愛しのエトワール

うたのおねえさん、はいだしょうこさんを全力でとことん気の済むまで応援する日々を綴るブログです。

巡礼の旅(つづき)

2012-04-12 | 日記
着きました!
昨年の秋に一度来ております。
歌のお兄さん今井ゆうぞう君のブログを見て、また行きたくなりました。

熊野那智大社の別宮、飛瀧(ひろう)神社の御神体「那智大瀧」。
鳥居のところで参拝します。

「雲消ゆる那智のたかねに月たけて光をぬける滝の白糸」
「山家集」ですな。昼なんで月は出てませんが。
もしかして、ゆうぞう君は私と同じ趣味なんじゃなかろうか。
雲が消えた那智の高嶺に月が高く上り岩肌を照らしている。
那智の滝の白く輝く水の流れは月の淡い光を突き抜く光の矢のようだ。

真下までは行けませんが、300円を納めるともっと近くで見ることができます。

「空に向かってそそり立つ白い剣」 アンドレ・マルロー
観光名所に行っても「ああこんなもんか」で終わってしまうことが多いですが、
この滝は違いますよ。なにか「聖なるもの」を感じます。
真下から見ると、それこそ天から降ってくるように見えるんでしょね。
 
フランスの作家、マルローは国宝「那智瀧図」に感銘を受け、実際に本物の滝を見に行った。
滝を前にして、「(これは)アマテラスだ」とつぶやく。
古の時代より今に至るまで日本の自然崇拝の精神に普遍的なものが天と地の関係である。
水の塊が滝口から噴出するかのように水しぶきを上げながら133メートルの高さを一気に落下する。
そして水は地面で跳ね返りその飛沫は逆に滝を上昇していくかのようにも見える。下降と上昇。
「常に下にいる人間と上にある空との対話」。つまりこれが那智信仰なのである。


バスは参道の石段の前の駐車場まで登ってくれました。少しだけ楽ができます。

登ってます。上には熊野那智大社と青岸渡寺があります。
西国巡礼では普通の格好の参拝者がほとんどです。
完全装備とは行かないまでも「南無観世音菩薩」の白衣は欲しいですな。格好も大事だしね。

到着。となりの朱色は熊野那智大社の社殿。
西国三十三所第一番札所「補陀洛山 青岸渡寺(ふだらくさん せいがんとじ)」。
ご詠歌「補陀洛や岸うつ波は三熊野の那智の御山にひびく滝津瀬」
全員揃ってのお勤めのあと、法話も聞けました。
西国巡礼のまだ半分も終わっていませんが、ここは2回目です。
同じお寺に何度もお参りしてもいいですよ。札所を全部回ることが目的とは思っていません。
仮に全部巡拝し終えたとしても二巡目三巡目の通過点に過ぎませんからね。

景色がとてもいいのです。

「みやこにてながめし月のもろともに旅の空にもいでにけるかな」
道命法師を持って来るとは、ゆうぞう君、なかなかの通ですな。
では、私は和泉式部を。熊野の歌はあったかな。
(和泉式部は道命法師の愛人?ですよ。宇治拾遺物語に書いてあります)
「いくかへりつらしと人をみくまののうらめしながら恋しかるらん」
私とは別の人に恋をしてしまったあなた、うらめしいけれど、まだあなたを恋しいのです。

バスは那智山を下り、本日、最後のお寺へ。

「補陀洛山寺(ふだらくさんじ)」。
まだ新しい小さなお堂だけの小さなお寺ですが、ここは世界遺産なんですねえ。
お勤めのあと、法話を聞きます。団体なので普段は非公開の観音様の扉も開けてもらいました。
なぜ世界遺産なのか。ここは補陀洛渡海という特異な信仰形態が伝わるお寺だからです。
平安時代の浄土信仰の隆盛に伴い生まれたのが補陀洛信仰です。
阿弥陀如来の西方浄土に対して、観音菩薩の浄土世界を「補陀洛」といいます。
南の海の彼方にあると信じられていて、観音浄土での往生を願いここから船出をしていったのです。

境内に渡海船が復元されていました。
井上靖の短編「補陀洛渡海記」に補陀洛渡海の様子がよく描かれています。
こんな小船では当然太平洋の荒波に耐えられるはずはありません。つまり、死ぬための船出ですね。
観音様のもとでの生まれ変わりを信じる。観音信仰の究極的な形態なのであります。
わずかな食料と油、重しとなる108の石などを積み込んでの船出だったといいます。

これでツアー終了。あとは4時間かけて帰るだけ。
あれれ、傷心旅行じゃなかったの? あっ、すっかり忘れてた。
次回もバスツアーシリーズです。もう行ってきましたよ。
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4 コメント

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ゆう兄と同じ趣味だとは (みいな)
2012-04-12 23:46:09
ゆうぞうさんは、なんにでも通じていて「賢い人」というイメージですよね。スノウさんも確かに近い何かがあるかも!

井上靖の「補陀洛渡海記」は読んだことがあります。中学生の時に。怖かった記憶しか残ってないですが・・。

私は寺社は怖いのです。教会も。さらに言えばお墓も。
いいものだけでなく、悪いものも蠢いている感じがして。

でも自然は大好きなので、熊野の滝は一度見てみたいですね。

ミニチュア風の写真、やはりいいですね。そういうのが撮れるアプリを探そうと思いつつ出来てないです^^;

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すみません (みいな)
2012-04-13 22:46:57
なんだか、昨日は失礼なコメントを残してしまいました。

スノウさんのせっかくの巡礼に水を差すような・・反省してます。申し訳ないです。

私が個人的に勝手に怖がっているだけで、嫌いとか、そういうことではないですし、建築や歴史背景や、それにまつわるお話とか、そういうのは大好きです。

自分がその空間に「行く」のが怖いだけなんです。

書けば書くほどドツボかも・・。
返信する
怖いもの (スノウ)
2012-04-14 12:09:22
おやじ狩りくらいですかね。まだ遭遇したことはありませんが。

まあ、そんなにお気になさらずに。
私も子どもの頃はお寺や墓地は怖かったですよ。
夜に前を通るときなどは見ないように見ないように歩いてました。
そういえば、仏像も怖かった。
三十三間堂の千体並んでる写真なんか怖くて直視できませんでしたわ。
怖いもの。今では何でしょう。
夜の海や川はなんだか不気味でいやですね。

あさっては「関西花の寺ツアー」に行ってきます。
案内には見どころはミツバツツジとモクレンと書いてあります。
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ありがとうございます (みいな)
2012-04-14 12:38:55
モクレン、大好きです。

写真、楽しみにしてますね。

フォロー、ありがとうございます。
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