詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

青森旅行4

2016年11月08日 | 雑記
青森旅行二日目の午後は、弘前の喫茶店でアップルパイとコーヒーを頂いてから弘前城見学へ。石垣の修復工事のため、現在、天守は有名なあの場所ではなく、内側のほうに移動しています。これを曳家というのですね。知りませんでした。知らないことばかりです、私。そのため、このブログを書くにもいちいち調べております。それでも間違ったことを書いているかもしれません。書こうと思うと、なんとなくわかったつもりになっていたことも、ぜんぜん言葉にならないことに気が付きます。楽しく聞いていたことも、楽しかった、の記憶ばかりで、大切な内容をぽかーんと忘れていることに気が付きます。細かなことをたくさんわかっていないと簡単なことさえ紹介できないことに気が付きます。記憶することをもう少し大事にしようと思い始めております。

そんなわけで、天守の中では油圧式についてお勉強。なぜ油圧式かももう定かではないのでした。確か、曳家工事をするのに油圧式ジャッキを使ったという話だったはず。油圧式ジャッキを使って天守を持ち上げたのではなかったかな。そして、以前にも、夫に油圧式とは何かを教えてもらったのに(油圧式エレベーターという言葉を見たときに)、ここでも再度聞かねばならないのでした。そして、いまもまた、尋ねなければいけない気がするのでした。ほんとにあきれた記憶力です。さすがに今回は聞けないので、こっそり調べます(調べれば、そうだよそうだったよ、と思えるくらいには学んで?います)。

朝は、森にいて、しとしと雨も降っていたのに、いまはすっかり晴れて、弘前は素晴らしい光なのでした。そうそう、弘前城へ来る前に、大正浪漫喫茶室で、「弘前に来るまでに何をしていたか」という話になりました。ふと、午前中に何をしたかの記憶がないことに気が付く二人なのでした。じゃあ昨日は何をした?と言うと、これまた二人ともまっっったく思い出せないのでした。これを読んでくださってる方は、青森旅行1,2,3(アホにならなくていいですよ)と読んできてくださっている……かもしれないので、とても明らかにお思いでしょうけれど、そのときの夫と私は、前日のことを、その日の午前中のことを、そこにまるで白い巨大なコンクリートがドーンと横たわっているかのように、何も思い出せないのでした。そのコンクリートの端っこから出ているあの金属の棒や粘土を崩したような白い塊をほぐして柔らかくしていくうちに、固まっていた記憶が柔らかくなって徐々に徐々に昨日のこと、今朝のことがよみがえってくるのでした。一度にいろんなことをして、いろんな刺激を受けると、こんなふうになるのですね!驚きです。

話がそれました。弘前城はそんなわけで、とても気持ち良く散策できました。光が良かったので、空やそれを映す水や木々の緑の、色が濃く、それでいて、どぎつくもなく、誰かのほほえみの中に漂っているような気分。

レンタカーを返してから、ホテルにチェックインをして、弘前駅のみどりの窓口へ。私の立てた計画によると翌日に乗る予定になっているリゾートしらかみ。チケットを買っておいたほうがいいよね、ということで。ご存知の方は、いえ、ご存知でなくても、ここで、おや?となるのではないでしょうか?まさかいまからチケットを買うわけじゃないよね?と。そのまさかなのでございます。平日だったとはいえ、もちろん明日のチケットなど、とっくの豆腐に完売しているのでございました。青森旅行二度目の泣き。あの青い空と青い海の縁をプワァッーとカーブしながら走っていく、あの素晴らしい眺めの電車に乗れないって⁉︎それでまさか、なんの眺望もない山の中のトンネルばかりを行く電車に乗るしかないって⁉︎(勝手な想像)

落ち着いて聞いてみると、リゾートしらかみでなくても、普通の各駅停車が同じ線路を走るのですって。ほーっと安堵。したものの、その各駅だと深浦というところで乗り継ぎをしなければならず、その乗り継ぎでは1時間以上待たなければいけないと駅員さん。バスの時間もあるし、ちゃんと計画立てたほうがいいですよ、と駅員さん。ですよね、ヘコむミオさん。とりあえずドトールで作戦会議だ。ガイドブックを広げ、携帯をいじりながら眉間に皺を寄せて翌日の計画を立てる二人なのでした。







弘前城。向こうに岩木山が見えます。

















蓮池が好きです。特に枯れている蓮池が好きです。描けないけど、油絵を描いてみたくなる。きっと良い絵になるはず。先越さないでくださいね、いつか描くんだから。30年後くらいかな。






こういう動物、いるなぁ、と思いました。
なんだろう、馬?キリン?





