日本共産党の田村智子議員は3日の参院予算委員会で、保育所に入れない深刻な待機児童問題を打開するためには、国と自治体が責任をもって「公立保育所を増設することが必要だ」と強調し、「自治体は待機児童の需要を把握できるはずだ。国は自治体と連携して対策を進める必要がある」と求めました。
田村氏は、今年も「保育園落ちた」の悲鳴が各地であがり、東京都内の自治体では申し込み者の4割が「入所不承諾」となる状況が生まれていると紹介。昨年来の安倍政権の待機児童対策をただしました。
塩崎恭久厚労相は、「受け皿・人材の確保など対策を打っている。働き方改革で環境を整える」と述べ、具体的な解消策は示しませんでした。
田村氏は、大阪府八尾市や東京都東久留米市では多くの待機児童がいるのに公立保育所の統廃合・全廃計画が進められていることを示し、背景に公立への直接補助制度の廃止など国の政策があることを指摘。八尾市の計画は、公共施設の統廃合を促進する総務省の「公共事業最適化事業債」の対象だと述べ、「国の政策も公立つぶしをあおっている。待機児童解消に逆行する」と追及しました。
塩崎厚労相は公立保育所が減っていると認め、「それぞれの自治体の判断」などと責任逃れ。高市早苗総務相も「(自治体の財源となる)事業債は活用できるが、保育所・幼稚園への特定のものではない」と開きなおりました。
田村氏は「待機児童解消や求められる保育の質の確保から、公立保育所の役割を再認識すべきだ」と追及。塩崎厚労相は「公立であろうと、私立であろうと地域に重要な役割を果たしている」と述べて、公立保育所増設には背を向けました。