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スマホが奪った「異業種」のパイ

2014年02月11日 11時35分51秒 | 学習支援・研究
車離れもたばこ不振も、全部スマホのせいだ
スマホが奪った「異業種」のパイ

岡 徳之 :ライター Noriyuki Oka Tokyo 代表取締役
2014年02月06日
東洋経済オンライン

スマホの登場によって、カーナビや従来型のゲーム機が売れなくなったと言われている。
GPS情報を利用でき、画面が大型化し、
アプリの品質も向上すれば、置き換わるのは仕方がないだろう。
これらはスマホがその機能的な価値によって
既存の商品を代替したケースだ。しかし、
スマホの登場によって奪われた消費とは、
はたしてこれだけか。そして奪われた企業に残された奪還策とは――。


スマホが消費を奪った説は本当か(写真:AP/アフロ

以前、こんな話を聞いたことがある。
「スマホが普及し、チューインガムが売れなくなった」
――スマホはガムのようにかんでも甘くないし、さわやかな気分 にもなれない。
この話の真偽は確かではないが、
ガムがそれまで満たしていた暇潰しの需要を
奪ったという仮説はあてはまりそうだ。

考えてみると、昨今叫ばれるたばこの不振やビール離れも、
「全部スマホのせいだ」と言えるかもしれない。
ムシャクシャしたストレスをたばこではなくスマホゲームが解消し、
飲み会の近況報告もFacebookやLINEで十分。
いつでも持ち歩けるスマホが、
異業種のパイを奪っているということはありそうだ。

スマホが奪った「3つ」の需要

電通マーケティングデザインセンターの小山雅史氏は、
スマホが奪った異業種のパイを大きく3つに大別する。

ひとつは、「機能的な価値がスマホに置き替えられた」ケース。
たとえば、カーナビや従来型のゲーム機はわかりやすいだろう。
ほかにも、年賀状の枚数が、毎年、緩やかに減っているのは、
スマホを中心に利用されるFacebookなどのソーシャルメディアで
古い友人とつながるようになり、
お互いの存在確認を日常的に行えるようになったからではないだろうか。

2つめは、スマホと「時間の取り合いになった」ケース。
従来型のゲーム機はここにも当てはまる。
本や新聞を読む人が電車の中でめっきり減ったように、
スマホの(しかも場合によっては無償で)提供する文字情報が、
本や新聞を読むという時間を取った、とも言えるだろう。
このケースに当てはまりやすいのは、
これまで「暇潰し」の需要を満たしていた商品だ、
と小山氏は分析する。持て余した時間や手持ちぶさたを、
時には寂しさを、スマホが埋めてくれているのだ。

逆にスターバックスなどのカフェやコンビニチェーンは、
「パラレル(並行)」に使用できる環境を作ることで、
時間の取り合いを回避している。
店舗にWi-Fiスポットや電源を設置することで、
スマホの「ながら利用」を前提に客を誘引している。
今後は店内でのスマホの利用状況から顧客行動に関するビッグデータを取得し、
さらなる購買行動につなげる動きも出てくるだろう。
パラレルという観点では、テレビとの相性もよい
いわゆる、「ながら視聴」だ。

3つめは、スマホと「可処分所得の取り合いになった」ケース。
ここ数年、サラリーマンのランチ代が下がっていたと言われている。

昔はランチに700~800円使っていたが、それが吉野家やサイゼリア、
コンビニなどでワンコインで済ませるようになった。
その差額はスマホの端末代、通信代、
さらにはアプリやゲームに思わず課金してしまう
おカネに利用されているのではないかと思われる。
ユニクロやH&Mなどのファストファッションがはやったのも、
スマホがハイブランドの洋服に費やしていたおカネを奪ったからかもしれない。

一説にはクルマ離れもそうだと言われている。
若者の入門的なクルマ、一般的には新車で180万円程度のクルマを買って
自動車ローンを組むと、毎月およそ8,000円以上は支払わなくてはいけない。
その金額は、毎月のスマホ利用料金とちょうど同じぐらいか、
むしろスマホの利用料金のほうが高いくらいになる。
使えるおカネの限りがある中で、
「それだったらクルマはいらない」となる人もいるかもしれない。
価格帯が大きく異なる意外な業種の商品も、競合になりうるのだ。
時間は24時間、所得は収入次第だが、
いずれにしても「有限」であることに変わりはないのだ。

今こそ、商品の「本質的な価値」を再考するとき

だからといって「うちの商品が売れないのは、
全部スマホのせいだったのか……」と考えるのは早計であろう。
小山氏は「売れない理由は、別に
スマホが登場したから、ではない」と強く指摘する。

