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マインドフルネス-日本では「瞑想法」

2015年09月22日 23時10分58秒 | 学習支援・研究
成果を出す人の「ノイズを遮断する」技術
GEはこうやって最強のリーダーを育成する

09月15日 09:00
東洋経済オンライン


世界の企業が関心を寄せるマインドフルネス。日本では「瞑想法」として注目されています(写真 : Rawpixel / PIXTA)
(東洋経済オンライン)


「集中力を高められる」「ストレスを少なくできる」として、
世界の企業が関心を寄せるマインドフルネス。
日本では「瞑想法」として注目されています。

ただ、「瞑想をすると、仕事ができるようになるの?」
「瞑想してみたが、成果がいまいち実感できない」という人も多いようです。
そんな疑問に答えてくれるのは、
GE(ゼネラルエレクトリック社)の
“世界最高のリーダー育成機関”と呼ばれる研修機関・クロトンビルで
教鞭をとってきた田口力氏(著書に『マインドフル・リーダーシップ』がある)。
30年間にわたりリーダー教育を担ってきた田口氏が語るマインドフルネスの本質とは?

世界の企業が注目する「マインドフルネス」
今から4〜5年前のことです。
米国ニューヨークにあるGE(ゼネラルエレクトリック社)のリーダー育成機関である
クロトンビルの研修所で教えていたとき、
同僚たちから「瞑想」についてよく質問されました。
私が日本人であり、しかも若いころに出家して
禅のお坊さんになろうとしたことを知っていたからかもしれません。

彼らに「なぜ瞑想について知りたいのか」と聞くと、
決まって「今、米国の大企業の経営トップたちが盛んに瞑想している」
という回答がありました。だから
GEでも幹部対象の研修に瞑想を取り入れたいというのです。

もともとアップルのスティーブ・ジョブズが
禅を実践していたことは有名でしたが、
グーグルやフェイスブックなど
シリコンバレーの新興企業だけでなく、インテルやIBM、
ゼロックスなど、さまざまな大企業が
「マインドフルネス」として研修に瞑想プログラムを導入し始め、
今や世界的なブームとなっています。

日本でも最近、「マインドフルネス」という言葉が
多く聞かれるようになり、関連書籍が出版されたり
セミナーが開催されたりしています。
ここでいうマインドフルネスには、
東洋哲学や仏教をベースとした瞑想法が取り入れられていますが、
宗教色をなくして誰にでも受け入れられやすいように工夫されています。

さて、そもそもマインドフルネスとは何かと言えば、
「今という瞬間に、すべての意識を集中すること」と解釈できる概念です。
ただ、マインドフルネスの主眼は「瞑想すること」
(呼吸法を中心として)に置かれているようです。
「集中力を高めることができる」
「ストレスを解消できる」といった効用がクローズ・アップされていて、
米国の著名な大学などさまざまな研究機関が、
医学的見地から効果を立証しています。

今マインドフルネスがブームとなっているのは、
一言で言ってしまえば、ネットやスマホから送られてくる情報で
埋め尽くされてしまった日常への違和感や危機感が強まっているからです。
一度じっくりと電車の中や喫茶店の風景を観察してみてください。

実に多くの人がじっと携帯電話の画面を見続けています。
日頃はみなさんもその中のひとりになっているでしょうから、
その異様な光景に気がつくことは少ないものです。
しかしその様子はあたかも、異星人に
マインド・コントロールされた人類が、
携帯電話の画面から送られてくる指示を
待ち続けているようにも見えます。

「意識を目の前のことに集中させる」とは、
人間の主体性を取り戻すことでもあります。
気を散らすようなことが増える中で、
意識を何に向けていいかがわからない生活を続けていては、
いろいろな作業上の間違いも発生し、
かえって作業効率を落としかねません。

優れたビジネス・リーダーたちはこの点にいち早く気づき、
情報テクノロジーとの関係性を見直し、
一定の距離を保って、自らの主体性を持ちながら
「目の前のことに集中する」という習慣を身につけています。
その習慣づくりのための方法のひとつが「瞑想」であったり、
「ひとりきりになる時間を確保すること」なのです。

