自民党の石破茂幹事長は5日、テレビ東京番組で、集団的自衛権行使の「限定」的容認論について、自衛隊が派兵される「地理的な範囲も、地球の裏まで行くことは普通考えられない」としつつ、「そこで起こっている事態が、日本に対して非常に重大な影響を与える事態であると評価されれば、行くことを完全に排除はしない」と言明しました。「限定」容認といいながら、実際は、海外への派兵先がまったく「限定」にならないことを示しました。
また石破氏は、アフガニスタン戦争に集団的自衛権行使を理由に参戦した北大西洋条約機構(NATO)軍の欧州各国の兵士が多数戦死したことについて問われ、自衛隊員が入隊の際に「事に臨んでは危険を顧みず」と宣誓することを義務づけられていることに言及。「傷つけ、傷つくことが、(自衛隊員に)絶対にないかといえばそんなことは保証できない」「彼らを出すときに、“危険だから、やめておこう”ということはやっぱりあってはならないことだ」と発言。「殺し殺される」状況を覚悟するよう求めました。
集団的自衛権“一度穴開けると拡大簡単”
― 自民党 古賀氏が懸念
自民党の古賀誠元幹事長は5日、テレビ東京の番組にビデオ出演し、安倍政権が狙う集団的自衛権行使について語りました。行使容認のための憲法解釈変更について問われ、「あくまでも憲法改正が筋道だ」と自説を主張するとともに、「私が一番懸念しているのは、いったん憲法解釈(変更)で穴を開けると、どんな小さな穴でも広げることは簡単だ。だけど、閉じることは難しい」と述べ、「限定」容認論にも事実上反対する考えを示しました。
この間一部報道では、「古賀氏も『限定』容認論を受け入れた」などとされていましたが、これを否定するコメントになりました。
また古賀氏は、「“次はこういうポスト(役職)が回ってくるのではないか”という期待を、みんな政治家は持っている。それによって発言ができなくなっている」と発言。夏の内閣改造をちらつかせ、集団的自衛権行使容認に慎重な党内議論の締め付けをはかる安倍晋三首相に異論を口にできない実態を明らかにしました。