小野寺五典防衛相が14日、沖縄県庁を訪れ、翁長雄志知事と会談しました。翁長氏は辺野古新基地建設の断念、米軍普天間基地の県外移設と同基地の早期返還・5年以内の運用停止、オスプレイ配備撤回を求めました。小野寺氏が応じることはありませんでした。
翁長氏は、5年以内の運用停止について質問。「“辺野古”ができれば“普天間”は返還されるという話なら、“辺野古”ができるのに10年かかるのだから“5年以内”は(話が)符合しない」と述べました。
その大前提の“辺野古新基地ができれば普天間飛行場が返還される”という話自体が、稲田朋美元防衛相の国会答弁(6月6日と15日の参院外交防衛委員会)で否定されていると指摘しました。
「何回も国会答弁書を読んだが、民間設備(民間空港)使用ができなければ普天間は返還できないと、(稲田氏は)言っている。民間空港とは那覇空港のことではないのか」とさらに追及しました。
小野寺氏は「辺野古完了後、普天間返還はゆるぎない」と弁明を繰り返す一方で、返還8条件について「中身を米側としっかり協議していない」とあいまいさを露呈しました。
普天間返還8条件は、2013年4月に「沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画」で日米両政府が合意。辺野古新基地建設のほか、新基地では確保されない長い滑走路を持つ民間空港の使用などが、記載されています。
翁長氏は、沖縄では20年来オスプレイ配備の可能性を指摘されたが、国は配備されるまで認めなかったことに触れ「那覇空港使用も『協議していない』といいながら後に浮上するのではという恐怖心がある。これは70年来の肌感覚だ」と詰め寄る場面もありました。