大事なのは「自分を見つめる時間」だった
では本物のリーダーたちはどのような行動習慣を持ち、
マインドフルネスやセルフ・アウェアネスを高めているのか。

世界的なリーダーたちに共通した「本物」としての行動習慣は、
「自分を知る」ことであり、そのために
「自分を見つめる時間を持つ」ということです。

リーダーの役割は、他者に影響を与えて目的を達成するということです。
もし影響を与える主体である「自分」が他者から
どのように認識されているかを知らないまま行動しているとしたら、
これほど怖いことはありません。

GEを20年率いたジャック・ウェルチ氏は、
引退の記者会見で「どのようにして20世紀最高の経営者と呼ばれるようになったのか」
という質問に対して、たった一言
「セルフ・アウェアネス」と答えました。
人の上に立つ者として、「自分を知る」ということ以上に
重要なことはないのです。

ウェルチ氏の後を継いでCEOとして現在のGEを率いているのが
ジェフ・イメルト氏です。彼は
リーダーシップとは「終わりのない自分探しの旅」である
と言っています。まさに自分を知ることの大切さを強調した言葉です。
実際、彼はそのために毎週土曜日の午前中を、
その週の自分の言動を振り返るための時間に充てています。

またアマゾンのCEOであるジェフ・ベゾス氏が、
四半期末になると、ビジョンや戦略を考えるため、
数日間ひとりきりになることもよく知られています。
あふれかえる洪水のような情報の波に飲み込まれず、
自分の立ち位置を確かめながら、未来を構築するためにも、
こうした時間は、企業トップのみならず、
すべてのビジネス・パーソンに必要です。

「1カ月間出社禁止」制度の狙い
企業としてもユニークな施策をとっているところがあります。
ある電子部品メーカーの話です。この会社では、
「部門長に昇格したら、1カ月間出社禁止」という制度があります。
制度の効果を説明する前に、この制度の対象になった人たちに見られた
1カ月の典型的な行動パターンを以下に紹介します。

第1週は、働きずくめでなかなか実現できなかった、
家族との長期旅行に行く。第2週は、
ゴルフや釣りなど、自分の趣味に没頭する。
まさにゴルフざんまい、釣りざんまい。
そして、第3週になると、本人は「不安」に駆られるとのことです。
それまでの社会人人生で、2週間連続で休みを取って
会社に行かなかった経験がないからです。

部門長として陣頭指揮を執るべき自分が、
2週間も会社を留守にしていては、
さぞかし現場は混乱しているだろう……と
心配にもなります。しかし
制度の決まりで、会社に足を踏み入れてはいけません。
すると部門長たちは、会社の近くにある喫茶店に行って陣取り、
次々と部下の課長たちを呼び出すというのです。

「どうだ、何か問題は起こっていないか」と部門長は尋ねます。
しかし、部下たちから返ってくる答えは、
「何も問題ありません」という言葉ばかり。
部門長たちは、この、「何も問題はない」という部下たちの言葉に対して、
一様にショックを受けるということです。
自分がいなくても、部門の仕事は問題なく動いている
という事実を突きつけられた彼らはどうするか。
「部門長として自分はいったい何をすべきなのか」
という深い問いと向き合い、しばらく
内省の時間を過ごすことになるのです――。

つまり、この「1カ月間出社禁止」制度の副次的な効果は、
「自分の内面と向き合う時間を持つ」ということだったのです。

雑念に惑わされることなく内省すること、
これは簡単なようで実は極めて難しいことです。
したがって、この行動習慣を制度や仕組みとして
組織の中に組み込んでいる会社、研修として
徹底的に内省を求めるプログラムを持つ会社、
上司が部下に対して自己の振り返りを習慣付けている会社は、
他社との差別化要因を持つことになり、
強い組織になることができるはずです。

「自分を見つめる」を実践してみよう
1日に1回でいいので、10分程度、
心を落ち着かせて自分の行動を振り返る時間を持ってください。
わざわざ「瞑想」の形にこだわる必要はありません。
帰りの電車の中でも、お風呂の中で湯船につかりながらでもいいです。

1日の行動や出来事を振り返り、うまくいったことや
改善すべきことを挙げ、そこから
どのような教訓を学び取ることができたか考えてください
(この「経験から、教訓を学び取る能力」こそが、
社会人としての学習能力と言われるものです)。

