今回はエッセイです。
数年前の事です。
右下の歯に鈍痛があり、歯科医院に行くと
「薬剤を入れて様子を見ましょう」と言われ、
3回ほど通ったのですが、鈍痛が消えません。
4回目、いきなり抜かれました。
「ええっ!抜いたのですか?
私は一生自分の歯で居たいと思い、
何かあるとすぐに歯医者さんに行っているのに、
いきなり抜くなんて、ショック!!」
先生、慌てて抜いた歯を見せ
「これを見て、3回治療をしても駄目だったから」
確かに抜いた歯を見ると、根っこが化膿していて、
素人の私でも、抜かざるを得ないと納得しました。
私 「この歯を見ると、納得しますけど、
でも抜くなら抜くで、最初の言ってくだされば、
覚悟が出来たものを。いきなり抜くから・・・
ショックで今日はもう何もする気がしない」
と大文句を言いました。
帰り、止血剤やら、化膿止めやら、痛み止めやらの薬を受け取り、
買い物の予定があったのに、その気も無くなり、
家に帰って、ベッドに潜り込んで寝ていました。
後日、歯医者さんに行くと
先生、治療のたびに 「今、消毒しています」
「乾かしています」といちいち説明してくれます。
”悪いことしたかな? 先生も、患者にあれほど文句を言われたのは初めてだろうな”
と思った事件でした。
最近、その歯科医院で撮らせて頂いた診察室です。
今、とても硬い「はじき豆」にハマっていて
先生に、これが食べられる歯にしてくださいと、
現物を持って行って食べて頂き、
今でも度々行っています。
≪また別の歯科医の話≫
私が30代前半の頃(大昔)の話です。
知人に、面白い歯医者がいるから行ってみたら、と言われ
好奇心も手伝って行ってみました。
とにかく、患者が口を開けて治療をしてもらっているのに、
いろいろ話しかけたり、質問をします。
こちらは口を開いたままなので、アーとかウーとしか答えられないのにです。
行くたびに「妊娠はしていないか?」と聞くので
「毎回同じことを聞かないでください。覚えられないのでしたらメモをするとか」
(今だとセクハラだと言えるのですが)
ある時、2階の診察室に座って、
もう一つの椅子の患者さんの治療が終わるのを待っている間、
ガラス窓から見える駅から出てくる人をなんとなく見ていました。
私の治療に移り
「何を見ているんだ。あゝおばさんか。僕はおばさんは嫌いだ」
”私だって30過ぎている。おばさんが嫌いなら触るな”
と言おうとしたら、いち早く察して「君の年までだ」
それまで素知らぬ顔をして、腕やら髪やら、ひどい時は
ブラウスの上から、ブラジャーの後ろの留め金部分を、
パチンと弾かれたこともある。←とっさに、触らないで下さいと言いました。
ところが、
とても美人の奥様が、たまに医院にお見えになります。
その時は借りてきた猫みたいに、大人しくしています。
ある時、
「婦人雑誌に、夫婦の写真が載ったんだ」と自慢されたので
「見せてください」
見ると「美男美女のカップルのお医者さん」というタイトルだったので、
「なんだ、もっと立派な事で写真が載ったのかと思った」と言うと、
看護婦さんが「〇〇さん(私の名前)もっと言って!!
私が言うとお給料に差し障りがあるから」
とにかく、ユニークなセクハラ先生でした。
前出の歯医者さんとは、真逆の歯科医でした。