翌日の予定も決まったので、チケットも購入。ほっとして地元の居酒屋さんへ。




りんごのグラタン的なメニュー。




みどりの窓口の人は駅員さんではないですよね、よく考えたら。
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青森旅行3

2016年11月05日 | 雑記
青森旅行二日目(タイトルの数字とずれていてややこしい)。

朝少し散策をしてコーヒーを飲み(ふーとひと息つくときに、いちいちコーヒーを飲みたくなってしまって、おかげで、というかいつもだけど、トイレも近くなって、だんなさんに、また飲むの〜?と注意される)、朝ごはんを食べてから(もちろんここでも、「ちょ、ちょっとだけ」と言いながら、飲む)奥入瀬渓流へ。ホテルから便利なバスが出ています。見所が多いというところを歩きます。残念ながら数日前の台風で水が濁ってしまったそうです。ホテルの食堂にも浸水したり、森の中の木道が冠水したりしてしまったそうです。でもホテルはそれを予測していたので、すぐに対処できたのだとか。さすがです。

今回はあまりあれこれ書かずに写メをUPすることにします。前日の夜の森の学校では、青森の自然を撮っている岩木登さんという写真家の方がご自身の写真を見せながら、お話をしてくださいました。ブナは木偏に無しという漢字をあてられたくらい、役に立たない木と思われて、戦後、大量に伐採され、スギやヒノキといった建築用材として使える木に植え替えられてしまったそうです。ところが実際は、ブナの森は雪や雨の水を大量に蓄えることができ、水をろ過してきれいな湧き水として森を豊かにしてくれるのだそうです。青森には白神山地が世界遺産に登録されて有名ですが、ブナの貴重な原生林が残っています。おかげでたくさんの種類の野生動物も生息しているそうです。手つかずの自然を大切にしていきたいとおっしゃっていました。


ふと思ったのですが、今頃は、もうとっくに紅葉、かもしくは紅葉も終わっている頃、でしょうか。青森旅行に行ったのは……もう二ヶ月ほど前なのでした!のんびりにもほどがありますね。スピードUPでUPしていきます!










きのこのおうち




誰かもう冬支度始めてます?






平均台……




十和田湖(この時点ではかなり曇っています)


写真は載せていませんが、このあと日本一のブナ「森の神」も見てきました。立派だったけど、それよりもクマさんに会わないか心配で……。雨もしとしと降っていて。クマは「会う」なのに、「森の神」には、「会いに行ってきた」ではなく、「見てきた」と思わず書いてしまうことが、そのときの自分の感覚を表している。距離があったことがわかる。ただ、雨の音がする静かな森の雰囲気は、とても柔らかく身に纏った感覚があるのでした。

豊かな森よ、さようなら。また会いましょう(クマさんを除く)。

奥入瀬を後にして弘前へ向かう。晴れてきた。


途中で黒石焼きそばを食べて、弘前に到着。
まずはお茶お茶。ここはどこでしょう?



ですのよ。弘前城のすぐそばです。

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青森旅行2

2016年11月02日 | 雑記
青森旅行の一日目。
種差海岸を後にして、お昼を食べることにしました。ガイドブックに載っていた八食センターへ。着いてみるとすでに14時半を過ぎていました。ひと通り見て回って、自分で好きなお刺身を選んで丼にできるお店にしました。私は、食へのこだわりは薄いようです……。そして、舌もそんなに肥えてない……。繊細さがないところは文章からも伝わってます⁉︎おいしいものは好きだけど、すごく執着があるわけではない。食べられたらいいな、くらい。そんなわけで、魚介好きの人ならきっと興奮したかもしれないここで、私は普通のテンションなのでした。八食センターのみなさん、すみません。でもとにかく種類が多くて、見ているだけで(食べたけど)楽しかったです。魚介類は絵心を誘いますよね。絵を描きたくなります。さらにそこで魚介を買って帰る人について行って、料理を教えてもらいたいと思ったことでした。おいしい丼ごちそうさまでした。

八食センターを出て、目指すは十和田市現代美術館。外見からおもしろい。大きさの違う白い箱がコロコロ転がっている感じ。東京ではなかなかない、この優雅な敷地の使い方。素晴らしい。そしてそして、ここで、夫と私はある作品に大興奮してしまうのでした。ネットで調べたらロケーション(5)という作品だと出てきました(パンフレットをどこかにやってしまって見つけられなかった)。ということはずっと展示される作品ではなく、いずれ6とか7になって違う作品に代わってしまうのでしょうか?ハンス・オプ・デ・ピークという人の作品だそうです。

最初は暗くてなんだかよくわからず、目が慣れてきて、少し進んで、ようやく見えてきた……あ、この感じ、夢の中みたい!夜中に見る夢ではなくて白昼夢のように見ていた夢の中の世界みたい!大好きだ、私、こういうの、というか、知ってる、こういう世界!なぜなぜ?(と、なぜか思ってしまう)

これは一体どうなっているのだろう。
座ったり。歩き回ったり。また座ったり。大興奮です。もう閉館まであまり時間もないというのにかなり長いことそこで時間を費やしてしまいました。そしてやっぱり走ることになる。

