南大沢昆虫便り

八王子市南大沢より、昆虫に関する情報をお届けします。
昆虫の専門家ではないので、間違い等ありましたらご指摘ください。

「カブトムシ山に帰る」という本

2017-12-19 11:01:38 | その他の甲虫

 

所用で地方都市に滞在しているが、久しぶりに地域のコミュニティセンター内にある小さな図書館に行ってみた。

狭いのだが、昆虫に関する本が結構置いてあるのが嬉しい限りだ。

児童向けが多いのだが、ファーブル昆虫記と並んで丸山宗利さん、新開孝さん、森上信夫さん等の本も置いてあり、そこに見たことがない「カブトムシ山に帰る」(汐文社)という本を見つけた。初版は、2013年8月。「カブトムシが小型化している⁈」と見開きにあり、どう言うことだと読んでみたら、これがなかなか面白い内容だった。

文字が大きいし、ルビもふってあるので児童向けの本かもしれない。

 

著者は山梨県に住む昆虫写真家の山口進さん。

最近コガネムシ位の小さなカブトムシが、どんどん増えて来ていると感じて、その訳を探りあてたという内容です。

幼虫の時に餌が十分でないと成虫は小型になるというのは聞いたことがある。自分ではやや小さいなくらいのは見たことがあるが、コガネムシ大と言うのは見たことがない。

 

詳細は本を読んでいただきたいのですが、概要は以下のような内容です。

ただしニュアンス等多少違いがあったらご容赦を!

 

著者は、子供の頃九州の照葉樹林ではカブトムシは大変少なかったが、大人になって行った山梨の日野春の落葉照葉樹林には沢山いるので驚いた。

そして、図鑑には幼虫は腐葉土を食べるとあるのに、クワガタを探しに山へ入った時に伐採木の固い根の中にカブトムシの幼虫が7匹もいたのを見て不思議に思った。

カブトムシの成虫は豊富な樹液、幼虫は沢山の腐葉土があれば沢山発生する。いわゆる里山と言われるところです。

 

途中は省略しますが、著者は長年の観察から、なぜ小型のカブトムシが増えたのか次のような説を立てました。

 

カブトムシは里山環境ができる遥か以前から、山の中の森で小さな体で生きていた。

カブトムシの幼虫は大きく、鋭く、力強い口を持っていると言うのも、倒木や朽木に向いている。

体が小さいと餌も少なくてよく、俊敏に飛べて飛行距離も長いようです。

 

ところが、山里に人が住むようになって里山が出来ると、豊富な腐葉土、クヌギやコナラの樹液で夢のような暮らしができるようになった。

そして幼虫の豊富な餌で体型も大型化した。

 

里山が消えつつある今、雑木林が荒れ樹液も腐葉土も少なくなって、山へ戻りつつあるのではないか?

山の中のサイカチなどの樹液と、倒木などから出来る腐植土や固い朽木を利用する小さなカブトムシに今移動中なのでは?

これが、著者の何年もの観察から気がついた点と言うことでした。

 

それが、「カブトムシ山に帰る」という題名です。

 

検索すると30mm以下の採集記録が出て来ますね。

しかし、極小カブトムシがいたけど何故と言う質問欄でも、回答にこの本の記述は見つからず、餌が少ないか幼虫が密集していたのではというような書き方でした。

書名で検索すると、小学生高学年の読書感想文課題図書でした。

そこには、たくさんのコメントがありました。

この本は、大人が読んでも面白い。

 

しかし、この本に書かれているようなことは私は考えてもいなかった。

来年は、コガネムシ大のカブトムシを是非見つけてみたい。

 


アオオサムシ

2017-05-06 23:39:05 | その他の甲虫

今日も撮影に行こうと我が家から数十メートルの遊歩道に来た時、アオオサムシが歩いていたが、なんだか変。

大きなカメムシをくわえている。

いつもは、アオオサムシはスルーするのだが、撮ってみた。

 

とてもきれいな色だ。

そのうち、カメムシを離してしまい、道の端でじっと動かなくなった。

アップで撮影した。

 

 

横からも。

 

 

こんなにきれいだったのか?

