ミュージカルを見に行きました。宝塚初体験です。
本日のホール。梅田芸術劇場の下のシアタードラマシティ。
宝塚を見に行くと言ったら、連れてけとうるさかったが、チケットは1枚しかない。
どうして、1枚しか買わなかったって?そりゃ、高いからさ。
宝塚星組公演「ブロードウェイミュージカル 南太平洋」
いちおう言っておくと、私はミュージカルファンではありませんよ。国内のミュージカルなんて、はいだしょうこさんが出演するのでなければ、まったく興味なし。私はロジャース&ハマースタイン作品のマニアだから見に行くというだけです。
はいだしょうこさんは、ロジャース&ハマースタイン作品の「回転木馬」と「王様と私」と続けて出演されていました。今年も「王様と私」の再演がありますが、実は、次は「南太平洋」なのではないのかなと思っていました(「サウンドオブミュージック」もありますが、これは今は四季がやってるので当分なし)。リアットという役があります。オリジナルでは歌がない役ですが、はいだしょうこさんが出演する場合には、当然、「バリハイ」と「ハッピートーク」を歌うように変更された本が用意されることになります。また、はいだしょうこさんの実力ならもう主役のネリーだってできますよ。ネリーは20代前半の設定だけどあの可愛らしさですからまったく問題ないでしょう。
注目したいのは、前回のダサさ全開だった東宝版からどのくらい改善できてるかですかね。そして、宝塚は初めて見ることになりますが、主役のエミールを宝塚の男役とはいえ歌えるのかどうか。ハマースタインはエミールにはバスを指定しています。実際にはバリトンが歌うことが多いのですが、男声歌手でも高難度のロールです。オリジナルの歌い方をするのはまず無理でしょうから、これにはあまり期待してません。今日は宝塚風の「サウス・パシフィック」を見るということでよしとしましょうね。こういうクラシック作品は、国内では安定した集客が見込める宝塚くらいでしかなかなかやってくれませんからね。上演してくれるというだけでもありがたいですな。今日は前から10数列目の席に座れました。初めての宝塚で実はちょっとビビりながら会場入り。わりと男性も多い。「サイゴン」なんて女ばかりだけどね。「南太平洋」というクラシックな演目のせいかたまに行く四季劇場よりも年齢層が高い。
終了。
感想というよりも、、、
無理やり時間を作ってでも是非是非、劇場で観て下さい。来月は東京公演もあります。
見て見て!買ってもうた。
ネリー役の妃海 風(ひなみふう)さんです。最高です。もう、風ちゃんと呼んでます。
スチールとコレクションカード。しょうこちゃんにもこんなのがあったんですかね。
うん、宝塚のミュージカルだったね。よかったんじゃないですかね。
エミールは知的で、若い看護婦が心惹かれるほどの魅力を持ってなければなりません。初老の農園主の設定ですが、おっさんではありません。今回のエミールは轟悠という男役でした。おお、宝塚ですねえ。だいたいこんなかっこいい農園主なんて世の中におらんでしょ。しかし、宝塚ではこうでなくてはいけないでしょ。でも、演技はなんか抜群にうまいですよ。歌はあれです、宝塚初挑戦の私には時間というか慣れが必要ですな。ほかのキャストは、エミールの印象が強すぎて、ジョーはあまり憶えてません。あと、うまかったのはメアリーですね。ルーサーは道化回しですからあんなもんです。
懸案だった翻訳や訳詞が非常に良いです。セリフでも合わないようなのはカットしたりして無駄がないです。訳詞についても、私が思ってたようになってますね。もともと英語の歌詞ですから、それをそのまま日本語にしようとしたら当然無理が出ててきますよ。ハマースタインは語感を重視した歌詞を書いてますから、歌詞にあまり意味がないところあります。だから、そういうところまで訳したりすることは不要なんです。全体的にだいたいの内容が合った歌詞をあてはめればいいのですよ。ネリーやエミールのナンバーはすっきりしててとても良いです。
