安倍晋三首相の友人が理事長の学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設申請について、林芳正文部科学相は27日の閣議後記者会見で、大学設置・学校法人審議会の可否判断は11月前半になるとの見通しを示しました。
獣医学部新設の申請は、安倍首相がトップダウンで決定する国家戦略特区の特例で可能になったもの。文科省の内部文書などから、関係省庁が安倍首相の友人に便宜を図った疑いが浮上し、22日投開票の衆院選でも争点になりました。安倍首相はこの問題を街頭演説でふれぬままで、説明責任が改めて問われています。
設置審は、2018年度の大学や学部の開設などの申請に対して、8月に最初の答申を出しました。その際、加計学園については判断を保留し、10月末までに改めて判断する方針でした。
林文科相は判断時期が遅れたことについて、「衆院選など外部の事情を考慮して決定されたことはない」と述べました。他方、経緯を知る自民党関係者は本紙の取材に「自民党が勝ったから、安心して認可できる」と述べています。
大学学部の新設は、文科相が設置審の判断をうけて認可する仕組みです。文科省関係者によると通常、設置審の判断から間をおかず文科相が認可しています。