2枚目と3枚目は手持ちカメラ内深度合成です。

OLYMPUS OM-D E-M1 MarkII  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro 

 

 


ミドリオオキスイ

2016-08-22 15:36:09 | その他の甲虫

台風9号の影響で激しい雨が降ったが、やや小雨になったがこのまま終わるのだろうか。

境川があふれそうな映像がテレビで映されていたが、大丈夫だったのだろうか。

 

今日も、先日の都民の森の昆虫です。

ヨツボシオオキスイと思い、一枚しか撮影しなかったら、後でミドリオオキスイとTさんに教えてもらった。

 

オオキスイムシ科で、ヨツボシオオキスイとそっくりだが、前胸背板と脚の付け根の赤いところが違うのかな。

10mm弱の大きさだが、なかなか、きれいな虫だ。

 

 


ヨツボシヒラタシデムシ

2016-05-20 20:43:39 | その他の甲虫

 

シデムシというのは黒いものだと思っていたが、こんな色彩のがいるとは知らなかった。

 

 

Mさんが、近所の公園で見たことがない虫を見つけたというのを白バックで撮影してみた。

15mmほどの大きさで、シデムシのようだが、こんな色のがいるのかなと思ったが、ヨツボシヒラタシデムシだった。

樹上でも見られて、幼虫を食べるということなので、公園の樹の幹に放して撮影した。

 

今までシデムシなどは撮影を遠慮していたが、こんなのもいるのだと改めて驚いた。


キバネホソコメツキ

2016-05-10 20:25:19 | その他の甲虫

数日前の晴れた日、カミキリを探しに行ったのだが、ハルジオンの上にこんな鮮やかな色のコメツキがいた。

 

 

 

キバネホソコメツキのメスのようだ。

 

 

コメツキは黒くて見分けがつきずらくいつも敬遠していたのだが、こんなカラフルだと撮影してしまう。

メスは触角が短く全体が黄色いで、オスは触角が長く頭部と前胸背板は前翅より暗色のようだ。

大きさは花との比較でもわかるように、10mmにも満たない小型である。

 

 

 


コヨツボシアトキリゴミムシ?

2016-03-16 00:00:10 | その他の甲虫

2日前の日曜日に、吉谷昭憲さんの観察会に参加した時に古い伐採木にいた虫です。

 

 

コヨツボシアトキリゴミムシで、3年前にも同じところで撮影していた。

ところが、大変似ているヒラタヨツボシアトキリゴミムシというのもいるらしい。

調べてもなかなかわからず、唯一次のページが見つかった。

http://blog.goo.ne.jp/gajimaru18/e/bc46ece87662a88996801adad1453de8

 

これによると、コヨツボシアトキリゴミムシのようなのだが、どうだろう。

違っていたら、お指摘ください。

 

この日の観察会は午後からで、午前中は講演だったが、この中に大変興味深い話しがあった。

この件は後日また載せます。

 


今年もツノブトホタルモドキ

2016-03-12 11:41:42 | その他の甲虫

昨年も載せたのですが、この季節になると長池公園の手すりの上で見られるのが、このツノブトホタルモドキです。

 

 

こちらは、かなり離れた手すりにいた別個体です。

 

ヘリグロチビコブカミキリと同じ日で、フラッシュを忘れたので、シャッタースピードは遅く、絞りはやや開いて、ISO感度を800にしているのであまり良い画像にならなかった。

 

