南大沢昆虫便り

八王子市南大沢より、昆虫に関する情報をお届けします。
昆虫の専門家ではないので、間違い等ありましたらご指摘ください。

サナエトンボと鉄格子の向こうの関係

2018-06-05 11:17:42 | トンボ

先月の寺家観察会でのことである。

むじな池から流れ出るコンクリート3面で、上に鉄格子状の蓋がついている水路のところで、「トンボがいる」とKOさんが教えてくれた。

「どこに?」と見ると、その水路の鉄格子のなかを飛び回っている。

そして、檻の中から外界へ出ようとしているようだ。

 

 

トンボにとっては大きな格子なので出ようと思えばすぐ出られそう。

ところが、飛び回っては止まりを繰り返し、なかなか出てこない。

 

 

ヤマサナエのようだが、トンボにしてはやや大きめであるが、この中で羽化したのだろうか。

ここで、グイっと歩けば簡単に出られそうなのだが。

手すりの下の水路なので1m以上あり、手が届かないので草を入れてつかまえさせて引き抜こうとしたら、一瞬つかむのだがゆっくり引き上げると脚をはなしてしまう。

 

翅を広げても閉じても格子にぶつかるので無理やりで出たくはないようだ。

イトトンボのように体に沿って翅をたためれば出るのかもしれない。

ちょっとでも翅を痛めたくないように思える。

やはりトンボにとって翅を痛めることは絶対にやりたくないようだ。

確認はできなかったのだが、たぶん水路を下流に何mかトンネル状のところを飛べば開放の出口があるようなので、そちらから出られると思いそこを離れた。

その時観察会のメンバーははるか先に行っていたので、二人で追いかけたが、その後のヤマサナエがちょっと気になった。

 

 


オツネントンボ

2017-09-27 12:36:53 | トンボ

今年も3週間ほど所用で北海道へ行っていた。

着いてすぐに庭へ行くと、昨年同様オツネントンボがいた。

水辺から遠いのに、なぜここの庭を見つけるのか不思議であるが、毎年この時期にいる。

それも庭の片隅の同じところに。

 

 

オツネントンボはホソミオツネントンボの未成熟と同じような色をしていますが、こちらは前翅と後翅の縁紋がずれていて、全体の模様も若干違います。

 

 

今年は3頭いたのですが、警戒心が強くどうしても手乗りにはなりませんでした。

昨年は毎日手に乗って来るフレンドリーなオツネントンボだったのだが。

代わりに手に乗ってくれたのはノシメトンボだった。

 

 

iPadを持っていたので、ブログの更新もできたのですが、画質が落ちるのと思うようにレタッチできないので、帰宅後となりました。

OLYMPUS OM-D E-M1 MarkIIだと、wifiで簡単にiPadに送れるのはとても良いのですが、その際のフル画質転送がうまくいきませんでした。

まあ、そんなわけでFacebookには簡単に載せたので、同じのをご覧になった方もいると思いますがお許しを。

 

 


アジアイトトンボ

2017-07-28 09:47:16 | トンボ

学校は夏休みに入り、いよいよ夏本番。

 

我が家の周りでもセミが騒がしく泣いている。

アブラゼミが一番多く、次いでヒグラシで、時々ミンミンゼミが鳴いている。

そして今日は、クマゼミの声が初めて聞こえた。

 

昨日はやや涼しかったので、久しぶりに長池公園に行ってみた。

田んぼでイトトンボを探したが少ない。

先行の人が一頭見つけていた。

 

 

撮らせてもらう。

アジアイトトンボかなあと思うが、何しろ小さくてよく見えない。

真上からも撮る。

 

 

結構ちょこちょこと飛ぶが遠くへは行かない。

久しぶりに手乗りにしてみようかとそっと手を出すと、シャツの袖に乗ってしまった。

 

 

またすぐに飛んで近くの草にとまる。

再挑戦すると、指に乗ってきた。

 

 

この一頭しか見かけなかったが、楽しませてくれた。

 

 

 


モートンイトトンボ

2017-06-16 20:13:42 | トンボ

今年はモートンイトトンボがたいへん少なく、どうしたのかと思っていたが、やっと数頭見られるようになってきた。

しかし、少ない。

♂3頭、♀2頭確認されただけである。

これで来年も見られるのだろうか。

 

田植え前だと見つけやすいのだが、もう田植えも終わって、田んぼの中心にいると遠いので見つけにくい。

何しろ小さくて細いので。

 

この写真の真ん中にいる、細い一本のオレンジの横棒みたいのがモートンイトトンボの未成熟な♀です。

 

 

接写したのはこんな感じです。

 

 

オスが、この中央付近に2頭います。

 

 

オスの成熟個体は、尾の先端がオレンジ色で目立ちます。

 

 

こんな色合いのイトトンボはなかなかいない。

 

 

今年は冬の田んぼの水が一時期なくなってしまったが、これがモートンイトトンボの少ない原因なのだろうか?