第2幕は、オリジナルとは場面の順番を変えましたね。これは、本来の2幕の冒頭場面をカットしたせいか、または第2幕でエミールが歌う「This Nearly Was Mine」の歌詞の内容を変えたからだと思います。全体の流れには影響がないので、こういうのは自由にやっていいと思いますよ。2幕は、少し短縮したところもありましたが、いかにも宝塚という場面が2箇所ありました。冒頭のThanksgiving Folliesのシーンは派手にレビュー的に見せてました。本当はこの前にショーの練習シーンがあるんですけどね。宝塚的ではないのでカットでしょうか。また、「This Nearly Was Mine」のエミールとジョーのデュエットは新しい趣向です。これも宝塚的な見せ所なんでしょうな。残念だったのは、ジョーとネリーのナンバー「My Girl Back Home」をカットしたところ。翻訳しにくかったからかなあ。
(3/26追記)
大事なところを忘れてました。フィナーレの二人が手を握るシーンがありますね、ここ非常に重要なんですよ。ちょっとタイミングが早かったね。ちゃんと音楽に合わせないとダメですよ。エミールが手を出を差し出すのが早かったのかな。これは失敗ですよ。フィナーレの感動をもう一度ということで動画を見てみましょう。
LCT版です。3:40あたりから見てください。ハニー・バンのリプリーズは宝塚版でも同じようにやってたでしょ。
最高のフィナーレのシーンです。ただ、抱き合ってキスで終わらせないところがハマースタインのすごいところですね。これからの二人の行く末を、暗転する数秒のあいだにすべての観客に悟らせる。「王様と私」のフィナーレもそうでしたが、ハマースタインはこういうのがうまいです。
↑次回はこれだ!今更ながら気が付きました。宝塚って私が好きなお姉さんだらけじゃないの。
チケットも買っちゃいました。宝塚の「Me and My Girl」は初めてです。
はいだしょうこさんが大好きな作品でもあります。しょうこファンとしては見とかないとな。
このページは「南太平洋」で検索して来てる方も多いと思います。
日本ではあまりなじみがない作品でもありますので、マニアとして少しだけ気付いたところを補足説明をします。
GIたちをひとくくりに海兵と呼んでいましたが、実は彼らはSeabee(海の働き蜂)と呼ばれる海軍設営部隊に所属しています。軍艦に乗艦するような水兵や上陸作戦に従事するような海兵隊とはちょっと違います(ジョー・ケーブルは海兵隊)。海軍の基地や兵舎や飛行場などを建設する裏方的な仕事をするのが仕事。これを知ってると、舞台転換のときにセットの配置を彼らがやってたもなるほどとわかるはず。客席にキャストを登場させたりして転換時を見せないような工夫もしてましたが、舞台を暗転させずにもっとセットの入れ替えをショー的に見せたりもしますね。
次に、ブラッディ・メアリー。なんで、「血まみれのメアリー」なんでしょうか。答えは、GIたちが歌う「ブラッディ・メアリー」の歌詞の中にあるのですが、今回の訳詞には入ってませんでしたね。元の歌詞には「She is Always chewing betel nuts」とあります。このbetel nutsというのが何かというと、ビンロウという果実のことで噛みタバコのようなもの(台湾でよく売ってる)。そのビンロウですが、噛むと種子から赤い色素が出て口が真っ赤に染まるから。アメリカにはそんな習慣はないから、ゾッとする。だから、ブラッディ・メアリーなんですねえ。歌詞はこのままでいいから、プログラムに書いてあればよかったですな。そして、メアリーはプログラムにはポリネシア人と書いてありましたが、ポリネシア人ではないですね。もとの脚本では、トンキニーズと言っています。物語の場所は特定されていませんが、フランス人がいることから、フランスの統治領であることがわかります。トンキニーズはフランス領インドシナ人のことですから、メアリー親子はもともとは島のプランテーションに出稼ぎで働きに来ていて、そのまま住み着いて土産物屋を開いたと想像できます。ほかにもありますが、今日はこのへんで。