小池政策委員長 徹底審議を要求
日本共産党の小池晃政策委員長(書記局長)は30日のNHK「日曜討論」で、環太平洋連携協定(TPP)の承認案をめぐり、自民、公明両党幹部から今週中の衆院通過を求める声があがる中、「議論の前提が欠けている。これで採決するのはとんでもない話だ」と批判しました。(詳報)
自民党の田村憲久政調会長代理は、31日に委員会採決、11月1日にも衆院本会議通過との声が与党内にあると問われ、「タイムリミットが近いのは確かだ」と早期採決を要求しました。
小池氏は輸入米(SBS米)の価格偽装問題について、「(TPPで)『米に影響が出ない』という政府の今までの説明が崩れる。これは核心だ」と述べ、「核心的な問題ではない」と番組内で強弁した公明党の上田勇政調会長代理に反論。▽農産物の関税撤廃▽非関税措置の撤廃▽多国籍企業が国や自治体を訴えるISDS条項―の各問題でも、本格的審議は始まったばかりだと強調しました。
民進党の大串博志政調会長も「輸入米は問題の核心だ」と指摘。「時間ありきで採決に向かうのはありえない」と強行採決に反対の姿勢を示し、徹底審議を求めました。
上限規制されない労働者を拡大、残業代ゼロ法案撤回を
長時間労働の規制をテーマにした討論で、小池氏は、残業時間の上限規制の検討を始める一方、残業代の対象にならない労働者を拡大する「残業代ゼロ」法案を国会提出している安倍政権の姿勢を批判しました。
小池氏は、関西電力で起きた過労自殺も、課長 職で残業代の対象外にされていたと指摘。「一方で(長時間労働の)上限規制をしながら、一方で規制のかからない労働者を増やしていけば、過労死・過労自殺が増えるばかりだ。残業時間の上限規制は当然やるべきで、『残業代ゼロ』法案は撤回すべきだ」と与党に迫りました。
自民・田村氏は「(残業代がつかない課長職以上も)しっかりと総労働時間を管理する」と述べつつ、「自信を持って出している」と、「残業代ゼロ」法案に固執する姿勢を崩しませんでした。
民進・大串氏は、野党共同提出法案の中で明記している長時間労働の上限規制は「待ったなしだ」とし、与党が協力に回って今国会で成立させるよう求めました。