本当のところはよくわからない。

来年も見られるといいのだが。

 

 

 


ヨツボシトンボ

2017-06-09 15:26:06 | トンボ

先日の、5人で長池公園観察会でのことである。

 

昼食を水車小屋の近くでとっていたら、公園の手入れをしていたGさんが、「ヨツボシトンボが来たよ。」と教えに来てくれた。

早速トンボ池に行くと、池の上に出た小さなジャヤナギの枝にとまっていた。

 

 

飛んではまた戻ってくる。

 

 

下側からも狙ってみた。

 

 

いつ以来だろう、ここでヨツボシトンボを見るのは。

調べてみると、自分で撮ったのは、2010年だったから7年ぶりである。

寺沢や、上小山田の方から飛んでくるのだろうか?

「日本のトンボ」では、関東地方では減っていると書かれたいたが、今後どうなるのだろう。

 

 

OLYMPUS OM-D E-M1 MarkII

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO + M.ZUIKO DIGITAL 1.4x Teleconverter MC-14

 


アオモンイトトンボ

2017-05-28 22:40:27 | トンボ

数日前からホトトギスの声が聞こえるようになってきた。

最初は夜中の3時に鳴いているのが聞こえ、昨日からは朝方聞こえるようになった。

卯の花の咲くころになると渡ってくる。

 

長池公園の築池ではクロイトトンボが飛び交っていて、オス同士でバトルを繰り返していたが、よく見ると違う種類のがいた。

それはアオモンイトトンボで、こちらの方が少し大きいので強いのかな?

 

 

 

 

今日は、クロスジギンヤンマやオオヤマトンボも見かけた。

今度はそれらの飛翔に挑戦しよう。

 

実はトンボの飛翔写真のノウハウを、金曜の夜池袋ジュンク堂書店での尾園暁さんと田中博さんのトークイベント「超拡大で虫を撮る・トンボの飛翔写真の撮影法」で、聞いたので実践しなくては。

 

 

この日は、超拡大撮影についても自分にとっては大変参考になる話も聞け、また久しぶりの方に何人もお会いしたのも嬉しかった。

 

 

 

 

 


ホソミイトトンボ

2017-05-25 12:03:36 | トンボ

先日のアオバセセリを撮影した時に、トンボも沢山撮影できた。

見事な青色のホソミイトトンボもいた。

 

 

 

 

食事中のホソミイトトンボもいた。

 

 

何を食べているのだろうか?

初夏の陽を浴びて、青色が鮮やかであった。

 

5年ほど前に作った小さな人工池だと思うが、山間部にあると、あっという間にトンボの楽園になるようだ。

 

 

 

 

 


今年もアオサナエ

2017-05-16 21:16:45 | トンボ

5年前に突然現れてビックリしたのですが、その後毎年現れてくれるアオサナエです。

 

 

標本写真のように真上から全体にピントを合わせたかったのですが、あと少しで飛ばれたしまったので、やや後方からです。

尾の先端はピントがぼけていますね。

 

でも真上から見ると美しい。

拡大してみました。

 

 

今日のアオサナエはなかなか近寄らせてくれません。

最初は遠くから、徐々に近づきます。

 

 

数年前に撮影したのはワイドレンズでここまで近寄らせてくれて、これは気に入った写真で、写真展の案内状に使いました。

 

 

そして、昨年は見事な逆立ちが撮れました。

 

 

今年も暑い日には、こんな姿を見せてくれるでしょうか。

 

そして、今年の課題はアオサナエの飛翔ですが、これは別途載せたいと思います。

 

 


コサナエ

2017-04-28 07:21:33 | トンボ

毎年、ゴールデンウイークの前にコサナエが現れる。

昨日の昼頃見に行くと全くいない。

今年は遅れているのか? でもそんなことはないはず? と思っていると輝く翅をひらひらとさせて弱々しく飛んで柳にとまったトンボがいた。

さらにもう一匹。

この中に2匹いますがわかるでしょうか?

