12・8・12
書き写すこと編集すること
「用のないはがきを貰ったうれしい日」(愚頭)
養護老人施設に入居するお年寄りに毎月はがきを差し上げたのが
文章を書く、文章が書けるようになった切っ掛けでした。
お名前、お年、性別だけの情報から何を書いたらよいか…。
絵手紙と云う言葉もなかったころ、はがきには文書を書くものだ、と思い込んでいた。
何をどのように書いたらよいか全く見当がつかない。
こんにゃく問答のような議論の末に行き着いた結論は
外出機会が少ないお年寄りのこと、季節の話題だったら…
難問が呆気なく解決した。
季節の連想から
俳句の歳時記をネタ本に7,8通りのはがきは難なく書けるようになった。
季語を選び説明文と例句を丸ごと書き写します。
その中からフレーズを3つ選び、数回読み返します。
3つという根拠は全くないのですが、
漠然と選ぶより3つと決めた方が選びやすく効果的です。
選んだフレーズを入れ替えたり、言い換えたり、
思い浮かんだオヒレハヒレを足したり引いたりする。
不思議と7,8通りのはがき文は書けます。
書くというよりある種の編集作業?を繰り返すことで
用のないはがき文は書けます。
推敲も編集作業の一種でしょう。
松岡正剛著「編集工学」を読むと、
文章を書くということはある種の編集作業の集大成のような気がします。