港の産業別労働組合の全国港湾労働組合連合会(全国港湾)と全日本港湾運輸労働組合同盟(港運同盟、連合加盟)は10日、今春闘を3波におよぶ24時間ストライキなどでたたかい、産別最低賃金の増額などで経営側と大筋合意をかちとり、スト体制を解除しました。
全国港湾は、港運事業者の中央団体の日本港運協会(日港協)とのあいだで産業規模の中央団体交渉を行い、日本全国すべての港湾労働者の労働条件の最低ラインを「産業別労働協約」で決めている先進的な組合です。
今春闘で、全国港湾の賃上げ要求に対し、日港協は、労働条件の一部を個別企業任せにし、産別最賃協定の廃止をいい出しました。
全国港湾は、これまで3波の24時間ストを決行。解決まで毎週日曜にストを継続し、さらに毎日午後6時以降の残業による夜の荷(に)役(えき)を拒否すると通告していました。
9日の団交で、産別最賃を守り、月額2400円引き上げて16万円とし、日額6310円から6960円へ引き上げることなどで合意。日港協は、大企業など荷主から適正料金を確保することも約束しました。全国港湾は、各業種・職場などの賃上げが前進しなくなった場合は、産別スト体制を再構築するとしています。
全国港湾の糸谷欽一郎委員長は、「政府の『賃上げ要請』があったというが、港湾ではスムーズに進まなかった。組合員の団結によって前進できた」と語りました。