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南区九条の会―文化と講演のつどい―「復帰40年後の沖縄の現実」より(1)

2013-01-28 | 南区の市民団体の活動をご紹介します

 1月27日、南区九条の会が主催する文化と講演のつどいが行われました。題して「復帰40年後の沖縄の現実」。

        司会の金子昭代さん

 まずは文化行事として、三線(さんしん、沖縄・奄美地方に古来から伝わる楽器)の演奏と歌を聴きました。演奏と歌は、八重山古典音楽安室流保存会の西田さんと石川さん。

 三線の、ちょっと聞くと「スピーカーから流れてくるのか?」と錯覚するような豊かな響き。

 決して大声をあげたりはしないのだけれど、ひたすら繰り返される三線の旋律と清らかな歌声とを聴いていると、過酷な運命に翻弄され続けてきた沖縄の人たちの、静かな、しかし強い想いが伝わって来るような気がします。

 最後は、みんなで手拍子です。

 しみじみとした、素晴らしい演奏でした。

 さて次は、元参議委員議員の富樫練三さんによる講演「復帰40年後の沖縄の現実」です。

 日本の総面積のわずか0・6%しかない沖縄に、米軍専用基地の74%が集中しており、沖縄本島の面積の18%を米軍基地が占めているという現実。

 そしてそこは、米兵の犯罪・無法地帯であるということ。

 

・・・復帰前の1955年のことですが、「由美子ちゃん事件」という事件がありました。

 幼稚園に通っていた女の子が、米兵に車で拉致され、何度も何度もレイプされた末に殺され、遺体は嘉手納基地のゴミ捨て場に。

 6歳の由美子ちゃんの遺体は、唇をかみしめたままで、小さな右手には数本の雑草がにぎりしめられていました。・・・筆者

 1995年に米兵3人が小学生の女の子を拉致して暴行した事件。(「レンタカーを借りる金を払ったら、女が買えたのに。」と米太平洋軍司令官が発言。)

 1998年に18歳の女子高校生がひき逃げされ死亡した事件。

 この2つの事件では、「日米地位協定」によって、起訴前の犯人の身柄引き渡しを米国が拒否しました。これでは、起訴までに十分な捜査ができません。

 2004年の沖縄国際大学へのヘリ墜落事件では、米側は沖縄県警の現場検証を拒否。

 この時消火活動にあたった消防士は、「治外法権のように現場が米国側に占拠された。ここは日本ではないとつくづく感じた。」と述べています。

 なぜこんな事態が続くのでしょうか?日米安保条約と日米地位協定が、日本国内で米兵や軍属(米軍に雇われたアメリカ人で、軍人以外の人達)が犯罪を犯しても、大半は日本の法令が適用されない「不平等条約」だからです。まるで明治時代の不平等条約さながらです。

 例えば、地位協定の中には、「公務執行中の犯罪」については、アメリカ側に第一次の裁判権があります。(日本国内で犯された罪なのに、最初に裁判できるのは米国側だということ。)

 職場で酒を飲んで帰宅途中に起こした事件でも「公務執行中」になってしまうという取り決めもあります。(1956年3月の日米合同委員会。)

 伊江島住民狙撃事件でも、最初は「公務外」と認めていたにもかかわらず、強引に「公務中」にしてしまいました。

 (伊江島住民狙撃事件 1974年、沖縄県・伊江島の米軍補助飛行場内で、畜産の飼料のための草刈りは米側も黙認していたにもかかわらず、米兵が草刈中の青年をトラックで追い回し信号用の銃で狙撃して負傷させました。日本政府が裁判権を放棄、被害者補償もされませんでした。)

 また、公務執行中以外でも、アメリカ側が先に身柄を拘束した場合は、身柄引き渡しは起訴の後、という取り決めもあります。ここでも、日本側は十分な捜査・取り調べができません。

 なので、「基地に逃げ込めば捕まらない」という意識になってしまっているそうです。

 沖縄で婦女暴行をして、アメリカに帰ってからも婦女暴行をして、最後には自殺してしまった米兵もいるそうです。

 戦場で、沢山の人を殺したり、殺すか殺されるかの経験をしてきた、まだ若い青年たち。彼らに「問題を抱えるな」という方が無理、とさえ言えるのではないでしょうか。

 その他にも、基地を日本に返す時、汚染などの問題があっても元に戻す義務はないとか、米軍の構成員はパスポートもビザもなしで入出国できるとか、有料道路はレジャーも含めて使い放題で、日本政府が負担した有料道路代は2007年度で8億8千万円だったとか、日本人でも許されていない取り調べの可視化・弁護士の同席が許されているとか、刑務所での食事も特別メニューであるとか、数え上げればキリがないほどの特権のオンパレード。

 ちょっと長くなりましたので、続きは次回にしたいと思います。

 


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