南大沢昆虫便り

八王子市南大沢より、昆虫に関する情報をお届けします。
昆虫の専門家ではないので、間違い等ありましたらご指摘ください。

エゾギクキンウワバ

2018-11-12 11:49:52 | 

昨日は風もなく気持ちの良い日となった。

長池公園の畑のところで、小さなセセリチョウと思われる蝶が飛んでいた。

近寄ってみると、これはセセリチョウとは違う。

どう見ても蛾のようだが。

全く止まらず、吸蜜を続けている。

 

 

止まっているように見えるが、ずっと羽ばたきはやめない。

 

 

後翅には薄くオレンジ色が入っているようにも見える。

 

 

特徴のある翅なので何とか種名がわかるだろうと思ったが、これが全く分からない。

自宅に来る蛾800種を撮影したTさんにメールで聞いたところ、即答でエゾギクキンウワバと教えてくれた。

早速調べてみると、なるほどこれだ。

しかし、ほとんどの写真が静止状態なので、これではわからない。

ちなみにTさんのブログの写真がこちらです。

http://tosakah.web.fc2.com/moth/html/n110910_010.html

 

蛾は、種類が多くてまだ歯が立たない。

ちなみにTさんも昼間活動しているところは見たことがないと言っていました。

何しろ飛んでいるところは蝶のようでした。

動画で撮れば良かったかなと思ったが、後の祭りでした。

 

昨日はメールのやり取りだけだったカミキリに詳しいIさんに、偶然出会えていろいろと話ができたことも良かった。

 

 

 

 


コスズメ(セスジスズメから訂正しました)

2018-08-29 16:57:08 | 

 

今年の夏の異常なほどの暑さも、ようやく徐々に凌ぎやすくなってきてホッとしているところです。

例年、少しでも暑さ対策をということで、ベランダに緑のカーテンを設置していますが、まあまあ効果ありですかね。

見た目も涼しげです。

東側にはゴーヤを、南側にはゴーヤとパッションフルーツで結構遮光になっています。

ゴーヤはかなり実がなって、ゴーヤチャンプルなどでずいぶん食卓に上がった。

 

昨晩、ベランダに虫がいると妻から呼ばれたので行ってみると、パッションフルーツの葉にスズメガがとまっていた。

蛾はあまり写真に撮らないのだが、向こうからやってきてくれたので早速撮影してみた。

 

フラッシュで撮影しても全くビクともしない。

マクロレンズにして大きく撮影してみる。

 

 

どうやら、セスジスズメのようだ。

コメントを頂き、コスズメに訂正いたします。(2018/9/1)

 

今年の夏は、地元では本当に虫に出会うのが少なかった。

そこで自然に更新も滞ってしまったのだが、過去の写真で作ったフォトブックから、もう一つのブログ「南大沢季節便り」には、写真を載せていた。

以前も紹介したのですが、「南大沢を歩いてみると」と題して載せていますので、興味ある方は是非ご覧いただけたらと思います。

http://minam.cocolog-nifty.com/blog/

 

 

 


キアシドクガ

2018-05-20 18:27:34 | 

今年は少ないなあと思っていたら、今日尾根緑道に行くと沢山のキアシドクガが林縁を乱舞していた。

通りかかる家族連れなどが、「白い蝶がたくさん飛んでいる」と話しながら通り過ぎて行く。

そう、飛んでいる様はどう見てもチョウみたい。

ところがこれを撮影すると木々の中に埋もれてしまうので、空抜けで撮影してみた。

 

100以上が一斉に飛んでいたのだが、動画でないとうまく表せない。

キアシドクガは漢字では黄脚毒蛾ですが、名前で損しているようだ。

あのチョウは何と聞かれて、キアシドクガというとびっくりするが、「黄色い足の毒蛾の仲間ですが、毒はありません。」と話すのだが・・・

なかなか止まらないが、葉裏に止まっていたのを撮るとやはり蛾の止まり方。

 

黄色い足がのぞいている。

 

別のだが、正面から見るとこんな感じ。

 

どうも、ここ数日で一斉に出てきたみたいで、サナギの殻がたくさん見つかる。

まだ、葉裏や塀や鉄柵の下などにサナギが残っているので、少し増えそうだが今がピークではないだろうか。

公園のトイレの壁にもたくさんあったが、ほとんどが空だった。

このサナギがまたユニークな色模様である。

 

