愛しのエトワール

うたのおねえさん、はいだしょうこさんを全力でとことん気の済むまで応援する日々を綴るブログです。

スノウの一人旅シリーズ

2015-03-18 | 好きなもの
3月14日(土)
土曜は仕事をしてることが多いので、本当は日曜に日帰り行くつもりだったんだけど。
とくに予定もなかったから、土曜から一泊で行くことにしたんだ。

今日は富山に行くんよ。JR大阪駅。金沢行きサンダーバードに乗る。
みんなは知らないと思うけど、北陸新幹線というのができたんやわ。
それで、富山に行くには金沢で乗り換えが必要になったんだわ。

金沢駅の新幹線乗換口にて。今日が開業日だったんだよ。
お姉さんを写してたら、乗る予定の新幹線に乗れなかった。30分待ち。

初日だから、まだぴっかぴかだね。

富山行き「つるぎ」車内。新車の香りがする。発車時間には自由席もいっぱいになった。

20分ほどで富山着。知ってる?新幹線ってめっちゃ速いねんで。20分ってことは今までの特急の半分の時間ってことやな。速いし快適やし、こりゃ欲しがるのも無理ないわ。改札を出たら、すごい人混みだった。富山には何度か来てるけど、こんなに人が多い富山駅は初めてだわ。撮り鉄はむろんのこと、取材クルーがあちこちにおるし、イベントみたいなのをやってるし、上空には取材ヘリが飛んでるし、お祭り状態。写真は構内を出たところ。まだ工事は駅のあちこちでやってた。

新幹線の初乗りが目的ではないよ。実は、ミュージカルを見に来たんだわ。今まで黙ってたんやけど、私はミュージカルが好きでね、たまに行くねん。日曜の千秋楽のチケットは初日に買おてたんやけど、今日のぶんは行けるかどうかわかんなかったから買ってなかったんだ。当日券のほうが良席があるかもしれないし、これでもいい。ホールに当日券を買いに行ったら、開場1時間前からの販売と言われた。あと2時間以上あるので、時間までホテルで休憩することにしよう。

今日のお宿。前回に富山に行ったとき気に入ったとこが満室だったので、同じ駅前のリーズナブルなビジホにした。ここは朝食付きで5千弱と安かったで。ホテルの値段って部屋が広いか狭いかの違いだけだから、一人ならビジホで十分と思うようになってきた。早めに富山入りして、富山城でも見に行こうと思ってたんやけどな。富山城には最近に2回も行ってるし、部屋で落ちついたら行くのがめんどくさくなった。チケも夜公演は席に余裕がありそうだし、開場時間に行けばええかな。もう時間まで出ない。

さっき、駅で観光協会が新幹線利用者に配ってたグッズを広げてみる。富山の名水とコシヒカリもあるし、おみやげはこれでええんちゃうかな。「ぶりと君」か。たしかに、この新幹線の顔はブリに見えるわ。

本日のホール。富山駅の賑やかなほうとは反対側にあるオーバードホール。ここは本格的なオペラ上演ができるくらい設備が整ったいいホールだよ。行くたびに感じるんだけど、ここは座席のピッチが狭いというのだけが難点だね。ひざのところよ。座ってるだけでも窮屈に感じるし、内側の席に行こうとするのに難儀するんだ。私はどこでも必ず立つんだけど、立ってくれない人も多いんだよね。どうしても接触するから、立ってくれないと気を遣う。おばはんやおっさんなら気遣い無用だけど、ミュージカルは若い女性が多いやろ。女性の顔の前にお尻を向けるのは失礼じゃないかと。当人は気にしなくてもこっちは気にする。ちょっと愚痴ってみた。

オーバードの名作ミュージカルシリーズである。このシリーズは市民参加型ミュージカルとして5年の期間で企画され、今回で5年目を迎える。5年目の集大成として、満を持してオスカー・ハマースタインの名作「ショウボート」の国内初演に挑戦する。今までに、「回転木馬」「ハロー、ドーリー」「ミー&マイガール」「ハロー、ドーリー」(再演)を上演しているが、1年目の「回転木馬」から年々進化を続け、とくに一昨年の「ハロー、ドーリー」は地方発のミュージカルとしては異例(少なくとも私は聞いたことがない)の東京上演を果たし、それはミュージカル専門誌のトップ10の第2位に選出された。ここに富山ミュージカルは全国区となり、エンタメ界が注目するミュージカルとなったのである。「ハロー、ドーリー」は2位との評価であるが、私は実質1位であると今でもそう思っている。あれが1位でなければ何があの舞台を超えてたと言うんだ。レミゼだって? 笑わせるな。ともあれ、「ショウボート」である。私の趣味のクラシックのど真ん中。おそらく、トロントのリバイバル版をそのまま上演すると思われるから、予習はとくに必要ない。行きの電車の中でリバイバル版をずっと聴いてたくらい。

