イケアが世界初の小型店を熊本につくるワケ
東洋経済オンライン
8月28日(金)11時0分配信
イケアが世界初の小型店を熊本につくるワケ
イケア・ジャパンのピーター・リスト社長兼CEOは
「イケアにとって日本は重要だ」と断言する(撮影:梅谷秀司)
スウェーデン発祥で、家具小売り最大手のイケア(IKEA)。
北欧家具ならではの高いデザイン性と低価格を武器に、
世界27カ国で300店舗以上を展開する。
その日本法人であるイケア・ジャパンが世界初となる小型店を、
熊本で10月にオープンする予定だ。
店舗面積は従来の10分の1以下。
これまで郊外大型店で成長してきたイケアだが、
出店スピードを速めるため、
新たなフォーマットで攻勢に出ようとしている。
イケア・ジャパンのピーター・リスト社長兼CEO(最高経営責任者)に聞いた。
――小型店はどういう店舗になるのか。
熊本の店舗は1500平方メートルで、通常店舗の10分の1以下となる新しいフォーマットだ。
買い物客は商品の実物を確認できるほか、
あらかじめ注文した商品の受け取りが可能で、
自宅への配送もできる。
店舗では(カタログなどを使って)すべての商品にアクセスできるようにし、
雑貨だけではなく、家具ももちろん見せていく。
その日のうちに買って帰れるものもあるし、
注文して1~2日後に店舗に取りに行くか、
自宅に届けるものもある。
■2020年までに日本のビジネスを2倍へ
――狙いは何か。
日本では現在4地域に8店舗を展開しているが、
多くの人が簡単にアクセスできるわけではない。
2020年までにビジネスを2倍にする経営目標
(店舗数14店、売上高1,500億円)を立てており、
1,500平方メートルが熊本で成功すれば、
日本全体を網羅するスピードはさらに速くなる。
ショッピングセンターなど商業施設にも出店しやすくなると考えている。
――小型店は、銀座や表参道など都心への出店も視野に入れたものか。
東京、大阪など都市圏に出店することは考えている。
そういう意味でも熊本はいいエリアだ。
熊本の人はブランドに敏感だし、率直な意見を言ってもらえる。
今後の展開に向けた実験店になる。
一方で、これまでの大型店も合わせて出店していく。
昨年オープンした立川店は
大都市にあるが大型店だ。
これからは両方のフォーマットでやっていく。
――インターネット通販参入は検討しているのか。
将来的には、ネットを利用した注文も検討している。
お客様がどこに居ようが、いつであろうが、
買い物したいときに買い物ができる環境を作っていきたい。
イケアはグローバルカンパニーなので、
その枠組みの中でやっていく。
やるからには最高の形で参入したいと思っている。
■家具市場で日本は世界3位の規模
――イケアにとって日本市場はどういう位置づけなのか。
日本は2006年に千葉県の船橋からスタートしたが、
日本で家具市場は(カーテンやじゅうたんなどに)細かく分かれており、
(トータルで扱うイケアにとっては)チャンスが大きいと思った。
この市場で世界ナンバー3が日本だ。
1億2,800万人という人口を考えても
ユニークな市場だ。
イケアのビジョンは「より快適な毎日を、より多くの方々に」であり、
まずは家でどういう生活をしているのか知ろう
ということからスタートした。
北海道から九州まで家庭訪問し、
そこでニーズを把握して商品展開にも生かしている。
たとえば、イケアのソファは日本で2人掛けだと大きすぎるので、
1.5人掛けの小さいソファを作っている。日本のためのデザインだ。
また涼しく寝られる冷却関連品も日本のために作ったが、
海外も素晴らしい、売りたいと言ってきている。
実際に日本のために作った製品のいくつかは、
ニューヨークやパリ、ロンドンでも売られている。
限定コレクションに日本のデザイナーがかかわっているモノもある。
イケアにとって日本は重要だ。
――日本ではニトリが家具チェーン最大手だが、シェアを奪っていくのか。
イケアは市場で独特の位置にいられる。
さまざまな選択肢があり、
競争もあったほうが消費者にはいい。
お客さんは最高の製品を手ごろな価格で得られることになる。
■大塚家具は素晴らしい製品と店舗を持っている
――大塚家具の“お家騒動”はどうみたか。
アプローチを変えてきていると思う。
最良の状態で顧客のニーズを満たしていくのはいいことだと思う。
素晴らしい製品と店舗を有している会社だと思う。
――日本の将来性をどうみているか。
日本では昨年にパートタイマーの全正社員化を進めるなど、
人材に投資したのが大きい。
店舗開発に必要な土地取得も進めている。
イケアグループは幸運にも上場会社ではなく財団である。
ということは、1年間の結果を求めずに長期的に物事を考えられる。
実際、日本は収益が良かったときもあれば、
悪かったときもある。
日本では長期的な視点で投資している。
今後はイケアが日本の消費を支えていくことで、
日本の経済発展に寄与できればいい。
冨岡 耕
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150828-00081985-toyo-bus_all&p=1
