衆院国土交通委員会は26日、リニア新幹線建設への3兆円の公的資金投入を可能にする鉄道建設・運輸施設整備支援機構法改定案を採決し、自民、公明、民進、維新などの賛成で可決しました。日本共産党は反対しました。同改定案は同日、実質審議入りしたばかり。同日の参考人質疑でもリニアの安全・技術面での不安など、多くの問題点が指摘されたにもかかわらず、わずか1日の審議で質疑を打ち切り、可決されました。
同改定案は、政府が国債の一種「財投債」を発行して調達した資金を、リニア中央新幹線全線開業の最大8年間前倒しを理由に、鉄運機構を通じてJR東海に貸し出す財政投融資(財投)を行うため、機構に貸付業務を追加するもの。採決に先立ち、日本共産党の本村伸子議員が反対討論し、リニア新幹線事業が抱える問題に対する十分な審議もなく採決したことに抗議しました。
本村氏は、「安全性、採算性、技術面、自然環境、生活環境などの多くの問題を抱え、無謀な計画だ」と指摘。同社の全額自己負担という大前提が崩れた以上、「JR東海の全額自己負担を前提とした整備計画決定、工事実施計画の認可を取り消すべきだ」と求めました。
反対の理由に、
(1)リニア新幹線事業そのものに大義がなく、建設
主体のJR東海のやり方にも多くの問題点がある
(2)今回の財政投融資はさらなる追加投資に道を開き、将来、国民・住民にツケ
を回すことになりかねない
―などの点を挙げました。