お知らせですが、このブログ「南大沢昆虫便り」のほかに「南大沢季節便り」というブログもあり、またその上に「南大沢の自然」というホームページで展覧会案内等も載せております。
どちらも頻繁に更新しているわけではないのですが、そちらもよろしくお願いいたします。
今年の夏は、暑さが厳しかったり、虫があまりいなかったり、それに腰痛や体調不良であまり撮影に出なかった。
しかし、50mくらい離れた森から(多分)、いろいろと飛んできてくれて楽しませてくれた。
ある日、入り口の階段の隅で黒っぽい甲虫がほこりまみれでじっとしていた。
よく見るとコクワガタだが死んでいるのか動かない。
連れ帰ってほこりを取ってやるとわずかに脚を動かした。
容器に入れて昆虫ゼリーの上に乗せたが全く動かない。
それでも翌日には少し食べ始め、1週間もすると元気になって昼間は物陰に隠れ夜食事を始める。
夜部屋に入って電灯をつけると、食事中だったのが瞬間で逃げて隠れてしまう。
これだけ元気になったらいいだろうと、近くのコナラに放した。
最初じっとしていたが、ゆっくり動き始めた。
せっかくなので正面も撮ってみる。
OLYMPUS OM-D E-M1 MarkII に、60mmマクロをつけていたので、カメラ内深度合成にした。
撮影枚数は15枚まで増やせるので、最高の15枚にした。
ちなみに、最初の1枚は顔の一部だけにピントが合っていた。
今年はカブトムシもクワガタも見たのは、この1匹だけである。
伐採木も最初のうちはカミキリやゾウムシなどが見られるが、放置年月が経ってくるとコケやキノコが出てきて、それこそ何だかわからない小さな虫が見られるようになる。
そんな伐採木にいて昨日撮影した3-4mmほどのきれいな甲虫ですが、動き回り全く立ち止まらない。
もう少し拡大してみると、これは模様と色がはっきりしているので、すぐ種名が判明すると思った。
ところがいくら探しても種名にたどり着かない。
「標本画像データ」というのがあったので、「ナガクチキムシ科など」というのを順に見ていったら、18枚目に「アヤモンヒメナガクチキ」というのが出てきた。
似てはいるが何かちょっと違和感がある。
このあたりを調べていて「トウキョウムネビロオオキノコ」に行きついた。
これみたいだ。
ところが「トウキョウムネビロオオキノコ」で画像検索して、最初に出てきたのはTさんのサイトだった。
やられた。
「長池公園生き物図鑑」でも先を越されてしまった。
この時ほかの昆虫も撮りながら、何枚も写真を撮ったのだが、帰宅後よく見ると右の触角がないのがいた。
同じ個体を撮っていたとばかり思っていたのだが、短時間で触角をなくしたとは思えないので、別個体だろう。
模様もじっくり見るとわずかに違うようだ。
「ミイロムナビロオオキノコ」という似たのもいるようだ。
今日は、久しぶりに太陽をしっかりと見た。
昨日まで曇りか雨の連続でウンザリしていたが、今日は晴れはしたがあまりにも湿度が高く蒸し暑くてまたウンザリだった。
でも、晴れたから昆虫好きは続々と出てきたが、虫の方はあまり多くはなかった。
今日撮った虫でいいのがいたのだが、まだ同定できていないので、少し前の虫です。
これもずっと名前がわからなかったのですが、今日の虫を調べていたら、なぜか急に判明した。
4mmほどで、赤くて黄色の点があり、すぐに判明すると思ったのだが、なかなかわからずにいたが、キノコアカマルエンマムシだった。
エンマムシ科だが、なんとエンマムシダマシ科とエンマムシモドキ科というのもあるという。
このあたりは本当にわかりにくい。
あまり動かないので深度合成すればよかったのだが、真上からの写真はいまいちであった。
暑かったり寒かったり極端な天気が続いております。
最近諸般の事情で熱心に虫の観察をしていないのですが、今日午前中は比較的天気が良く気持ちの良い青空でした。
長い手すりをゆっくり見て行ったのだが、下草も手すりの上もなんだかキレイで何にもいない。
そんな中、唯一ぽつんと元気に歩いていたのがこれ。
不思議ですが、ツノブトホタルモドキは2月と3月以外見たことがありません。
それも、見つかるのは手すりの上だけです。
ツノブトって何のことなのか?
ホタルモドキとはなぜ?
3月過ぎるとどこにいるの?