こんなに目立って鳥などに狙われないのだろうか。

幼虫はミズキやエゴノキの葉を食べるようで、成虫はその木の周辺だろうか、あるところにまとまって飛び交っている。

この時期、成虫は数日飛び回るだけで、産卵が終わるとパタッといなくなってしまい、卵で越冬とのことである。

 

 

 

 


オオアヤシャクの幼虫

2018-04-27 11:37:40 | 

昨日、夕暮れが迫る頃、森のはずれの大きなホウノキのそばを通りかかった。

枝が一本だけ手が届くところにあるので、もしかしたらカミキリがいるかとジロジロと見ていると、それとは違ったが見たかった大きな幼虫がいた。

大きなホウノキの葉をムシャムシャと食べている。

 

 

5年前に小野路でこの幼虫のことを教えてもらい、南大沢季節便りに載せた

それ以来、南大沢で探したいと思っていたがなぜか見つからなかった。

 

この幼虫、やがて腹いっぱいになったのか移動を始めた。

 

 

そして次の瞬間、あのポーズになって休憩。

 

 

とても幼虫とは思えないとんがり帽子。

ホウノキの一部となっている。

 

よく見ると、見事に頭と脚を収納してしまっている。

 

 

いつ見ても見事である。

 

 


クロテンフユシャク その2

2018-02-16 11:53:47 | 

一昨日のブログのクロテンフユシャクですが、関連することを若干書いてみます。


このブログを書いて思い出したのは、昨年クロテンフユシャクについて興味深い話題があったことです。
 
長池公園生き物図鑑」というのがネット上にあります。

長池公園で撮影した生き物について、どなたでも投稿できる写真図鑑です。

その「勉強会」は2004年からほぼ毎月続いていますが、昨年11月は「季節性の違いによって生じる冬尺蛾の種分化」(生物時計の生態学 第9章)でした。


この内容が、クロテンフユシャクについてでした。
簡単に説明することは、私には難しいのですが、こんな内容でした。

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この本の第9章は山本哲史によるフユシャクガの種分化についてである。
この仲間は一年に一世代で冬季に成虫が出現する。
クロテンフユシャクは各地で観察されるが、11月から4月まで採集できる。
成虫の寿命が2~3週間としては異常に長い。
良く調べると最寒月の気温が0℃以上では厳冬期に成虫が現れ、それ以下だと10月頃現れて厳冬期にはいなくなり、3月頃また現れる。
つまり、寒冷地では厳寒期に活動せずに,初冬型と晩冬型に分かれる。
そして、初冬型は卵で晩冬型はサナギで厳冬期を乗り切る。
同一地点での、この二つの型の集団は成虫が出会うこともなく、遺伝的にも隔離されている。
クロテンフユシャクが属するウスバフユシャクの仲間を調べてみると、寒冷地に分布するもので初冬型が7種、晩冬型が3種あり、この仲間の祖先は過去に羽化時期の分断を経験し別種に進化した可能性が示唆される。
クロテンフユシャクも初冬型と晩冬型が冬の寒さによって種分化しつつあると考えられる。
そしてこの仮説を検証するための研究が続くのだが、ここから先は平行進化、遺伝的分化、系統地理解析等々、私には難しすぎる。

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南大沢では過去1月から2月に見られているので、厳冬期に現れ上記の寒冷地には当たらない。
しかし、寒冷地では初冬型と晩冬型に分かれて延々と繁殖しつつけてやがて種分化となるのであろうか?
何しろ、我々は一瞬しか見ていないのですからね。

内容は理解した範囲なので記述違い等ありましたらご容赦願います。

興味ある方は本(生物時計の生態学)をご覧ください。

 

こんな面白い話題を提供してくれた、生き物図鑑勉強会の木原先生に感謝です。

クロテンフユシャク

 

 


クロテンフユシャク

2018-02-14 18:37:20 | 

今日は、青空が広がって風もなく穏やかだった。

長池公園の手すりを見ていくとフユシャクがいた。

 

 

クロテンフユシャクのようだが、飛べないメスをオスが見つけたのだろう、交尾していた。

 

 

メスは、オスの翅の下に隠れるようにしている。

 

 

正面から撮ってみると、脚は愛嬌だが身体は全く見えなかった。

 

 

今年は、あまり公園や森に行かなかったせいもあるが、フユシャクが少なかったような気がする。

数年前のような乱舞しているという光景に出会わなかったのだが、それが南大沢を暫く離れていた時期だったのだろうか。

他の場所ではどうだったのだろう。

 

 

 


