Stay With Me
ー Forever & Always (2) ー
大学時代にたまたま友人になった男 “ 寺崎 行 ”
この男は学生時代にバイト先で知り合った
俺より3つ年上なのに頼りなさ気に見える一見冴えないオタク系だったが
とても心根の優しい良いヤツだ
人が腹の立つ出来事も
こいつだけは 腹を立てることもなく
感情的になることもなく笑ってやり過ごすところが
俺は気に入っていたし
責任感のある所も信頼していた
寺崎は顔もスタイルも良くて身長も高い
残念ながらあいつは大学の4年間で
彼女ができることはなかった
純粋で女にはかなり奥手な性格だからかもしれない
彼女が欲しい気持ちはあったんだろうけど
口数が多くない寺崎は彼女が欲しいということを口にすることはなかった
そんな冴えない寺崎も社会人になって数年後
ついに彼女ができた
俺が寺崎に彼女のことを聞くと
照れながら彼女の話を聞かせてくれた
そんな幸せそうな寺崎を見て 俺も嬉しくなった
大学時代にたまたま友人になった男 “ 寺崎 行 ”
この男は学生時代にバイト先で知り合った
俺より3つ年上なのに頼りなさ気に見える一見冴えないオタク系だったが
とても心根の優しい良いヤツだ
人が腹の立つ出来事も
こいつだけは 腹を立てることもなく
感情的になることもなく笑ってやり過ごすところが
俺は気に入っていたし
責任感のある所も信頼していた
寺崎は顔もスタイルも良くて身長も高い
残念ながらあいつは大学の4年間で
彼女ができることはなかった
純粋で女にはかなり奥手な性格だからかもしれない
彼女が欲しい気持ちはあったんだろうけど
口数が多くない寺崎は彼女が欲しいということを口にすることはなかった
そんな冴えない寺崎も社会人になって数年後
ついに彼女ができた
俺が寺崎に彼女のことを聞くと
照れながら彼女の話を聞かせてくれた
そんな幸せそうな寺崎を見て 俺も嬉しくなった
二人は付き合い始めて
数ヶ月後には同棲をしていた
彼女から積極的に押し掛けてきたようだ
それから数年
次第に寺崎からの連絡が少なくなっていた頃
寺崎から 飲みに行かないか と連絡が来た
もしかして結婚の報告か? と思ったが話は違った
同棲をやめて別れた という報告だった
あの時の寺崎は
本当に見てられないくらい落ち込んでいて
放っておくと死んじまうんじゃないかと本気で心配になるくらい頬がこけ痩せていた
彼女との別れの辛さは一目見ただけでわかった
不器用な男なりに
一生懸命だったのだろう
彼女と別れた理由も言わず
別れた報告だけをして
ただただ 悲しそうに黙って酒を飲んでいた
俺は黙ってその酒に付き合うことしかできなかった
それからも俺は寺崎が気になって
たまに外に連れ出した
会う度
少しずつは傷は癒えているように感じ安心した
それら二年 ーーー
寺崎が嬉しそうに飲みの誘いをしてきた
寺崎に気になる女の子ができたようだった
それは寺崎より15歳も年下の24歳の女の子
あいつは彼女との年齢差を凄く気にしていた
年齢差なんか気にすんな! と俺は強く背中を押した
その時はまだ寺崎の片想いだったが
こいつの誠実さならきっとうまくいくと信じていた
15歳も若い女の子ならお前のその野暮ったさも少しはなんとかした方が良いなと軽くアドバイスをしたら
どうしたらいい!? と前のめりになって熱心に聞いてきた
そんな寺崎を見て
惚れた女に対するあいつの本気度を知った
お互いにいい歳のおっさんになったのに
寺崎は未だに純粋な可愛い男なんだなと
心から思った
俺のアドバイスで
次第に野暮ったさも消えていった
元々 顔もスタイルも良い男だから女にモテてもおかしくはない
ただ
今まで女と付き合った経験があまりないようだからウブで不器用
その彼女に気の効いた言葉のひとつでも言えてるのか?と兄弟みたいに心配もした
カジュアルスーツを着て髪型も変えて現れた時は
別人のようにイイ男になっていて
“ おっ イケてんじゃん ” と言うと
男なのに可愛い照れ笑いをした
そういう顔は彼女に見せろよ と俺が笑うと
あいつは頭をかきながらまた照れくさそうに笑いシワを作って笑った
その後
その子と付き合うことになったと嬉しそうに報告をしてきた
どんな子か、どうやって口説いたのかと聞いたら
可愛いの連発で
可愛いってのは充分わかったよ と笑った
その嬉しそうな表情は
前の失恋の傷が完全に癒えていることを意味していた
本当に良かった ーー
そんな寺崎が彼女と上手くいかなくなり
別れたような状態になったと聞いた時
俺も胸が痛んだ
あんなに幸せそうに話していたのに ーー
また前の失恋の時のように
意気消沈し頬が痩せこけたあいつに戻ってしまうんじゃないかと心配になった
でも痩せたようだったが
ちゃんと飯も食っていたようで
前の時の程の心の痛手はおってはいないように見えた
それがかっかけで
その子と付き合うことになったと嬉しそうに報告をしてきた
どんな子か、どうやって口説いたのかと聞いたら
可愛いの連発で
可愛いってのは充分わかったよ と笑った
その嬉しそうな表情は
前の失恋の傷が完全に癒えていることを意味していた
本当に良かった ーー
そんな寺崎が彼女と上手くいかなくなり
別れたような状態になったと聞いた時
俺も胸が痛んだ
あんなに幸せそうに話していたのに ーー
また前の失恋の時のように
意気消沈し頬が痩せこけたあいつに戻ってしまうんじゃないかと心配になった
でも痩せたようだったが
ちゃんと飯も食っていたようで
前の時の程の心の痛手はおってはいないように見えた
それがかっかけで
寺崎は以前よりも想いをちゃんと言葉にするようになっていて口数も増えていた
頼りなげだった男が男らしくなってきたのも
きっと年下の彼女と付き合ったからだろう
彼女と疎遠状態になって3ヶ月
あいつはまだ想いが深く残っていて
自分の何がいけなかったのか ーー
ずっとそればかりを考えていたようだ
わからないなら 彼女を手放したくないなら
素直に聞けばいいだろう、と俺は言った
俺には
そこまで深く想った女は今までで一人だけ
“ 愛している ” という言葉を口にしたのは
あの女性だけだ
きっともう
彼女とは再会もないだろう
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きっともう
彼女とは再会もないだろう
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