終了。ふー、やってくれるわ。初っ端から、度肝を抜かれた。まさか、ショウボート「コットンブラッサム」を舞台に乗っけるとは思ってもみなかったわ。想像してみな。2階建てのショウボートが舞台奥からあらわれ、客席に向けて横付けするんやで。まだ3月だけど、今年のマイエンタランキング1位決定。カーテンコール含み3時間20分。初めての方は第1幕が長いと感じたかもしれないが、カットできるとこがないんだわ(第2幕は少しカットがあったように思う)。何年か前に、はるばる富山までオーバードの「回転木馬」を見に行ったとき、市民参加型ミュージカルのレベルを超える出来栄えに、「これはもしかして」と、うすうす感じ取っていたのだが。前回の「ハロー、ドーリー」の再演を見て、国内で最高のミュージカルを見れるのは、ここオーバードが作るミュージカルであると確信するに至った。「ハロー、ドーリー」は、主役を演じた剣幸の存在が大きかったが、今回の「ショウボート」では、剣幸は重要な役どころではあるが、主役ではない。今回の上演で、そのクオリティの高さを再び見せてもらった。文句なしのキャスティング、アンサンブルの使い方、圧巻のダンスシーンと振り付け、今回は舞台セットもよく出来てたが、それらを用いた効果的な演出、ややゆるめだが、わかりやすい訳詞と翻訳、これほど完成度の高いプロダクションは国内はもとより海外でもそうはないはずだ。市民参加型だからアマチュアも多く主演するが、いかにもというところがいいんだ。最近はオケなんか縮小編成のミュージカルが多いけど、どうせやるならとフル編成である。ときおりはずしたりするところがこれまたいい。再演を熱望する声が上がるのは間違いないと思うが、今後のこのシリーズの継続は未定だという。このシリーズはもともと文化庁の助成をもとに始まったという。その期間が終了するからだ。ミュージカルの制作にはお金がかかる。数回の上演による興行収入で回収できるようなものではないからだね。だから、四季なんかはロングランができる演目をやる。「これで終わらせるのはもったいない」。たしかにそうだろう。1年目の「回転木馬」のときだったか、富山から世界最高のミュージカルを作る、と聞いた。それから、数年、「ハロー、ドーリー」が東京上演され、高い評価を得た。名作でも興行的なことから、国内ではなかなか上演されないものも多い。ここはあえてそれに挑んだ。このシリーズには、富山だけでなく、関西や関東から観劇に来るミュージカルファンも多いと聞く。どうせやるなら最高のものをという思いでミュージカルを作り上げ上演を続けた成果だろう。それは名作と呼ばれる所以、本質を引き出した。最初は出演者目当てで富山まで行った人もいるだろう。でも、2回目以降の観客はそれだけではないはずだ。年に一度の富山詣を楽しみにしている。私を含めてこのような人たちは富山のミュージカルに四季や帝劇では得られないものを感じ取っているからではないだろうか。私は富山ミュージカルのファンである。事業費を縮小してでも続けていってもらいたいものだ。秋の「ミー&マイガール」の再演までは決まってるそうだ。私はミュージカルのマニアではないが、ブロードウェイクラシックにはそこそこうるさい。こんな私が自信を持っておすすめする。ミュージカルは素敵な音楽に芝居や歌、おまけに踊りまで付いている。ミュージカルは楽しい。ミュージカルはおもしろい。ミュージカルは泣ける。ミュージカルはハッピーだ。ミュージカルは最高のショーである。


今日の一曲。「オールマンリバー」。本作のテーマ曲のような扱いになる。オールマンリバー(オールドマンリバー)とはミシシッピ川のこと。曲の全部を歌ってるのを載せておいた。ミュージカルの訳詞は原詞そのまま翻訳してすべてを曲に当てることは不可能である。だいたいの内容を当てるだけでいい。今回の訳詞はゆるめだが、おおむねよかったと感じた。一点だけ気になった(気にいらない)ところがあったので書いておく。ヴァースはあれでいい。ソングの出だし、「Ol'man river, Dat ol'man river, He mus' know sumpin', But don't say nuthin'」のところだ。「年老いたオールマンリバー、賢いが無口だよ」となっていた。しかしだ、賢いとも無口とも歌ってはいない。オールマンリバーは遥か昔からそこに暮らす人々の営みを見つめてきた、だから俺たちがこんな苦しい生き方を強いられている理由をきっと知っているはずだ。だけど川は何も語ってはくれはしない。ただ悠然と流れ続けるのみ。あとの歌詞からこう読み取ることができる。ここは何度もリプリーズされるところなので、もっとうまい言葉を入れたかった。別なところでは、クイーニーは黒人役だからセリフはあれでいいが、歌は普通に歌わせてもよかったんじゃないかな。クイーニーの歌は難しいから、たいてい歌える女優を使っている。

時の流れはミシシッピ川のようなものだ。読んだことあるかな。
私は図書館で借りたんだったな。「デビルズバックボーン」だけは憶えてる。

(※続く)
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1 コメント

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 (みいな)
2015-03-19 16:09:03
「賢いが無口だよ」10文字程度にしたいのなら
「ただじっと見つめている」とかどうですかね。

って歌知りませんが(^_^;)昔、翻訳の講座受けたことがあって意訳とか興味あるので。

北陸新幹線乗ったのか~。ブリに似てるということで佐渡の「ブリカツ君」が突然脚光を浴びてるらしい・・・と息子が言ってました。ほんとかな??

ミシシッピといえばハックルベリー。上記のも面白かったですけどね。
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