沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設工事をめぐる入札談合疑惑(1日付既報)で、問題の6件の本体工事を共同企業体(JV)で受注した業者の約7割に複数の防衛省・自衛隊OBが天下りしていたことが、日本共産党の笠井亮衆院議員の調べでわかりました。
調査は、防衛省が公表した過去15年間の再就職先の資料に加え、同省OBで構成される親睦団体の名簿をもとに実施。その結果、6件の工事をJVで受注した計16社のうち11社に、少なくとも計22人の防衛省・自衛隊OBが天下りしていました。(表)
最も人数が多かったのは、「ケーソン新設工事(1工区)」を受注した五洋建設の4人。「中仕切岸壁」や「二重締切護岸」の新設工事を受注した若築建設や前田建設工業にも、それぞれ3人が天下りしていました。JVごとにみても、政府が現在、工事を強行している「K9護岸」(傾斜堤護岸新設工事)など6件の工事全てで2~5人を受け入れていました。
これら6件の工事では、入札時、沖縄防衛局が低価格入札を防ぐために設けた「調査基準価格」ぎりぎりで落札が行われました。しかも、防衛省が笠井氏に明らかにした資料によれば、いずれの工事も、契約後に「設計変更」が繰り返され、うち5件で競争入札なしの追加工事が発注された結果、契約額が当初の計405億6000万円から529億2000万円と1・3倍に増加。3月末現在、入札時に設定された予定価格を計77億6700万円も上回る契約が結ばれています。