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きょうの潮流

2017-08-29 | コラム

80年前に児童向け図書として出版された『君たちはどう生きるか』が読まれ続けています。今月、初めて漫画にもなりました。著者は、戦後の岩波書店の編集者、ジャーナリストとして知られた吉野源三郎です▼盧溝橋事件と同じ1937年7月に出版されました。軍国主義と言論統制が強まり、ヒトラーが英雄視された時代です。「せめて少年少女だけは時勢の悪い影響から守りたい」と企画された「日本少国民文庫」(全16巻)の一冊です▼『君たちはどう生きるか』は「倫理」、生きるために大事な問題を扱っていますが、説教くさくはありません。15歳の旧制中学2年生コペル君の体験と、大学を出たばかりの叔父さんとの交流を通じて展開されています▼上級生による暴行に仲間で抵抗する約束がありながら、コペル君だけ行動できずに深刻に後悔しつづける場面が、迫真性をともなって長く続きます。この叙述についてジャーナリストの橋本進さんは、非合法下の共産党の活動を支援し憲兵隊の過酷な取り調べを受けたとき、仲間を裏切るまいという吉野の体験があったのでは、と推測します▼叔父さんは、コペル君にノートで伝えます。「僕たちは、自分で自分を決定する力をもっている」。だから誤りを犯すこともある。また、誤りから立ち直ることもできる▼モラルだけでなく、生産関係、国と国との関係、貧困問題など社会を考えるテーマが詰まっています。大学の演習でも使われています。漫画化を機に読者の層が広がりそうです。

 

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