気まぐれ徒然なるままに

気まぐれ創作ストーリー、日記、イラスト

たしかなこと 2 (3)

2020-04-27 22:39:33 | ストーリー
たしかなこと 2 (3)





白川さんの優しさも理性的な大人の男らしさも全然変わらないけれど少し心配性?になった気がする


「僕が奥に運びますから、香さんは別のことをしていてください。」


私の店の重い荷物を運ぶのも今まで全て一人でやってきたから慣れてるのに

白川さんの会社が休日の日はお店を手伝ってくれる

少しの時間でも私と一緒にいたいからと言ってくれる白川さんがちょっと可愛いなって思う


「ちーっす!たけのこ持って来てやったぞー!」


あぁっ!!
兄ちゃんが来た!!
ウチに持って来るって言ってたのに!!


店の奥から出てきた白川さんと兄ちゃんはバッタリ目が合った


兄ちゃんにはまだ白川さんのこと話してなかったのに!!

兄ちゃんは白川さんのことを業者とでも思ったのか気に留める様子もなく


「あ、ども。」

一言言って
たけのこを私に手渡した

「冷蔵庫に入れとけよ。あく抜きしてるって言ってたから直ぐに調理できるそうだ。」


白川さんを見たら白川さんは少し顔が緊張していた


「香さんのお兄さん、ですか。」

「… え? はい。 え??」


わぁ!!どうしよう!!


「兄ちゃん、あ、あの、こちら、、白川さん、、」

「どうも…(?)」


私とどういった関係なのか全く理解できていない表情で私を見た


「私、香さんとお付き合いをさせていただいています、白川と申します。」

白川さんらしく丁寧に頭を下げた


兄ちゃんは驚いた表情で私と白川さんを交互に見て

「え?付き合いって、、え?カレシってこと??」

「真剣に結婚を前提にお付き合いをさせていただいております。」

「は!? 結婚っ!?」更に驚いた

「はい。」


真剣な表情で兄ちゃんの目を見つめている


兄ちゃんは頭を掻きながら
「えーっと… 白川さん、だっけ?」

「はい。」

「独身?随分 香と歳が離れてるんじゃ…」


やっぱり…
反対するよね…


「私は独身です。彼女とは22歳離れています。でも私は、」

「いやいや、俺は別に反対って訳じゃないっすよ、白川さん(笑)」

馴れ馴れしく白川さんの肩をポンと叩いた

え!? 兄ちゃんが反対しない!?
白川さんは驚いて何度もまばたきをした


「そうだったかー。いやなんかね、最近こいつ生き生きしてきたし、なんかちょっと綺麗になってるからカレシでもできたんじゃないかって、俺の嫁が言ってたんっすよね(苦笑)綺麗ってとこは俺にはわかんなかったけど(笑) 」

驚く私の顔を見てニヤッとした

「そんだけ幸せってことだろ? だったら俺は何も言わない。カレシ、独身なんだから問題ないじゃね?(笑)」


兄ちゃんの意外過ぎる反応に拍子抜けした


「あぁっと!俺、時間ないから、じゃっ、白川さん、また!たけのこ直ぐに冷蔵庫入れとけよ!」

慌てて店を出て行ってしまった



白川さんは安堵の表情を私に向けた

「貴女のお兄さんは貴女を大切に想われていますね(笑)」

「え~? そうですか?(笑)」

「貴女の幸せを考えていたし、心から信頼していましたね。」


そう、なのかな

いつもあんなに軽い感じでチャラチャラしてるように見えるけど

「お義兄さんに受け入れてもらえたことは本当に嬉しいです…」

白川さん…
嬉しさを噛み締めてる(笑)


「白川さんが兄ちゃんに “おにいさん” って(笑)ふふっ(笑) 」

20近く年下のあの兄ちゃんに(笑)


たけのこを冷蔵庫に入れていると40代ぐらいの女性のお客さまが来店し

「あの、あれを見せてもらえますか?」

女性は白川さんを店員か店主だとでも思ったのか棚の上部にある飾り花が沢山入った透明の箱を指さした


「こちら、ですね?」

白川さんは箱を下ろしてカウンターに乗せてそこからは私が対応をした


お客さまには白川さんは店の人間に見えている

私も初めてプライベートで偶然会った時、どこかのショップ店主に見えたのだから当然だろう

ここにいて邪魔じゃないですか?と気にする白川さんに珈琲を入れた

店主だと言っても違和感がないほどだと言うとサービス業は学生の頃のアルバイトしか経験がありませんと白川さんは微笑んだ

白川さんは会社では笑わないキャラで無駄話を一切もしないから堅物で冷たそう、恐そうという印象を持たれている

本当はこんなに優しく笑う人だということを誰も知らない



再婚したら会社の人に報告するのかと聞くと上司には報告するけど他には言わないつもりだと微笑んだ


インスタは会社の人も見てるからインスタに写真はアップしないと言うと白川さんは少し考えて


「わかりました。では皆さんにも報告することにします(笑) 何故公表しないでおこうと考えたのかと言いますと、、どういった経緯で貴女と結婚に至ったのか、どういうデートをしているのかなどを詮索されることは避けたかったからです。それは照れくさいですから…(笑) 」


白川さんらしい(笑)


「決して公表が嫌だという訳ではないので。いけない、、その前に貴女のご両親に了解をいただいてからの話ですね(笑)」

白川さんはもうご両親は他界されていて
家庭を持っている弟さんがいると聞いていた

私の両親は結婚に難色を示してくるだろうと内心覚悟はしてる

もしかして? 案外兄ちゃんみたいにアッサリと認めてくれるかもしれないけど...








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