私が約60年前の昭和34年頃、確か小6の算数学習<比>で表題の5 : 8が 5 ÷ 8と出来るのですよと教えてもらった事と、何故<対>が<÷>に変換できるのか詳しい説明をしてもらった記憶がありません。
一体どうして<比>が勉強について行けたのか?昔、私たちの年代は、大阪市内ですが小学校で6クラス中学校で20クラス、1教室が60名定員その中学校の総人数約3000名でした。
このような条件のもと、「質問を受け付ける」とか「発表・発言」など中々順番が来ず、分からないまま学習単元がどんどんと進んでいった記憶が鮮明に蘇ります。
ある時に、< : > の真ん中に< - >の線を入れてご覧と教わった時に「なるほど」と思って、それ以後何も考えずに単に記号を変えるだけで問題を解けていったものだから、不自由さも感じなくついて行けたのかなと思います。
しかし、しかしですよ!
これは、学習指導でしょうか? 意外と現在でもひょっとすると使われているのではと危惧しています。
すべての児童にキッチリと教えれば、コンプレックスを持たせなくても済むはずです。
ここが教師にとって一番大事なところで、研究をして実践すれば良いだけの話だと思います。先天的に理解の高い児童は別にして、半数以上は理にかなった指導を丁寧に分かるまで教えて欲しいのです。
そこで私の持論を述べますが、(分かりにくいと思っている方向けです)算数は、つながりの学習ですのでほとんどの単元は、何かに結びつくように教えると理解が高まる時が応応にしてあります。
今回の比も結びつけようとするならば、「割合」と「九九」となります。割合の範囲は前回の「その2」で説明をしていますが、整数・小数・分数・百分率・歩合と倍数関係です。
それでは、まず<比>の定義をしておきます。
比とは「比べる」事です。二つ以上の数を比べます。
比べる時に「 : 」を使って、前項と後項に分けます。前項は分数で言うと「分子」の部分です。後項は分数で言うと「分母」の部分です。
九九で言うと例えば 4 × 7 =28とすると 「4」が分母で「28」が分子です。もとの量が分母で比べる量(答えの部分)が分子につながるのです。4分の28を約分して「1ぶんの7」と答えが出ます。これが
比で言うところの「比の値」となります。比の値とは2量を計算した答えのことです。
要するに、前項:後項は、上の例で行きますと28: 4となりますね。言葉的には、「・・に対する・・の比」とか「・・の・・に対する比」とかの区別になりますが、難しい時はちょっと横に置いておいても良いでしょう。という事で九九の7を(?)とするならば28÷4で7をみつけようとしますね
だから、28: 4は 28÷4と変換できるのですよ!九九の意味で言っても合致しますよ!分数の意味につなげても合致しますよとなります。
28: 4 ⇔ 28÷4 ⇔ 4分の28(28/4) ⇔ 4×?=28 4はもとの量で28は比べる量(答えの部分) 故に、前項は28で後項は4 比の形では 後攻が基準量となりますね。
この合致した事で次のような問題にあたってみると理解が容易いものとなるのではないでしょうか。
5 : 7の比の値はいくらでしょう? 答え 5÷7=7分の5
この時基準量が7ですので、1あたり量は7と判断します。7に対して5の量となったと考えると、「割合」が基に対して1より少なくなった7分の5となる、すべて理屈などに合致しますよね!
(問題) 縦と横の長さの比が3:4の長方形があります。縦の長さが60cmのとき、横の長さは何cmですか。
解き方・・・長さの割合は3:4であるので「比の値」は4分の3
縦の長さが60cmと問題の基準にしているので、比の値4分の3を逆数にして縦3を分母に使います。よって 60×4/3 (分母はもとの量に合わせて1あたり量を必要とするので)=80
60÷3/4でも出来ます。
答え、80cmとなります。
このように、平凡な疑問点も丁寧にして行くと「なるほど」と合点がいくようになります。
分からないまま見過ごすのが学習共通の課題なのではないでしょうか。