従兄弟が亡くなった。
母の1番上の姉の息子。
私とは10歳以上年が離れているので、
あまり会った事はない。
が、あまりにも波瀾万丈な生き方ゆえに、
今は亡き伯母から話はよく聞いてた。
大学中退し、ミュージシャンを目指す。
某歌手のバッグバンドで日本中飛び回り、
紅白なんかにも出てた。
伯父も頑固で大反対。
勘当状態だったので、地元へ帰ってくる事もなく伝説みたいな人になってた。
20歳位の時、伯母から従兄弟が大学生の時に着てたダッフルコートを貰った。
男性用だから…と言う伯母から
強引に貰った感じか…
チェックのオレンジのダッフルコート。
なぜか気に入って愛用してた。
その後弟が欲しいと言って、持っていき飽きるとまた私のとこに戻ってきた。
従兄弟との思い出では、ほぼこれだけ。
生涯数えるほどしか会っていないと思う。
10数年前に結婚したと聞いた。
若い奥さん。
その人が喪主だった。
46歳だと言う。もちろんはじめまして。
こっちに住んでる叔母と、従姉妹と参列。
さみしい祭壇。あの有名歌手からお花。
ミュージシャン仲間の方々が、続々お別れにやってくる。
実家から勘当され、それでも貫いた世界で従兄弟は生きていたんだ。と、改めて思う。
実家にも帰れず、さみしくかわいそうな人生だと勝手に思っていた。
みんなに愛され、ぶれずに信念を通した生き方だったんだな。
全然かわいそうじゃない。
誰よりも幸せな生き方だった。
何も知らず親戚の席にいる。
親戚なんてそんなもんだな。
残された奥さん。
子供もいないので、1人。
ご両親と兄弟が参列してたが、まだ若いしこれから幸せになって欲しい。
従兄弟…肺ガンでした。
生きてる時に会いたかったよ。