この虫は、結構珍しいらしい。

調べても、食草などよくわからない。

そして和名の由来は、これまたいろいろ書かれているが、結局ははっきりしないようである。

ホタルモドキという名だが、コメツキムシ上科のホタルモドキ科ではなく、ヒラタムシ上科のキスイモドキ科である。

ツノブトというのもやはりわからなかった。

今度は、手すり以外で見つけたいな。


ヒラタゴミムシの仲間   (追記訂正)ホソアトキリゴミムシのようです。 (再追加訂正)イクビホソアトキリゴミムシ。

2016-03-11 11:24:03 | その他の甲虫

先日、Mさんと新治市民の森へ行ってみようと約束したが、駐車場は平日は開いていないことに直前に気づき、急遽川崎の公園に変更した。

以前何度か行った時には、南大沢では見られない昆虫が手すりの上にたくさんいた。

ところが今回はさっぱりであった。

どうも今年は冬中少なかったようだ。

でも、ケヤキの樹皮下で越冬しているこんな甲虫がいた。

 

 

 

触角や脚が茶色くて、特徴的な形なので種名もわかると思っていたのだが、なかなか難しい。

ヒラタゴミムシの仲間のようだが、これがまたたくさんの種類がある。

 

 

ホソヒラタゴミムシ、オオアオモリヒラタゴミムシ、タンゴヒラタゴミムシなど候補に挙げたが、絞り切れない。

 

2016/03/12 追記 コメントを頂きました。ホソアトキリゴミムシのようです。ありがとうございました。

2016/12/03 追記 専門家の方からコメントを頂きました。イクビホソアトキリゴミムシとのことです。ありがとうございました。



キアシクビボソムシ

2016-03-06 10:27:23 | その他の甲虫

前回のイネゾウモドキの仲間と一緒に越冬していたのが、この左側のキアシクビボソムシ。

 

アリモドキ科で、4mmほどの大きさで、雑食性らしい。

日本に、アリモドキ科は60種くらいいるようです。

眼の大きい、首が細い、わかりやすい形である。

 

啓蟄となり、これだけ暖かくなると、そろそろ越冬も終了するのだろうか。


ヒサゴホソカタムシ

2016-02-23 09:50:24 | その他の甲虫

またまた、ケヤキの越冬昆虫です。

今回は見たことがない2.5mm位の小さな甲虫が見つかりました。

しかし何ともピントの良い写真が撮れない虫です。

 

 

 

見たことがあるような?ないような気がしていたが、最近旅姿さんのページに載っていたのを見たところでした。

コブゴミムシダマシ科、ホソカタムシ亜科、ヒサゴホソカタムシでした。

 

これでもピントはそこそこあっていると思うのですが、どうしてもピントがぼけているようになってしまいます。

ネットで検索して出てくる画像も、みんなこんな感じでした。

 

体中に小さな毛を束ねたような突起があるが、これがぼやーとしている原因なのかなあ??

それとも単純に撮影がよくないのか?


ジンサンシバンムシ

2016-02-20 14:12:04 | その他の甲虫

今日は寒い雨の日となり、残念ながら、大栗川キャンドルリバー2016は中止となってしまった。

イベントと言えば、南大沢の自然南大沢季節便りでは紹介したのですが、長池公園の自然館で、「春の長池公園写真展」を開催しています。

私は、昆虫写真は出していないのですが、春の風景を数点出しています。3月15日までなので、お近くの方は一度見ていただけたらと思います。

 

前回のケヤキヒラタキクイムシのいたケヤキに、こんな虫もいました。

 

 

3mmくらいの小さな虫です。

これも、Mさんがジンサンシバンムシではと検索して探してくれました。

やがて触角を出して動き出した。

 

 

シバンムシと言えば、以前撮影したことがあるなと調べると、タバコシバンムシが出てきました。

 

 

触角の先端3節が大きいのがジンサンシバンムシとのことです。

ジンサンとは朝鮮人参のことで、シバンムシは死番虫と書き、英名のdeath-watch beetleからきているようです。

食品、建材、書籍の害虫として嫌われているようだが、タバコシバンムシの顔はかわいいのですが。

 

 

こんな小さな虫なのに、この幼虫に寄生するシバンムシアリガタバチという寄生蜂もいるということなので驚きです。

 


ケヤキヒラタキクイムシ? →訂正マルムネホソヒラタムシ (ホソヒラタキスイ)

2016-02-16 00:00:00 | その他の甲虫

一昨日の暑さから一変、昨日はみぞれが降って寒くなった。

 