たとえば、たばこ。確かに「暇潰し」のお供というポジションを
スマホに奪われた側面もあるかもしれないが、
世間的な分煙の動きや健康志向の影響は、もっと大きいだろう。
たばこに使うおカネをスマホに奪われた面はあるだろうが、
それはスマホが出てきたからではなく、
有限のおカネを予算組みする際に、
さまざまな理由によっておカネを使う「優先順位」を落とされたのである
(スマホが最後の「ひと押し」になった可能性はもちろんある)。
クルマだってそうだ。

可処分所得をスマホと奪い合っているという見方もあるが、
レンタカーやカーシェアなどの選択肢が浸透していることは、
必要なときに借りればいい、というライフスタイルの中で、
クルマの購入を遠ざけている。

つまり、わざわざ「所有」しないといけない理由が薄れたものから、
消費者のウィッシュリストの中で優先順位を下げられている。

どこもかしこもWi-Fiスポットを設置したからといって、
スマホアプリでクーポンを配布したからといって、
顧客が戻ってくるのか。そうではないだろう。
消費者が所有すべき理由、それがスマホやそのほかの理由を超えられるか。
逆に言えば、企業はその理由=価値を作ることを求められている。
スマホは、「提供する商品の本質的な価値とはなにか」を、
ビジネスパーソン全員に問いかけている。

http://toyokeizai.net/articles/-/30134?page=1

なるほど、おもしろい視点だ。
奪われた産業も一工夫すれば、シェア回復もあり得ると思うが、
その一工夫がわからない。

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子ども・孫に勤めてほしい人気企業ランキング

2014年02月11日 00時59分23秒 | キャリア支援
TOP>スキル・キャリア>
就活生の業界・企業研究を手助け!なんでも業界・企業ランキング
【第5回】 2014年2月4日
著者・コラム紹介バックナンバー
ダイヤモンド・オンライン編集部

親孝行したいならトヨタ、ANAを目指せ!?
子ども・孫に勤めてほしい人気企業ランキング

いざ就職活動を始めても、どの企業を受ければいいのかわからない、
あるいは内定を複数もらったらどの企業を選べばいいかわからない。
そんなときに相談相手として真っ先に顔が浮かぶ大人といえば、
最も身近で頼りになるご両親やご祖父母ではないでしょうか。

マイナビが行った『Uターン・地元就職に関する調査(2013年5月)』の中で
「就職活動中に両親や親族に就職の相談をしたことがありますか?」と尋ねたところ、
「はい」と答えた人は74.2%。そして、そのうちの68.1%の人が
そのアドバイスを受けて就職活動に「影響を受けた」と回答しています。
それほど親など親族からの言葉は、人生の岐路において重要な役割を果たしてきたのです。

では、多くの学生が信頼を寄せる両親や祖父母が選ぶ
「子ども・孫に勤めてほしい企業」とは、どんな企業なのでしょうか?

調査は、与信管理ASPクラウドサービスを提供する
リスクモンスター株式会社が行った
「第2回お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業ランキング」で、
インター ネットを使って全国の20~59歳の有識者男女800人を対象に
2013年10月26日~27日に実施。また、
対象企業は年間売上2,500億以上、従業員 数5,000人以上の企業200社。


データ

大手製造業、交通インフラ系が
ベスト20に14社もランクイン!


1位になったのは、「トヨタ自動車」で、全体の12.3%の人が選ぶ結果になりました。
続いて2位は「全日本空輸(ANA)」、3位は「本田技研工業(ホンダ)」となっています。
トップ20位までの業種を見ていくと、製造業が10社と最も多く、
その他にはANAをはじめとした交通インフラ系4社が並びました。

この調査では、「お子さんに勤めてほしい企業」と「お孫さんに勤めてほしい企業」ランキングをそれぞれ集計しており、
その結果を見ていくと1位~3位までは「トヨタ」「ANA」「ホンダ」が並ぶものの、
4位以下では両者で違いが見受けられました。

「お子さんに勤めてほしい企業」については、やはり父・母の世代が
まだ現役のビジネスパーソンであるためか、4位に「楽天」、
8位には「グーグル」、14位には「アマゾン」といったベスト20の他企業と比較して
創業からまだ年次の浅いIT関連企業も上位に食い込んでいます。

一方、「お孫さんに勤めてほしい企業」はどうでしょうか。
4位以下には、「サントリー」、「日本放送協会NHK」、「三井物産」といった、
それぞれ今年創業115年、89年、138年という老舗企業・団体が選ばれており、
祖父母世代が「孫の安定的で豊かな生活」を望む気持ちが垣間見られる結果になりました。

