みりんの徒然声

日々、感じたことを日記や詩でお届けします

みりんの徒然声 セルフコントロール

2016-10-29 21:58:55 | 日記
大好きなものさえ見失ってしまえば、今度はセルフコントロールが疎かになる。もはや、お風呂に入ることも歯を磨くことも面倒になる。万年ダイエッターだったあたしが食べ物を機械のように口に運ぶ。空腹ではない。ただ食べ物を無駄に咀嚼する。太った体。朝を怖がり腫れた瞼。肌が弱いのにクリームも塗らないので乾燥してパサパサの肌。体がかゆくなってかきむしった。大切な筈のタトゥーにみみず腫ができる。髪は白髪になり地肌を半分さらしているのでヘアカラーもできない。ここ数日で格段に見た目が汚くなった。が、逃げる術を知らない。駄目だと思いつつ甘いものをまた口に運ぶ。ストレスが過食になるのは初めてだ。いや、拒食症の後に過食になることはあったが吐いていたので太りはしなかった。吐くのも面倒くさい。セルフコントロールが完全に出来なくなって尚更、人が怖くなる。お腹がすくのは愛情に?仕事の満足感に飢餓しているからなのだが、ただ家に籠って食べ散らかすパッとしないあたしは無様としか言いようがない。明日は仕事だからお風呂に入って化粧しなくちゃならないが浮腫んだ顔に色をつけるのは面倒でしかない。こんな状態だから文章を書くのも困難だ。あんなに化粧やだらしないけどセルフコントロールだけには潔癖だったあたしの変わりように母親がまた気味悪そうに見る。食べろ、食べろと言っていたのが懐かしく、今は食べ物を取り返され食べ過ぎだと注意される。昔読んだカフカの変身を思い出した。ある朝起きると主人公は毒虫になっていた。これはセルフコントロールが出来なくなった人間の比喩だったのかも知れない。だらだらと脂肪を蓄え、あたしも毒虫、芋虫のようにベッドから起きれないくらいに丸くなり、食べるだけの厄介者になるのかも知れない。リップクリームすら塗っていないかさついた唇が切れる。眠い。あたしはどうなるんだろう。あたし自身も分からない