 

 

飛ばなかったら、見つけられなかったかもしれない。

60mmマクロでは近寄ってもこのくらいなので、40-150mmに変えて撮影した。(トリミングしています。)

 

 

翅がいかにも先ほど羽化しましたといった感じである。

水辺に近づけなくなってしまったので、羽化しているところや羽化殻は見つけられなかった。

これから、コサナエだけでなく次々とトンボが見られるでしょう。

 

 


365日 トンボ

2017-04-02 11:43:05 | トンボ

今日のトンボは与那国島のアオナガイトトンボの♂で、明日は♀です。

 

 

 

実はこれ、365日違ったトンボが載っているカレンダーです。

こんなカレンダー初めて見た。

 

知り合いのKさんから頂いた堀場製作所のもので、日本に365種もいるのかと思ったら、♂♀の違いや外国産も含まれていました。

監修・協力は、杉村光俊/公益社団法人 トンボと自然を考える会 となっておりました。

 

 

 

 

ちなみに4月はこんな具合です。

 

大きさは数字では書いてあるが、写真はバラバラで、イトトンボの方がヤンマより大きかったりするのでエッと思ってしまう。

はみ出しても、実物大だと面白いのに。

 

 

これだとチョウもできそうですね。

でもゾウムシとなると、カレンダーとして掛けてくれるかが問題となりますね。

 

 

 


新宿で写真展を見る

2017-03-10 17:07:48 | トンボ

新宿へ月に数回行くが、昨日はその日であった。

そんな時には、まとめて行きたいところに行ったり、用事をまとめてすまそうとするのだが、午前中は写真展を二つ見た。

朝一番で、田中博写真展「東京トンボ日記」を、新宿御苑前駅近くのシリウスへ見に行った。

田中さんは、オリンパスカメラの使い方やトンボの撮り方をいろいろと教えてもらっている方です。

 

 

田中さんは過去にもトンボの写真展を何度か行い、ホームページでも発表しているが、ここ数年かけて撮影した、東京にいるトンボを望遠レンズで、広角レンズでたくみに撮影した素晴らしい写真展でした。

 

 

フィッシュアイ系で撮影した風景や遠くの人物が入っている写真が、東京のトンボという意味で、いいなあと思いましたね。

プリントも素晴らしい出来ですし、図録も素晴らしい出来です。

こういうのを見ると大変だが、また写真展をしたくなって来た。

日曜日は休みで、15日(水)までです。

場所はこちらです。→クリック

写真は、お断りして撮影しました。

 

 

そして、帰りに新宿御苑の入り口の「新宿御苑インフォメーションセンター」のところを通りかかると、こんな看板があった。

 

何気なく入ってみると、これがまたナキウサギの素晴らしい写真がいっぱいでした。

 

ナキウサギふぁんくらぶという団体の女性陣が行っているようで、知らないことをたくさん教えてもらいました。

北海道には毎年行っているのですが、ナキウサギは見た事がないのでぜひ見てみたい。

 

こちらは12日(日)までです。

どちらも入場は無料です。


オオアオイトトンボ

2016-11-23 17:00:54 | トンボ

今回も、先日の井の頭公園の観察会で撮影した昆虫です。

オオアオイトトンボが何頭も水辺で飛んでいた。

飛ぶとわかるが、とまっていると見つけにくい。

 

 

後ろにはカマキリの卵が写り込んでいた。

もう少しわかりやすいところにとまっている♀がいた。

 

 

更にわかりやすいところで、木製の柵にとまった。

 

こちらは♂。

 

似たのに、アオイトトンボがいる。

この違いは、だいぶ以前に南大沢季節便りに載せていた。 →クリック

 


フレンドリーなオツネントンボ

2016-09-22 17:25:14 | トンボ

ずいぶん久しぶりの書き込みになりますが、その間訪問していただいた方、申し訳ありませんでした。

昨年に続いて、所用で3週間ほど北海道で過ごしていました。

ご存知のように、今年は台風が猛威を振るって、北海道でも農業や水産業で大変な被害となり、道路や鉄道の被害も非常に大きいものです。

カメラは持って行ったのですが、虫は少なく種類はあまり撮れませんでした。

遠出することもあまりできなかったのですが、それでもそれなりに楽しめました。

庭の花はコスモスやキクなどは残っていましたが、ほとんど終わっていました。

 

 

そんな中で、9月8日にこの数m四方の庭の一角で、オツネントンボ数頭とアジアイトトンボ1頭を見つけました。

近くに川や池のない住宅地の中にいたオツネントンボです。

 

 

次の日にもオツネントンボ1頭はいましたが、あとは見つかりませんでした。

 

 

このオツネントンボを何枚か撮影した後、そっと指を近づけると、なんと乗ってきました。

 

 