2010年かな、気付けば、もう6年も前。瀬戸内国際芸術祭のとき、男木島でも、私にとってツボ(という言い方が正しいかはともかく)の作品を見つけて、大岩オスカールさんという人が作ったそうなのですが、こちらも、子どものころから漠然と、こういう世界っておもしろいよね〜と思っているような部分を刺激してくる作品なのでした。単純に言ってしまえば、白地に黒で描かれた絵が両側にある鏡によってその世界がずっと向こうまで続いているように見える(カーブして見えるのが味噌!円になって向こうでつながっているように感じる)、という作品なのですが、絵の雰囲気とその鏡とで、私のツボに効果抜群なのでした。確か火事で焼けてしまって、それを新聞で見たときにはがっかりしました。でもいまも他の場所や、また男木島でも、この方は作品を作られているようですね(私も他の島でも見たように思う)。

そして、十和田市現代美術館で見つけた作品も、私のそういう箇所、原始の部分?のツボを刺激しまくりでした。 ずーとそこに、座っていたかったです。その心地をうまく説明できないです。もしかして、詩でなら、表現できるのかな?とても難しいと思うけど……。他の人はその作品をどう感じたのか知りたい。そしてやっぱりすごく反応した人が、自分と同じような感覚を覚えているのかどうか知りたい。ひとつ、これに関連して思うことがあるのですけどね……。

私は昔から工場の景色が好きで、その好きさが、なんというか不思議な好きさで。郷愁のような、憧れのような、不思議な感じ。学生の頃は、いま考えると危ないことですが、夜、自転車で工場地帯というか、倉庫街というか、そういうところをぐるぐるしたりしました(ネクラ)。あるとき、テレビを見ていたら、ウィンクの相田翔子さんが、デートをするなら工場地帯をドライブするのがいい、と言っていて、わ、ここにもいる!工場好きな人が!と驚いていたら、そのあとしばらくして「工場萌え」という言葉、それとも現象?があることを知り、工場好きな人、いっぱいいるんだ、なんなんだろうこれは、と思ったことでした。人間は生まれる前、きっと工場で作られているのですね。それとも前世の記憶かな。だってあの良さ、普通の良さじゃないですよね?それとも好きってどれもそういう感じなのかしら。

この作品もだから、同じように「萌え」てしまう人がいっぱいいるんだろうな、と思います。それがなんだか、不思議だな、と。なぜ私たちはそれをいいと思うのか……、それもこんなにも独特の気持ちで。なんというか、体温のない、というか、どちらかというと無機質な景色にきゅーんとしてしまう、この気持ち。まだほんの小さかった頃に、郷愁の心地を知っていた、という不思議にもつながるような、何か。とても薄いヴェールのようなものではありますが(つまりほぼ忘れているということ……)、私の人生の密かなテーマかもしれない。

話を元に戻して、ロケーション(5)サイコーでした!どうなっているのか、夫とあれこれ予想して、でも秘密なんだろうな、と思っていたら、通りかかった学芸員さんがあっさり教えてくれました。そしていまネットで調べてみたら、美術館の作品紹介のところにもちゃんと書いてくれちゃってました。事前に読んでおかなくてよかった。

美術館好きの友だちに報告したら、いますぐ見に行きたい!と言っていたので、内容についてはひとことも触れられなくなりました。ぜひ驚いてもらいたいから。ネットで検索しませんように。あ、でも作品名も作家名も伝えてないから調べようもないか。ただ興奮だけを伝えたという……。

またまたかなり長くなってしまったので大幅にかなり強引に端折りまして、他の作品もとても面白かったです。十和田市現代美術館、素敵でした。また行きたい。ロケーション(5)待っててね。

そして美術館は閉館時間になり、私たちはその日の宿、星野リゾート奥入瀬渓流ホテルへと向かったのでした。着くのが遅くなってしまったので、翌朝の、森を散策して苔を観察し、コーヒーを飲ませてもらえるというツアーはもう一杯、じゃなくてもういっぱいで、参加できないと言われて泣きそうでした。

でも!晩ごはんを食べて(焼きたてアップルパイに交代で何度も並ぶ夫婦。おいしいけど、おいしいのに、おいしいから、すぐ食べ終わってしまうのです。)、ラウンジで行われる森の学校の講座をコーヒーを飲みながら聞いて、私こういうの大好きです、とても楽しかったです。

おやすみなさい。

タコの脚がすごい、なまめかしい。八食センター


十和田市現代美術館











原始な部分と書いたけれど、前世の記憶かと思ってしまうけれど、たぶんたぶん、この生においてのどこかの記憶、それを見ているときの気持ちの記憶、というのが正解に近いのだろうな……。でも、ちょっとした景色に、未知という魅力をめいいっぱい膨らませて感じ入る、感覚は、歳を取るほど薄れていく……。惜しいとも思わずに。惜しいことではないですか!
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