ニトベエダシャク

2017-11-27 21:23:07 | 

自転車置き場のコンクリートの床に、何やら最近ネットで見たような蛾がいた。

確かこの特徴のある模様だ。

 

 

近寄ってフラッシュで撮影してみる。

 

 

前からも撮影。

 

 

ちっとも動かないので、枯葉で少し動かしたら、逆さになってビクとも動かない。

近くの森から飛んできてここで息絶えたようだ。

 

最近、昆虫写真家の尾園さんの「湘南むし日記」で見た、ニトベエダシャクだった。

11月中旬に現れるとのこと。

なぜか、今まで見たことがなかった。

 

 

 

 

 


シロモンノメイガ

2017-10-11 14:56:55 | 

秋らしくなってきたかと思うと、真夏の気温になったり、変化が激しい季節である。

コスモスの咲いているところで、飛び回っているガがいた。

花にとまった。

 

 

シロモンノメイガという、開長20mmほどの小さな昼間飛ぶガである。

さらに近づいて撮影した。

 

 

よく見るとその花には先客がいた。

さあ、どうなるのか?

両者は互いに気がついているのだろうか?

しかし何のことはない、さっと飛び立ち、気ままにそこいら中を飛び回っては止まるのを繰り返していた。

 

 

山地にいるとも書かれているが、この近辺ではふつうに見られるようだ。

 

 

 

 


コナガ(小菜蛾)

2017-07-16 14:37:17 | 

蛾は、どうも苦手なのと、何しろ種類が多いのであまり撮らないのですが、今日は珍しく蛾の話題です。

小さいのですが、これが調べて驚きました。

 

我が家のキッチンでは時々虫が見つかる。

というよりは、キッチンなので、妻が「何か虫がいる。」と叫ぶことが多い。

前にも何度か書いたのだが、キッチンでの最大の収穫はコカブトムシ

 

さて、今回はスーパーで購入したキャベツを洗ったら、小さな青虫がいたというのだ。

モンシロチョウの幼虫だと思って、一応確保した。

10mm以下の小さな幼虫で、モンシロチョウなら撮影することもないだろうと、キャベツの切れ端と一緒にシャー状の容器に入れた。

ところが、翌日その幼虫がいなくなってしまった。

何と容器の天井付近に糸を引いてさなぎになったようだ。

では、何出てくるのかと何日か待っていると、10mm弱の蛾が羽化した。

 

 

 

見たことがないし、何の蛾の仲間かもわからず、虫の師匠のTさんに聞いたら、すぐにメールが来て「コナガ(小菜蛾)」と教えてくれた。

この蛾を調べるとすごいことが書かれていた。

・全世界に分布する重要害虫である。

・成長が早く暖地では10回発生以上する。

・あらゆる殺虫剤に抵抗性を獲得している。

・合成殺虫剤が導入される1940年代以前は、重要な害虫ではなかった。

 DDTなどの普及で、コナガの天敵が減ってしまったが、コナガはDDTに耐性を持つ世界初の作物害虫となった。

 

 

要するに、殺虫剤を使うほど天敵が減り、コナガの天下となる。

これで、世界的な重要害虫になったのか?

対策もいろいろととられているようだが、有機野菜や無農薬野菜ではなくても、この幼虫が入っている可能性はあるようだ。

全く知らない虫の世界が垣間見えた。

 

参考にしたのは以下のサイトです。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%8A%E3%82%AC

http://newfarm.rodaleinstitute.org/japan/features/200208/200208012Konaga/p01/SJ_konaga1.shtml

 

 

相変わらず、我が家のキッチンンは、いろいろと出てくる。

次は何だろう。

 

 

 


オオミズアオの羽化

2017-04-16 20:21:51 | 

昨日は、長池公園生き物図鑑勉強会のメンバーと相模原市緑区へ出かけた。

毎月一回活動をしているが、今回はプチ遠征。

そして山道で、こんな変な形のものを見た。

 

 

オオミズアオの羽化のようです。

6分後にはこんな状態となり、青緑色が出てきた。

 

 

翅が伸びて大きくなるまで見ることはできなかったが、あとどのくらい時間がかかるのだろうか?