毎年この時期になると不思議に思うが、3月を過ぎると他の虫がたくさん出てきて、この不思議さがどんどん薄れてしまって、1年後にまた同じ思いが、ということを数年繰り返している。
ちなみに過去の記事がこれらです。
今年は雪が少ないですね。
雪どころか雨も降りません。
先日も雪景色が撮れるかと思ったら、空振りでした。
もっとも、雪かきをしなくて済んだのは良かったのですが。
また、ケヤキの樹皮下の越冬昆虫ですが、1月に今まで撮影していない甲虫が一匹見つかりました。
大きさは3mm弱。
これがなかなか種名がわからず、苦労していたら、偶然それらしいのが出てきました。
いつも参考にさせてもらっている「甲虫三昧」というブログに載っていた、ハルニレキクイムシというのが似ている。
ハルニレキクイムシで画像検索してもなかなかいい写真が出てこない。
本当に小さくてさらにピントが合っているのかよくわからない写真しか撮影できない。
顔を撮りたいのだが、下を向いていてどこに目があるのかもわからない。
無理やり拡大したものがこれですが、何ともスッキリしない。
最初はホソカタムシかと思って期待したのだが、どうも違うようであった。
これは、ハルニレキクイムシでいいのだろうか?
先日、多摩センターに行った時に丸善に寄ったが、生物関係の本が充実していて、これでもかというほど本棚に並んでいる。
もちろん、売り場面積が広いので他の関係の本の種類も多い。
「ホソカタムシの誘惑」 (青木淳一著)という本を手に取って、ざっと見るとこれが面白い。
ホソカタムシというのは何となく知っていたが、詳しくはわからない。
「体長は10mmを越えるものもいるが、3mm以下が多い。体は細長く、左右の側面は平行のものが多い。色は黒や褐色で地味なものが多い。」らしい。
これなら、パソコン内の不明甲虫の中にいるかもしれないと、帰宅後チェックしてみると。出てきた。
これは、ホソカタムシの仲間ではないだろうか?
2年前の3月に朽木の中にいたのを見つけた。
これを別の木に乗せて撮影したのがこちら。
ツヤナガヒラタホソカタムシという長い名前ではないかと思うがどうでしょう。
違っていたら、ご指摘願います。
以前、ヒサゴホソカタムシというのをこのブログに載せたが、全く違うかたちである。
調べてみると、古い百科事典にはホソカタムシ科というのが載っているが、今はムキヒゲホソカタムシ科とコブゴミムシダマシ科のようだ。
何でここにゴミムシダマシが出てくるのか、不思議だが??
ツヤナガヒラタホソカタムシと、ヒサゴホソカタムシはコブゴミムシダマシ科。
さらに、ツツホソカタムシ科というのがあり、これはホソカタムシ類だったが別れて今では仲間ではないようだ。
「日本産ホソカタムシ類のチェックリスト」というのがありましたが、これが最新情報だろうか?
このあたりの甲虫はなかなかわかりにくいので、パソコン内の不明甲虫がどんどん増えていってしまう。
先日、マンションの10階の通路で、風に吹かれてクルクルと回っているものが床に落ちていた。
近づいてよく見ると、なんとクワガタムシであった。
ここまで飛んできて事切れたのか、だれかが捨てたのか定かではないが、どうしたのだろう?
肢も固まってしまっているので、なかなか表向きにできないくらいであったが、何とか撮影してみた。
写真ではかなり大きくなってしまったが、実際は3~4cmくらいだったろうか、かなり小さい。
ところで、これは何クワガタ?
クワガタにあまり詳しくないので、その場ではわからなかった。
調べてみると、ノコギリクワガタの小歯タイプのようだ。
クワガタは大きさによりあごの形がいろいろ変わり、コクワガタなどもいろいろある。
生きている時に出会いたいですね。
数日前、出かける時に入口の床に動かない虫がいた。
死んでいるのか?
コクワガタの方は生きているようだ。
しかし、相当弱っている。
右の後肢はないし、傷も多い。
あまり動かないので、TG-3の深度合成で顔を撮ってみた。
今年はクワガタ類をあまり見なかったが、今頃出会うとは!!
ここでは踏まれてしまうので、緑地の樹に移したが、昨日強風もあったのでどうなったのか?