東洋経済オンライン
8月28日(金)11時0分配信
イケアが世界初の小型店を熊本につくるワケ
イケア・ジャパンのピーター・リスト社長兼CEOは
「イケアにとって日本は重要だ」と断言する(撮影:梅谷秀司)
スウェーデン発祥で、家具小売り最大手のイケア(IKEA)。
北欧家具ならではの高いデザイン性と低価格を武器に、
世界27カ国で300店舗以上を展開する。
その日本法人であるイケア・ジャパンが世界初となる小型店を、
熊本で10月にオープンする予定だ。
店舗面積は従来の10分の1以下。
これまで郊外大型店で成長してきたイケアだが、
出店スピードを速めるため、
新たなフォーマットで攻勢に出ようとしている。
イケア・ジャパンのピーター・リスト社長兼CEO(最高経営責任者)に聞いた。
――小型店はどういう店舗になるのか。
熊本の店舗は1500平方メートルで、通常店舗の10分の1以下となる新しいフォーマットだ。
買い物客は商品の実物を確認できるほか、
あらかじめ注文した商品の受け取りが可能で、
自宅への配送もできる。
店舗では(カタログなどを使って)すべての商品にアクセスできるようにし、
雑貨だけではなく、家具ももちろん見せていく。
その日のうちに買って帰れるものもあるし、
注文して1~2日後に店舗に取りに行くか、
自宅に届けるものもある。
■2020年までに日本のビジネスを2倍へ
――狙いは何か。
日本では現在4地域に8店舗を展開しているが、
多くの人が簡単にアクセスできるわけではない。
2020年までにビジネスを2倍にする経営目標
(店舗数14店、売上高1,500億円)を立てており、
1,500平方メートルが熊本で成功すれば、
日本全体を網羅するスピードはさらに速くなる。
ショッピングセンターなど商業施設にも出店しやすくなると考えている。
――小型店は、銀座や表参道など都心への出店も視野に入れたものか。
東京、大阪など都市圏に出店することは考えている。
そういう意味でも熊本はいいエリアだ。
熊本の人はブランドに敏感だし、率直な意見を言ってもらえる。
今後の展開に向けた実験店になる。
一方で、これまでの大型店も合わせて出店していく。
昨年オープンした立川店は
大都市にあるが大型店だ。
これからは両方のフォーマットでやっていく。
――インターネット通販参入は検討しているのか。
将来的には、ネットを利用した注文も検討している。
お客様がどこに居ようが、いつであろうが、
買い物したいときに買い物ができる環境を作っていきたい。
イケアはグローバルカンパニーなので、
その枠組みの中でやっていく。
やるからには最高の形で参入したいと思っている。
■家具市場で日本は世界3位の規模
――イケアにとって日本市場はどういう位置づけなのか。
日本は2006年に千葉県の船橋からスタートしたが、
日本で家具市場は(カーテンやじゅうたんなどに)細かく分かれており、
(トータルで扱うイケアにとっては)チャンスが大きいと思った。
この市場で世界ナンバー3が日本だ。
1億2,800万人という人口を考えても
ユニークな市場だ。
イケアのビジョンは「より快適な毎日を、より多くの方々に」であり、
まずは家でどういう生活をしているのか知ろう
ということからスタートした。
北海道から九州まで家庭訪問し、
そこでニーズを把握して商品展開にも生かしている。
たとえば、イケアのソファは日本で2人掛けだと大きすぎるので、
1.5人掛けの小さいソファを作っている。日本のためのデザインだ。
また涼しく寝られる冷却関連品も日本のために作ったが、
海外も素晴らしい、売りたいと言ってきている。
実際に日本のために作った製品のいくつかは、
ニューヨークやパリ、ロンドンでも売られている。
限定コレクションに日本のデザイナーがかかわっているモノもある。
イケアにとって日本は重要だ。
――日本ではニトリが家具チェーン最大手だが、シェアを奪っていくのか。
イケアは市場で独特の位置にいられる。
さまざまな選択肢があり、
競争もあったほうが消費者にはいい。
お客さんは最高の製品を手ごろな価格で得られることになる。
■大塚家具は素晴らしい製品と店舗を持っている
――大塚家具の“お家騒動”はどうみたか。
アプローチを変えてきていると思う。
最良の状態で顧客のニーズを満たしていくのはいいことだと思う。
素晴らしい製品と店舗を有している会社だと思う。
――日本の将来性をどうみているか。
日本では昨年にパートタイマーの全正社員化を進めるなど、
人材に投資したのが大きい。
店舗開発に必要な土地取得も進めている。
イケアグループは幸運にも上場会社ではなく財団である。
ということは、1年間の結果を求めずに長期的に物事を考えられる。
実際、日本は収益が良かったときもあれば、
悪かったときもある。
日本では長期的な視点で投資している。
今後はイケアが日本の消費を支えていくことで、
日本の経済発展に寄与できればいい。
冨岡 耕
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150828-00081985-toyo-bus_all&p=1