 

 

 


ケンモンミドリキリガ

2016-11-10 15:40:01 | 

午前中は少し陽も出たのですが、午後から曇り空の寒い一日でした。

数日前、多摩川の帰りに寄った桜が丘公園で見た蛾です。

 

 

蛾はあまり撮影しないのですが、これはきれいです。

調べると、ケンモンミドリキリガのようで、11月に現れどこにでもいるようです。

下草にいたのですが、上に葉が重なっていたので、見やすいようにして撮影しました。

うまく隠れていました。

40mmくらいの大きさですが、ホストはチドリノキ、ヤマザクラ等と書かれています。

 

いよいよ昆虫は種類が減ってきて、フユシャクの季節到来ですね。

 


オオミズアオ

2016-08-29 11:37:49 | 

昼間の今、アブラゼミが鳴いている。

このあたりでは、夜にもアブラゼミはうるさいくらいに鳴く。

ただそれも明かりのある住宅地に近いところで、長池公園の中などは夜はほとんど鳴いていないようだ。

ところが突然、数日前から夜鳴くのはアオマツムシに変わってしまった。

いよいよ8月も終わりに近づき、秋が近づいている。

そのうえ、大型の迷走台風10号も近づいている。

 

先日、昼間も暗い清水入緑地の森に入ってみると、白く輝くオオミズアオがいた。

 

 

あまりに暗いので、フラッシュで撮影をしたが、これでは本当に夜の写真である。

 

フラッシュなしで撮影したが、手持ちなので絞りは開放にした。

 

 

ピントは眼だけにしか合っていないが、雰囲気は出た。

 

 

今年は、何度かオオミズアオを撮ることができた。

非常によく似ているが、大変少ないオナガミズアオが見たいと思っている。

今年の5月に富士山でオオミズアオを撮影したのだが、これがもしかしてオナガミズアオではないかと思って再度見てみたが、どうもオオミズアオですね。

 

 

この識別はなかなか難しいみたいです。

 

 


クロハネシロヒゲナガ? トビケラの仲間? 訂正「ミドリヒゲナガ♂」でした。

2016-04-14 10:05:27 | 

Mさんに誘われて、東京北部へプチ遠征をした。

お目当ての虫には出会えなかったが、初めてのところでありいろいろと楽しめた。

触角の長いのがいた。

 

 

 

クロハネシロヒゲナガのオスではないかと思ったが、頭の部分まで真っ黒であった。

以前撮影したのは、ここが茶色に近い色だったのだが。

 

 

画像検索でもほとんどがそうなだが、こんな真っ黒のもいるのだろうか。

なんとなく雰囲気も違う。

トビケラの仲間だろうか?

でも、こんなに触角の長いのが見つからないが、なんだろう。

水辺からは遠い、尾根にいた。

 

追記)2016/4/17

ぴたきさんよりコメントを頂き、ミドリヒゲナガ♂のようです。

ありがとうございました。


ツマキシャチホコ

2015-08-23 14:52:22 | 

毎年8月、この時期になると玄関前の階段で見ることが出来る虫がいる。

それは、まるで小さな小枝のように見える、ツマキシャチホコ。

今回見つけたのは、ちょっと隠れ方が下手で、脚が見えているので虫とわかってしまう。

OLYMPUS STYLUS TG-3 Tough

 

 

右の方の黄斑部分が、前翅の先端になるのでツマキシャチホコ。

標本のように翅を広げてとまらないので、そんな写真が撮れない。

似たのが何種かいるようだが、調べてみるとたぶんツマキシャチホコの様だ。

 

少しづつ近づいて撮影するが、逃げそうもないので深度合成でも撮ってみる。

OLYMPUS STYLUS TG-3 Tough 深度合成

 

 

なんと毛深いと言うか、モコモコしている。

 

数年前のツマキシャチホコのブログはこちらですが、やはり8月中旬に撮影していた。

 

 


獲物

2015-03-12 20:34:04 | 
だいぶ気温も上がり、春らしい陽気になってきたのだが、風は強く虫はやはり手すり上が見やすい。

何だか大きなものが動いている。







良く見るとハエトリグモが、大物の獲物をガッチリと咥えて、運んでいた。
捕えられていたのは、ハエではなくガだった。

クモは、ネコハエトリだろうか。
ガは、なんだろう。


トリミングして、拡大してみる。







クモは毛がいっぱいで、どこをどう咥えているのかよくわからない。


反対側から見ても、良くわからない。







今日は、いつものTG-3ではなく、今朝届いたミラーレス一眼デジカメで撮ってみた。
忘れかかっていた感触だが、ファインダーをのぞいてシャッターを押すと心地よい。




撮影 2015/03/12 八王子市別所  OLYMPUS OM-D E-M5 MarkII  M.ZUIKO DIGITAL ED60mm F2.8 Macro