手乗りオツネントンボは初めてです。

その後しばらく見なかったのですが、9月14日にも1頭だけ見つかりました。

 

 

そして9月16日にも1頭いました。

 

 

これらは、たぶん同じ個体ではないだろうかと思うのですが、確証はありません。

100%ではないのですが、指を近づけると乗ってきます。

気分が悪いときかどうかわかりませんが、プイと逃げてしまう時もたまにあるのですが、だいたい指に乗る。

 

 

別に餌をやるわけではないのだけど、慣れたのだろうか。

野良猫に餌をやると慣れるというのはあるかもしれないが、昆虫でもわかるのだろうか。

まあ、誰がやっても、指に乗るのかどうかは分からないが。

だんだんカメラにも慣れてきて、最大にレンズを近づけて正面からも撮影してみた。

 

 

以前カマキリの顔を撮ったが、同じように3個の単眼が3方向に向いていた。

これから、北海道の厳しい寒さの雪の中を、どこで越冬するのだろうか?

 

 


チョウトンボの翅

2016-07-22 10:55:59 | トンボ

オオモノサシトンボがいたところでは、ハスの花の上をチョウトンボがたくさん飛んでいた。

とても元気が良く、何頭かでバトルをしているし、とまってもすぐに飛び去ってしまうほどだった。

遠いので、150mmズームで撮影してこのくらいにしか撮れない。

 

 

近くにとまったので、近づいて撮ろうとちょっと動くとさっと逃げられてしまう。

しばらくすると、おとなしいのを見つけた。

 

 

これは、全く動かない。

死んでいるのかと思ったがそうではないみたいだ。

トンボの師匠のTさんによると、眠っているのではないかとのこと。

青から紫に変化しているあたりをマクロレンズで撮影して、さらにトリミングしてみた。

 

 

 

微妙に、色が変わったり、凹凸がある。

 

トンボの翅は、究極の羽根のようで、風力発電のプロペラなどで応用できないか研究されているようである。

微妙な凹凸は飛ぶときに空気の小さな渦を作り、トンボの翅に空気が粘性によりまとわりつくのを防いでいるとか。

また、以前トンボの観察会で聞いた話だが、(簡単なメモをとったのですが、間違っていたらご指摘ください) 縁紋は翅の根元の揺れと先端の揺れを調整する重しであるとか。

結節というところは、羽先のブレと根元のブレを調整しているとか。

トンボの飛び方、それにトンボの翅はいつもすごいなと感心しています。

まあ何億年前からトンボの仲間はいたそうですから、気の遠くなるような年月で作り上げたのでしょう。

 

 

 

 

 


オオモノサシトンボ

2016-07-17 14:32:22 | トンボ

長池公園生き物図鑑勉強会を毎月行っているが、今月は郊外への観察会を昨日行った。

梅雨の時期で雨を心配したが、少し晴れ間もあり、それほど暑くない観察日和であった。

3連休の初日ではあるが、道路はそれほど混んでいなかったのは幸いである。

今回は都合悪い人が多く、参加は3人と大変ゆったりとしたもので、オオモノサシトンボを探しにTさんに案内してもらった。

オオモノサシトンボは絶滅危惧種で関東と新潟県、宮城県とその他若干の地域にわずかに生息しているという。

 

そこは、アシやガマがびっしり生えている小さな湿地であった。

着くとあっさりとTさんが見つけてくれた。

 

 

おー、これですか。

このオスは、モノサシトンボに比べてやや大きく、真っ黒に見えた。

 

 

モノサシトンボのオスは腹部第8節まで黒いが、このオオモノサシトンボのオスは腹部第9節まで黒く第10節も一部黒い。

白色の部分が、ほんの先端だけである。

 

正面顔も撮影してみた。

 

 

モノサシトンボの顔の形だが、微妙に違う。

 

未成熟なメスもいた。

 

 

メスは成熟しても、足の一部が白くはならないそうだ。

この日は、なかなかじっとしていなくて、ちょっとこちらが動いただけで、スーと遠くへ移動してしまい、なかなか撮影させてくれなかった。

他の場所に行って、もう一度撮影しようと昼頃戻ってくると、なんと一頭も見つけることができなかった。

 

その後車で40分ほど移動して、別の絶滅危惧種のイトトンボを探しに行ったが、残念ながらどうしても見つけることができなかった。

 

しかしながら、たくさんのチョウトンボや、アジアイトトンボ、ハグロトンボ、ギンヤンマ等々の良い写真が撮れて、大変楽しい観察会になった。

Tさん、Kさん、久しぶりの楽しいトンボ観察会をありがとうございました。