2022年3月20日(日) ☁/風強し
マナコ谷より桧塚・桧塚奥峯
作業小屋からの樹林帯を抜けて
雪原となった荒地の尾根に出ると、
何も遮るものが無く
風の思うままの世界が広がっていた
ホワイトアウト状態の尾根では
感覚がずれてしまう感じがする
今どこを歩いているのか・・・
ともすれば、錯覚する事がある
目的の主尾根の位置関係が分かり難い
どれほど歩けばいいのかさえも検討がつかない・・・
今はただ、飛ばされないように、
踏ん張って登っていくしかない!
すると次第に 尾根の形が変化してくる…
狭くなった尾根が、ゴツゴツしてきた
荒れた雪原尾根から岩ぼこに!
樹林帯から抜けて 荒地の尾根を歩き始めてから
約10分ほど経った頃、寒々とした岩場が現れた!
だが、危険という危機感は生まれない
反対に、ここは灌木が味方となって、
風の猛威から助けてくれた
暫く、岩尾根を歩く
ここがピークか?と思う感じがした・・・が
岩尾根のピークと思えた先に見えたのは・・・
無限の広がりを見せる無の世界・・・
愕然とした時だ・・・
主稜線も 目的の山も見えない!
今どこを歩いているの~!
桧塚は何処なの~!
ただ、まだ・・・
主稜線に辿り着けていない事だけは理解していた
地図確認をする余裕は
この時の私には無かった・・・
風に吹き飛ばされないように耐え!
チチから離れないよう
ただ、登るの事だけに、必死になっていた
主稜線を目指して登る・・・
だけど、
チチは何事もないように登っていく!
何が違う…? 筋力か…? 技術か…?
いや、体重の差だろう・・・と
僻み根性で勝手に思う愚かな私・・・
だから余計に、風は意地悪をしてくるのだろう・・・
風に煽られ ふ~ふら・・・
あぁ~ みじめ!
六花の樹林帯
少し明るくなった!
稜線に出たのかと 顔を上げると
まだ先がある・・・
空は 時折明るい景色を覗かせる
それもつかの間 また・・・
白い寒々しい世界へと引き戻す
再び風と戦いながら登る
風の強さを象徴するシンボルツリー
主稜線に出た?
何処見ても モノトーンの世界ばかりで
目印になりそうなものさえ 捉えられない!
すると チチの声がした
尾根に出たよ!・・・と
やっと稜線に出たことを、実感することが出来た
そして 少し離れた所にある
エビの尻尾が無数に張り付いた標識を見て
再確認をした!
マナコ谷分岐の標識
まずは桧塚へ
急に明るくなった!
主尾根に出た頃から 空の展開が早く
明るくなったり暗くなったり
あぁ忙しい!
雲の動きが不気味なほど激しく
色々な表情を見せてくれたが
風の動きは、支尾根の時より
優しくなったように感じる
桧塚がぼんやり見える
重そうな霧氷花
もうすぐ桧塚に近づくころ
満開の六花に包まれ 冬の花見を満喫する
桧塚の標識
桧塚(千秋峯※センシュウミネ)1402m
展望のない桧塚ではあるが
この季節は 霧氷林に包まれ
冬の花見の名所に変わる
今までのしんどさも忘れて、見入ってしまう
そして ふと、気が付いた
足元が重い!
よく見ると、足元には雪の塊ができ
段々、目線が高くなっている
まるで雪の下駄を履いているようだ
雪の下駄履き状態!
湿気の多い雪質の為せる業だが、
下りでこの下駄は危険だ!
細目に落としながら、下っていく事になる
冬の芸術品を見ながら、暫く休んだ後、
今度は、桧塚奥峯に向かうため
一旦、マナコ谷分岐まで引き返した
マナコ谷分岐まで一旦戻る
マナコ谷分岐通過
桧塚奥峯へ向かう
明神平への分岐
台高山脈 桧塚奥峯1420m
桧塚から、約15分ほどで桧塚奥峯に着いた!
見慣れた標識とシンボルツリーを確認することが出来たが
周囲の展望は、閉店ガラガラ!
灰白色のベールに包まれ、殆ど望めない状態であった
それでも、動く雲の間から、青空が広がる事もあり
チラ見の展望が数秒ほど望める事があった
それだけでも、贅沢な恵みだった
貴重な展望を瞬間に見た後、下って行く事にした
シンボルツリー
一瞬見せた青空
桧塚が一瞬姿を現す
やんちゃな風が、好き勝手に暴れているものの
往路の時ほど酷いものではない!
