掃き出し窓の内側で揺れるカーテンをずっと眺めながら不意にそう思った。
テーブルで頬杖をついたままだった両肘が真っ赤になっている。
壁に掛かっている時計を見たら10時半を過ぎていて驚いた。
1時間も何を考えていたのか。
昼になれば生活クラブの配達が来る。
要らなくなったパソコンデスクを引き取りに娘も訪ねてくる。
猫が汚したラグやトイレの砂よけも片付けなくてはならない。
ボンヤリしてる暇など無いのだ。
無いはずなのだが、してても一向に構わないのも本当だ。
主婦って曖昧な仕事だなあ。
忙しい、と気づく暇もないほど忙しかった昔。
毎日宿題抱えてた気分でいつも必死だった。
あの頃はこういう暮らしを夢見ていたのだが。