また、自分の内面を知る「マインドフルなリーダー」に近づくには、
周囲の人から「フィードバックをもらう」ことも効果的です。
自分の言動について、改善すべきことを遠慮なく言ってもらうのです。
最初のうちは皆、遠慮して当たり障りのないことを言うかもしれません。
それでも、毎週1回ずつでいいので、
フィードバックのリクエストを続けてみてください。
もらったフィードバックが、役に立つだけではありません。
「自らすすんで周囲の人にフィードバックをもらう」という習慣自体が、
自分の行動と意思の力を高めてもくれます。

積極的にフィードバックを求めてくる人に対してどう思うでしょうか。
「謙虚な人」「懐が深い人」「自分を高めようとしている人」……
いずれにしても、悪い印象は持たないはずです。
リーダーとして大切なのは、周りの人が
その人に近づきやすい、何でも言いやすい人であるということ。
フィードバックを周囲に求めることは、
近寄りやすい人になれるという副次的な効果もあるのです。

気を散らすことが実に多く、ひとつの物事に集中し続けるのが
難しい現代だからこそ、それができる人は、
他者にはない「優れた特徴」を持つことができるようになります。

では、まずは心を落ち着けて、携帯電話の電源を切り、
自分の内面に目を向けながら今日一日の反省をしてみましょう。

http://news.goo.ne.jp/article/toyokeizai/bizskills/toyokeizai-83184.htmlより


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「クレイジーな選択」を可能にする覚悟と仲間

2015年09月22日 08時52分11秒 | キャリア支援
「クレイジーな選択」を可能にする覚悟と仲間とは
09月16日 15:21
プレジデントオンライン


研究ノートの一部
(プレジデントオンライン)
PRESIDENT Online スペシャル 掲載


「クレイジー」が「世界初」に変わる瞬間
起業家の方々と会話をしていると、
クレイジーな話であればあるほど盛り上がります。
わたしが思うに、起業家と呼ばれる人たちは
「クレイジーだ」とは言われることはあっても、
自分ではその自覚を持っていないと思います。

世界で初めて何かを成し遂げようとするには、
前例のない挑戦をする必要があるのです。
周りから見ると、達成するまでのチャレンジのプロセスは単に
実現不可能な無理なことをやり続けている
「クレイジーな人」にほかならないと映るのではないでしょうか。
達成することで、自分に対する周りの評価が
「クレイジーな奴」から「世界で初めてのことをやってのけた奴」に変わります。

わたしが5年の歳月をかけて緑内障原因遺伝子「ミオシリン」を
世界で初めて見つけることができたのは、
何かを発見する日にまた1日近づけたと実感しながら地道に、
ただひたすらに試験管をふり続けていたからです。
それまでは、「どこまでも諦めが悪いやつだ」
「いつまでも大学院を卒業できないぞ」と言われ続けたものでした。

それに、わたしの場合は、始めから
緑内障原因遺伝子を見つけることがターゲットだったわけではなく、
目で働いている新しい遺伝子を見つけたら
緑内障原因遺伝子だったことがわかったという経緯もありました。
人がやらないことをやり続けると
こんな宝物に出会うのかと、自分でも驚いたものです。

それ以来、わたしにとって「クレイジー」という言葉は 、
「常軌を逸したことを実行し続ける変わり者」
という意味で定着したので、
個人的には褒め言葉として気に入っています。

未来は想像を必ず超える
前例のないことを見つけてやり続けることは
容易ではありません。でも
人生20年、30年生きていれば、
クレイジー呼ばわりされそうなことには、
誰でも何度かは遭遇しているのではないでしょうか。
ただ多くの人々は 、失敗のリスクを恐れて
そのようなものには手を出さない方が
賢明だと判断してしまっているのだと思います。

しかしながら事実は小説より奇なりというように、
人間が想像できることは過去の経験が元になることが多く、
どうしても限られてしまうものです。
その観点から見ると、周りにいる友だち2人に聞いて、
2人とも無理だと言ったから
やめておくというのは、わたしからすれば
とんでもないことになります。

100人に聞いて100人がやめておけというアドバイスをくれたとしても、
世界人口72億人中のわずか100人にすぎません。
しかも、日本国内の100人だとしたらどうでしょう。
私の場合は自分なりの戦略と勝算があれば躊躇なくチャレンジします。
それまでは常識外れのことでも、
実行してうまく成功すればそれが新たな常識となるのです。