そして、今日も相変わらずのケヤキにいた小さな昆虫です。

さらに、相変わらず種名がはっきりせず、?付きです。

小首をかしげたこの甲虫は、見たことがなかったのですが、Mさんからヒラタキクイムシではと教えてもらいました。

 

 

ヒラタキクイムシで検索すると似たようなのがいくつか出てきますが、ほとんどが害虫駆除関連のサイトです。

なかなか、大きくてはっきりとした写真と適切な記述が出てきませんが、ケヤキにいたことや、前胸背板の丸みや、上翅の会合線の黒さなどからケヤキヒラタキクイムシではと思いましたが、いかがでしょうか。

大きさは、4mm位でした。

 

2017/1/24  訂正     登坂さんよりコメントを頂き、マルムネホソヒラタムシ (ホソヒラタキスイ)と訂正致しました。


ヨツボシテントウダマシ

2015-12-26 20:22:58 | その他の甲虫

11月に、キッチンに初めて見るカメムシがいて、このブログに載せた。

それはアオモンツノカメムシだったが、その時に「我が家のキッチンにはいろいろと虫が出現するので、これからも楽しみだ。」と書いた。

先日また現れた。

 

夕飯を食べようとしたら、何かいると妻が言うのである。

テーブルの下の床に小さな虫がいた。

5mmくらいなのでよくわからない。

とりあえず確保しておいて、その後、容器に入れて撮影した。

 

 

何しろ歩き回るのでうまく撮影できない。

初めて見る虫のようだ。

最初、ハムシかと思って検索したが見つからなくて、さらにいろいろ調べて、どうやらヨツボシテントウダマシらしいとたどりついた。

テントウダマシ科で、ハムシやテントウムシとは全く違う種類で、菌類を食べるようだ。

 

後日、公園の木製のベンチに載せて撮影したのがこれで、きれいな色をしている。

 

 

これから、どこか越冬場所を探すのだろう。

 

我が家は、結構樹木の茂った森が近くにあるとはいえ、次々と向こうから虫が入ってきてくれるのはありがたい。

踏みつける前に見つけてくれる人がいるのもありがたい。

 

 

★ 「南大沢季節便り」は、更新が滞りがちですが、久しぶりに冬至のアナレンマの記事を書いたので、興味ある方はご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 


センチコガネ

2015-11-04 10:09:39 | その他の甲虫

久しぶりの更新になります。

毎年ですが、この時期所用で北海道に行っています。

昨年は9月でしたが今年は10月なので、寒くて雪にも降られ昆虫はほとんどいなくて、わずかにカメムシくらいでした。

かわりに、マガンやヒシクイは1万羽以上の飛翔を見ることが出来た。

数日前に帰って来たのですが、家に向かって歩いていると足元に甲虫が歩いていた。

センチコガネだ。

ここでは踏みつけられてしまうので、いったん捕獲。

後日、歩道脇に置いて撮影。

 

 

オオセンチコガネとの違いがよくわからなかったのだが、調べるとセンチコガネは複眼の間の前に張り出した部分の頭楯(とうじゅん)がきれいな半円とあるので、センチコガネだと思う。

 

 

何度も飛ぼうとしていたが、10cm位しか飛べない。

もう、寒くなって力が出せないのだろうか。

 

 

 

 

 


アオドウガネ

2015-08-21 09:30:09 | その他の甲虫

玄関を出たところに、アオドウガネがいた。

暗いので連れ帰り、室内で撮影してみる。

これは、TG-3、フラッシュなしでLED照明にして、ISO400、絞りf/3.6、35mm換算60mmで撮影。

 

おとなしいので、顔のアップをTG-3の深度合成で撮影してみた。

 

 

深度合成なしでは、脚はまったくボケてしまっていた。

このアオドウガネには、似ているヤマトアオドウガネがいるようだが、識別が良くわからない。

コガネムシやカナブン、ハナムグリは、今までほとんど興味がなかったので、写真もきちんと分類していないが、一度整理してみようか?