追記 2018/6/13
最初ニセクロホシテントウゴミムシダマシと書きましたが、文章を書き換えております。その経過を最後に追加いたしましたので、よろしくお願いいたします。
今月上旬にMさん、Wさんと3人で山梨県に行ってきた。
Yさんに聞いて行った初めての場所だったが、なかなかゆっくりと虫を探せてよいところだった。
地元とはやはり違った虫も多く、初めての虫にもたくさん出会えたが、種名不明が多くなかなか写真の整理が追い付いていない。
その中に、何だろうこれはと、とりあえず1枚だけ撮ったのがあった。
ややピンボケだし、露出も悪いので少し修正してみた。
3mmくらいの小さなものでテントウムシに似ているがと思っていたが、昨日昆虫写真家の新開孝さんのブログを見ていたら、同じようなのが載っていた。
早速検索してみると、真上からの写真ばかりで横からのがないが、多分これであろう。
ところがさらに調べると、似た様なのが2種いて、クロホシテントウゴミムシダマシというのが近いみたいだ。
違いは、前胸背面の後ろ側が少し黒くなっているのは、クロホシテントウゴミムシダマシだという。
よく見るとそのように見えるので、多分クロホシテントウゴミムシダマシであろう。
それにしても長い名前だ。
「黒、星、天道、塵、虫、騙し」である。
もう少しきちんと何枚か撮影しておけばよかったと思うが、地元でもいそうなので見つけてみようと思う。
訂正 2018/06/13
新開孝さんからコメントをいただき、「甲虫図鑑を調べなおしたら、逆のようだ。」とのこと。
確かに、保育社の原色日本甲虫図鑑Ⅲでは、ニセクロホシテントウゴミムシダマシが「前胸背板は暗色部を持たず・・・」となっており、クロホシテントウゴミムシダマシが「前胸背板基方中央部は黒褐色・・・」と書かれている。
ネットで検索した時にはほとんどの記述や写真は逆であった。
しかし、1件だけ正しい記述があったが、あまりに少数派なのでこれが間違えていると思いこんでしまった。
今日あらためてみると、クロホシテントウゴミムシダマシには暗色部ありと書いたこの記事だけは「図鑑によると」と書かれており、そのほかのブログは「暗色部がないのでクロホシテントウゴミムシダマシのようだ」とあいまいに書かれている。
http://tanatyan.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/post-17c0.html
図鑑の記述が正しいとすると、間違えたネット上の記述が拡散してしまったのだろうか。
ただ、図鑑を見て気づいたのだが、この2種の写真が入れ替わっているようだ。
それが間違いのもとなのだろうか。
他の正式な記述も見たいが、「日本産ゴミムシダマシ大図鑑」や、論文が手元にないので確認のしようがない。
保育社の原色日本甲虫図鑑の記述が正しいとしてタイトルと本文を変更しました。
うーん、紛らわしい。
今月の初め、自宅近くで地面近くを飛び回る虫を見つけた。
ヒゲブトハナムグリみたいだが、いつまでも飛び回っていてとまらない。
見失わないように追っていくと地面の止まった。
触角がトナカイの角のようなヒゲブトハナムグリのオス。
この時期に現れて、メスを探すためぶんぶんと飛び回る。
近寄って撮るとすごく毛深い。
先日の多摩西部の道端観察会でも花に来ているのを見かけた。
こんな格好をしていると、後ろの脚が凄く長いのがわかる。
出てきたばかりなのか、オデコに何かつけている。
そのうちメスを探しに飛んでいくのだろう。
今日は日中、春本番の陽気となった。
一気にチョウも甲虫も出始めた感じ。
しかしながら今日紹介するのは、数日前の手すり上の3mmほどの小さな甲虫です。
これは、アリモドキ科のアカホソアリモドキのオスです。
どういうわけか、傷ついたわけではないのに上翅にくぼみがあります。
メスには、このくぼみがない。
歩き出すと早いのだが、今まで飛んだのは見たことがないので、まさか飛ぶと思わなかったが、あっという間に飛び去ってしまった。
しかしこの日は、数匹見ることができたが、すべてオスだった。
これは最初のとは別個体。
過去の写真を調べてみると、8回ほど撮影していたが、すべてオスであった。
ネットではオスの方が出会いが少ないというのも出てくるがどうしてなのか??
自分の撮影では3月と4月に集中している。
メスの写真を撮影した人のを見ると5月から6月になっている。
メスの方が遅く出てくるのだろうか?
それともたまたまそうなったのか?
まあ、それよりも、この上翅のくぼみは何のためにあるのかが知りたい???
昨日、今日と温かくなってきた。
この時期の1ヶ月くらいしか見られないのだが、昨日ツノブトホタルモドキがいた。
2月下旬から3月だけ、それも手すりの上でしか見たことがない。
5mmほどの大きさだが、どこで産卵してどこで育つのだろう。
調べてもよくわからない。
ホタルモドキ科というのがあるが、そちらではなくキスイモドキ科だという。
ツノブトというのもいまだによくわからない。
以前も同じようなツノブトホタルモドキの記事を書いていました。
https://blog.goo.ne.jp/mos314/e/59dad2a8709e7fab9966f221d398b0f6
https://blog.goo.ne.jp/mos314/e/587ff93c75d4952f95bddacca489d4b6
桜のつぼみも膨らみ、いよいよ昆虫の季節になってきた。