ここでわたしが言いたいのは、周りの言うことに耳を傾ける必要はない
と言うことよりも、惑わされないくらい興味があって
やりたいことを見つけられるかどうかが
「クレイジーな選択」の分岐点になるということです。

同時に、「クレイジーな選択」は、以前私が経験したように
周りにいる半分以上の人が
去ってしまうことにもなりうるわけですから、
その覚悟を持てるかどうかです。

クレイジーな発想を具現化するヒント
以前、この連載でも書きましたが、シアトルで初めて起業し、
わずか3年後にビジネスモデルを変える局面を迎えることになりました。
起業家として「クレイジーな選択」は数多くしてきましたが、
大きな転機となったのはその時が初めてだったと思います。
試作品の試験を請け負う会社が
ものづくりに乗り出すような話でしたから、
社員にとってはとんでもないことだったでしょう。
しかし、ほかの誰もできない特許技術を持って
2年、3年やってきた仕事が突然通用しなくなることは、
日進月歩あるいは秒進分歩のイノベーションの世界では日常茶飯事です。

大企業の一部門として買収されたわけでも、
合併したわけでもなく、細々とやってきた小さな会社が
今までの事業を捨てて、やれるかどうかもわからない事業に
切り替える選択をしたら、多くの社員が去っていくのでは、
と私も腹をくくりました。たとえ、
私についてきたいと心では思っていても、
社員にも家族がいて、生活を守らないといけないので、
新しいことをやることへの不安から辞めていくのは仕方のないことです。

それでも私の目標は世界を変えることであり、
手段は選びませんから、方針転換を決行しました。
そして、全員が辞めてもおかしくなかったのに、
半分もの人が残ってくれたのは
本当にありがたいと思いました。
もちろん私は自分だけになっても
一から人を採用し直してやり通す覚悟はできていました。
そもそも最初はたった1人で始めたのですから、
つらいことではありますが、同じことを繰り返すまでです。

ここに「クレイジーな選択」を可能にするヒントがあると思います。
いくら面白い発想であろうと、
それを具現化するためには仲間が必要です。
単なるクレイジーな話を持ちかけたところで仲間は集まりません。
やはり全員ではなくとも、同じように
クレイジーな人の少なくとも一部を納得させるだけのプランと
共感を得られるビジョンが必要です。
そのビジョンが大きければ大きいほど、
達成した時の達成感も大きいのです。

我々の場合は失明疾患を治療することによって
世界を変えるというビジョンに賛同してもらい、
人生をかけてやる価値があると判断されてこそ、
優秀で多様な仲間が集まってくるのだと思います。

朝令暮改にもやり方はいろいろありますが、
起業した時のビジネスモデルを捨てるという大手術を経たことは、
自分自身の目標へのコミットを深めるだけではなく、
方向性が明確になり、よりインパクトの大きなものにすることにもつながりました。

「クレイジーな選択」とは、前に進む以外に道はない、
時にはその道すらもない世界を切り開いていくことであり、
そしてそんな経験をわかちあえる仲間を巻き込んでいくことなのだと思います。

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窪田 良(くぼた・りょう)
●1966年生まれ。アキュセラ創業者であり、会長、社長兼CEO。
医師・医学博士。慶應義塾大学医学部卒業後、同大学院に進学。
緑内障の原因遺伝子「ミオシリン」を発見する。
その後、臨床医として虎の門病院や慶應病院に勤務ののち、
2000年より米国ワシントン大学眼科シニアフェローおよび助教授として勤務。
02年にシアトルの自宅地下室にてアキュセラを創業。
現在は、慶應義塾大学医学部客員教授や
全米アジア研究所 (The National Bureau of Asian Research) の理事、
G1ベンチャーのアドバイザリー・ボードなども兼務する。
著書として『極めるひとほどあきっぽい』『「なりたい人」になるための41のやり方』がある。
Twitterのアカウントは @ryokubota 。 
>>アキュセラ・インク http://acucela.jp

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(窪田 良=文)

http://news.goo.ne.jp/article/president/bizskills/president_16247.html