ワシントン=池田晋】国連安全保障理事会は11日午後(日本時間12日朝)、6回目の核実験を実施した北朝鮮に対する石油輸出量の上限を設けるなど追加の制裁決議案を全会一致で採択しました。問題の対話を通じた解決、緊張緩和のさらなる取り組みも強調しています。核実験の実施(3日)から1週間余りと異例の速さで採択し、国際社会の結束を示しました。
米国が主導した決議案は当初、石油の全面禁輸をはじめ、公海上での北朝鮮船舶に対する強制的な臨検(船舶検査)など、「最強の措置」(米国連大使)とされる内容となっていました。
決議は最終的に、原油供給の年間上限を過去12カ月の総量とし、石油精製品(ガソリンなど)も年間上限を200万バレルと規定。天然ガスや軽質原油コンデンセートは完全に禁輸としました。
船舶検査では、禁輸物資を積んでいると疑われる北朝鮮関係の貨物船を公海上で、船舶が所属する「旗国」の同意を得て検査するよう国連加盟国に要請しています。
また、北朝鮮の最後に残った主要輸出物資である繊維製品、外貨獲得源である出稼ぎ労働者の就労も禁止。
決議は「平和的に朝鮮半島の非核化を達成することが不可欠」などと、政治的・外交的解決の重要性も強調し、制裁強化に慎重だった中ロも賛成に回りました。
ヘイリー米国連大使は「石油は北朝鮮の生命線だ」と述べ、制裁強化が新たな段階に入ったと強調。一方、中国のほかにも、平和的、外交的解決を求める発言が相次ぎました。