吹き飛ばされる心配が無いという事は
これほど安心と楽しむ余裕が生まれるという事なのか・・・
マナコ谷登山口へ戻ろう
時折、見事な青空が広がる稜線!
霧の花が咲くときに青空が恋しいと思うのは誰も同じだろう
一瞬でも青空が広がると それだけで気分は高揚してしまう
ありがとう!
ありがとう!
空を見上げて叫んだ!
霧氷のトンネルを潜る 腰が痛い!
空が曇ってきても 残る日差しに輝く霧氷の立木
寒々しくも垂れる、不気味な雲に浮く霧氷の立木
冬の厳しさをまざまざと見せつける
マナコ谷分岐から下る支尾根
再び暗雲の空に包まれ
モノトーンの世界になるが、
下る頃には風の存在は、さらに薄くなっていた
下りは楽だった・・・
風は何処に行った?
桧塚が顔を出してお見送り!
下りは、登りの時の悲愴感は全くない
それ所か ルンルン気分で
移り変わりの激しい空を見ながら下る
山も そんな私を見て笑うのか
揺れる六花の乱舞もまた一興♪
岩場の尾根も楽勝で過ぎて
目の前にヒノキ林が近づく
もうすぐ 荒地の雪原とお別れだ
ただ、この支尾根の斜面
雪解けや雨降り後はジュクジュクで歩き難かろう・・・
今日は地面が固まっていたので、
楽に下る事ができた♪
樹林帯の急斜面
作業小屋の外でコーヒーブレイク
急な下りは続くが、もうひと辛抱
樹林帯の中を九十九折に下る
マナコ谷が見えてきた♪
沢が見えてきた!
マナコ谷
マナコ谷沿いの急斜面もまた、
登りの時とは違い、 歩き易くさえ感じた
谷が近づくにつれて、足取りも早くなる
もう、そこだ!
マナコ谷登山口到着!
千秋林道てくてくと・・・
誉橋が見えてきた
もうすぐ もうすぐ 長~い千秋林道の終点!
林道歩きは ちょっと飽きてきたよ・・・
早く着かないかな・・・
木屋谷雨量観測所駐車場に着いた
フサザクラさん ただいま♪
振り返って・・・通行止めのクサリ
漸く 千秋林道が終った
約30分弱の距離だが 長~く感じたのは私だけ?
だけど、ほど良い疲れと満足感だけが残った♪
登りの時は、
嫌になるほど悲愴感に包まれていたけれど
喉元過ぎれば・・・なのかもしれない
今は・・・
頂上付近の霧氷林が恋しい~♪
ただ・・・そんな余韻に浸ってはいられない
ここからの道もまた 私には緊張を強いられるものだった
狭い!
ガードレールが無くなった?
切れたスレッスレの谷間
狭い林道には・・・
新たな落石がいくつも散らばっていた!
来るときは無かったよな・・・
うん・・・なかった!
そんな会話をしながら車を走らせた…
ひやひやものだった!
・・・
・・・
やっぱり、家に帰り着いてから
今日の余韻に浸る事にしよう・・・
終
最後までお付き合いいただきありがとうございました
お体はお変わりありませんか?
大変な時に、メロン様に共有させてもらっていると言われると
とても嬉しく思います ただ、
1000mクラスの山で、なんと大袈裟な!と笑われるかもしれませんね(笑)
こんな拙い愚ブログでも 寄り添えるものになるのであれば、身に余る思いです
段々、出てくる言葉や文字が少なくなってきている中、自分なりに表現できればと、頑張っております(笑)
日本人でよかったとも思います
嬉しいコメントを本当にありがとうございます
台高の山々は本当に深い山です
冬の山は魅力的で惹きつけられて止みません
山での食事は殆ど行動食で賄い、
歩きながら補給しております
風を避けるため、休憩もその時の状況で変わるため
その時々の対応をしているだけです
特に何か工夫しているという事は有りませんが
テルモスには必ず 甘めのホットミルクティーを入れて
行動しております
水分は、こまめに必ず摂ってはいます
参考にはならないグウタラ対応ですね(笑)
行動の行程を考えての行動食と予備食だけがザックに入っている程度ですから…(笑)
コメントをありがとうございます♪
有難うございます。
六花という表現も美しいですね。意味はすぐに想像できましたけれど、僕は初めて知りました。
それにしても素晴らしい銀世界、霧氷がすばらしいですね☆
今年の冬は色々あってほとんど山に行けなかったので イイもの見せてもらいました
処で寒い冬は山で食事や補給はどうされていますか?
休憩して食べる時ってすごく寒いですよね…
何か工夫はおありですか?^^;