また、同調査では、男女別比較もしています。
「男のお子さん・お孫さんに勤めてほしい企業」としては、
自動車メーカーや商社が名を連ねた一方で、
「女のお子さん・お孫さんに勤めてほしい企業」では、
1位が「ANA」、3位が「日本航空(JAL)」となり、
キャビンアテンダントなどの花形職が未だ親・祖父母世代に
人気であることが如実に現れました。

その他、父・祖父、母・祖母の選ぶ「お子さん・お孫さんに勤めてほしい企業」を集計したところ、
これもまた男女の考えの差が表れる結果になりました。
父・祖父が鉄道大手や航空会社などをはじめとした比較的交通インフラ系業種などを選ぶ傾向にあるのに対して、
母・祖父からは「タニタ」(3位)や「味の素」(7位)といった
普段の生活になじみのある商品を展開している企業が選ばれています。


データ
努めて欲しい会社(男女別)


さらに同調査で、こうした企業を選ぶ際に「重視するイメージ」を聞いたところ、
1位になったのは「安定している」という点で47.6%。2位は
「社員を大切にする」(41.8%)、3位「将来性がある」(35.9%)が続きました。

「親のかかわりを期待する学生」86.7%
男子学生の方が女子学生より親頼み?


「子どもの人生だから(就活に)口出しはしない」と
表向きは言っていても、その行方が
気になるのが親というものです。

ベネッセが『大学生の保護者に関する調査(2012年3月)』で、
大学1~4年生の子どもを持つ保護者に
「お子様の大学卒業後の進路(就職、大学進学等)への関与の度合い」を尋ねたところ、
「子どもの進路について、期待や希望を伝えた」人は、
大学3年生の保護者で58.5%、大学4年生の保護者で
57.3%と半数を超える結果になっています。

ただし、「就職への関与についての意識」を尋ねたところ、
「就職に関して、親ができることは少ないと感じた」保護者が
大学3年生では69.0%、大学4年生では72.3%に上っています。
実際に関与してみたからこそ、「何もできなかった」と分かった結果を
如実に表しているように感じられます。

一方、学生側の気持ちはどうでしょうか。
ブンナビが2015年卒学生向けに行った調査によると、
親のかかわりを「何かしら期待」する学生は86.7%に上っています。
男女別にみると、女子学生の86.4%、男子学生が87.4%となりました。
どうやら、男子学生の方が親を頼る人が多いようです。
また、就活する際に親に期待することを尋ねたところ、
「志望企業決定に関してのアドバイス」と答えた人は、
46.4%と約半数に上っているのも注目すべきところでしょう。

「親がしゃしゃり出た時点でアウト」
親子就活のあるべき姿とは


では、企業側は就職活動における親子の関わり方をどう見ているのでしょうか。
どうやら親子就活の様子を冷ややかに見ているようです。

前出のDISCOが行った調査で、企業1045社に質問を行ったところ、
「学生の親から連絡を受けた経験」として、15.9%が「ある」と回答しています。
また、従業員1,000人以上の大手では22.6%となっており、
規模が大きくなるほど“口出し率”は高くなる傾向があるようです。

その内容は、「入社後の処遇・待遇について」「選考結果について」が並んでいますが、
いずれも学生本人から連絡してもらいたいものばかり。
「どんなに優秀に見える学生でも、親がしゃしゃり出た時点でアウト」(自動車・輸送用機器)という声もあるように、
親が“アドバイザー”という立場を出てしまうのは、
内定を取りやめにしてしまうほど、
子どもの一生を左右する大きな要素であるのは間違いありません。
そして学生の皆さんは、親にアドバイスをもらう以上の
役割を求めないように気をつけるべきでしょう。

受験と就職活動は、似ているように見えるかもしれませんが、
全く異なるものです。社会に出て、
お金をもらう一人前の大人として働くための第一歩が就職活動ですが、
それを受験と同じ感覚で親に頼っているようでは、
企業担当者も「親がいないと何も決められないのか。
主体性がないな」と判断しかねません。

また、今回「子ども・孫に勤めてほしい企業」を紹介しましたが、
これは親や祖父母世代の常識に照らし合わせたときに、
選ばれた企業です。それも踏まえたうえで、
1つの参考にしながら、学生であるあなたが大学等で学んできた、
そして肌で感じている社会の流れを信じて、
企業選びをしていくことが今、最も大切なことではないでしょうか。

http://diamond.jp/articles/-/48127?page=1より

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