまりにもおとな気ない」と厳しく批判しました。
また志位氏は、質問が相次いだ自衛隊に対する日本共産党の立場について丁寧に答えるとともに、「いま問われているのは、自衛隊をなくすかどうかではなく、自衛隊を『殺し、殺される』戦場に投入していいかどうかです。野党は、安保法制を廃止し、立憲主義を取り戻すという大義のもとに結束しています」と強調しました。
野党の政権構想に関する質問も出され、志位氏は「安保法制を廃止し、立憲主義を取り戻すためには、それを実行する政権が必要です」と述べ、「この問題は（野党間で）引き続き話し合っていきたい。（次期）総選挙までに、私たちとしては、話し合いを行って、前向きの結論を得たい」と表明しました