モジリア

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おじさんが読む「赤毛のアン」

書き写す 模倣する

2012年08月13日 | 無財の七施

12・8・13

 書き写す 模倣する

フランスの教育者アランは

徹底的な素読、筆写、模倣の必要性を説いている。

 

岸武雄他著の視写聴写朗読を核とする「文学の授業」に

紹介されている童話をPCで調べると、

新美南吉の「おじいさんのランプ」が全文紹介されている。

ひたむきな努力と創意で築き上げたランプ屋、

文明開化の時代の流れの中で油を灯すランプから電気がとってかわる時代、

ランプ屋が成り立たなくなる。

 

時代背景ばかりか、個人的な事情で仕事が成り立たなくなる、

私の場合は倒産という事情があった。

定年と云う事情もある。

 

「おじいさんのランプ」の話の形を借りて独自の物語が出来る。

 

千葉日報と日経に紹介された

「驚きの介護民俗学」著者の六車由実さんは大学の先生、

どういう事情があったのか知りませんが老人介護施設の職員に転職している。

「聞き書き」という手法でお年寄り一人一人に向き合っている。

 

以前毎日新聞日曜版に

阿刀田 高「おとこ坂おんな坂」という短篇が掲載されたことがある。

新橋烏森口の飲み屋が舞台、女将とお客との会話で物語が進む。

 

私も若いとき新橋駅烏森口に馴染みの飲み屋があった。

私にも書けそうにおもったので、

舞台と客と女将の設定を借りて

「贋作おとこ坂おんな坂」を書いて編集者の松島儀一先生に見てもらったことがある。

 

「贋作じゃない!立派な作品です!」と激励された。

所謂私的な習作だったら、許される範囲内、勘所?のようなものが分かった気がした。

短篇小説を丸ごと書き写した後に

形を借りて贋作というか試作を書いてみるのも文章上達の手だ。

 

井上靖に「ある贋作者の生涯」という小説がある。

贋作を偽って通用させるのは犯罪行為だが、模倣とは違う。

 

日本の美術館では見かけたことが無いが、

シカゴの美術館では画学生が数人模写しているのを見かけたことがある。

模写することに市民権を得ている。