1 発達段階が初期の子
ことばがあまりない、もしくは自閉的な傾向があり、オウム返しになってしまう子
ども達がいる。「太田ステージ」でいうと、ステージⅡからⅢの子ども達である。発
達年齢的には1歳半から3歳程度である。
この段階の子ども達には、絵本の読み聞かせからクイズを出していくのがよい。絵
を見せ、楽しいお話をしながらそのお話の中の動物、食べ物、出てくる数などを聞く
のである。次に、どのような絵本がよいかである。
【イラスト・絵は極めてシンプル】
これが見せる絵本の条件となる。発達段階の初期の子、また、自閉的傾向のある子
は視覚的な情報に惹きつけられるが、その情報の整理は極めて苦手である。ぐじゃぐ
じゃした絵、込みいったカラフルすぎる絵はそれだけで混乱を招く。少し小さい子向
けのものになってしまうが、「ミッフィーシリーズ」「ノンタンシリーズ」は余計な
情報が背景に少なく、惹きつけやすい。
「さつまのおいも」「えんそくバス」という絵本冊子もヒットした。
2 「えんそくバス」実践例
絵本を読む。そして、バスに揺られて左右に動いたり、がたがた道で上下に弾んだ
りするところは一緒に体を動かす。模倣の動きも入れながら絵本に引き込んでいく。
そして、場面に応じてクイズである。
「どんなおやつがでてきたかな?」
「どのおやつがすきですか?」
「どれをもっていきたいですか?」
「おやつはいくつでてきましたか?」
子ども達の状態に応じて、絵本の場面を隠して質問してもいいし、見せながら質問
してもいい。一緒に数えながらでもいい。要は子ども達に、「思考」させ、「できた
」という思いを持たせれば成功である。
3 日常の会話ができる段階の子
ことばの数が増え、日常の会話ができるようになってきた段階の子ども達は、「太
田ステージ」でいえば、ⅢからⅣの段階である。発達年齢的には3歳以上である。こ
の段階になると、物と物との関係性がつかめてきて、状況設定をある程度理解できる
ようになっている。発達障がいがある場合やはり視覚的な支援は外せない。この段階
を越えれば複雑な見せ方や、ことばの問いかけが可能である。クイズの形式ややり方
はかなり幅広く使えるようになる。
次にあげるようなクイズが有効となってくる。
4 様々な授業開きクイズ
(1) 部分を見せて動物クイズ
①動物の絵、または教科書の絵とB5程度の画用紙を用意する。
②絵を画用紙で描くし、「何が隠れているでしょう.分かった人は素早く答えてくださ
い。」といって少しずつ見せる。
③絵を教師の背中や机の下に見えないように隠しておいて、さっと見せて隠し、「な
んでしょう?」と聞く。
※ この見せる絵は友達や教師の写真にして当ててもおもしろい。
(2) パワーポイント映像クイズ
動物、乗り物や食べ物など、パワーポイントで輪郭を見せ、考えるクイズも楽しく
惹きつけることができる。
「今から乗り物が出てきます。分かったら手を上げてください。」
といって次の映像を順に出す。
順番にヒントが見えてくるので、子ども達はかなり惹きつけられる。最後の答えに
写真を見せるときには、大いにじらす。出てきたときには歓声が上がる。
(3) ☆本を使ったクイズ
特別支援学校で使われる教科書に☆本という物がある。☆一つが小学部一・二年生
☆二つが三・四年生、☆三つが五・六年生でつける力の目安になっているが、実際は
様々な発達の段階に応じて扱われる。
この☆本の中にも様々な目を引くイラスト、ストーリー性のある数枚の絵などが含
まれている。見て考えたり、パワーポイント画像に貼り付けて、大きく写してみんな
でクイズを楽しんだりすることもできる。
①こくご☆・シルエットクイズ
特別支援が必要な子の認識は不確かなことが多い。形の特徴と実物が合っていない
ことがある。たとえば、牛のシルエットに対して、ある子は「うま」、ある子は「や
ぎ」と答えた。次のページで正しい動物が現れる。そこで特徴を確認すると、新しい
情報が正しく蓄積されることとなる。
②こくご☆☆・これなあにクイズ
正しい答えのイラストが次ページの同じ位置にある。見比べながら、足はいくつあ
るか、羽はいくつあるかなど、生き物の特徴を学ぶことができる。誤学習しているこ
とを正しく修正できる。
③こくご☆☆☆・誰が出てきたクイズ
「出てきた動物は?」という問いかけから、答えをイラストで確認できる。
シンプルではっきりとしたイラストなど、視覚的手がかりがしっかりしている。そ
のことが、特別支援が必要な子ども達の知的な好奇心をかき立て、正しい知識の蓄積
につながるのである。
ことばがあまりない、もしくは自閉的な傾向があり、オウム返しになってしまう子
ども達がいる。「太田ステージ」でいうと、ステージⅡからⅢの子ども達である。発
達年齢的には1歳半から3歳程度である。
この段階の子ども達には、絵本の読み聞かせからクイズを出していくのがよい。絵
を見せ、楽しいお話をしながらそのお話の中の動物、食べ物、出てくる数などを聞く
のである。次に、どのような絵本がよいかである。
【イラスト・絵は極めてシンプル】
これが見せる絵本の条件となる。発達段階の初期の子、また、自閉的傾向のある子
は視覚的な情報に惹きつけられるが、その情報の整理は極めて苦手である。ぐじゃぐ
じゃした絵、込みいったカラフルすぎる絵はそれだけで混乱を招く。少し小さい子向
けのものになってしまうが、「ミッフィーシリーズ」「ノンタンシリーズ」は余計な
情報が背景に少なく、惹きつけやすい。
「さつまのおいも」「えんそくバス」という絵本冊子もヒットした。
2 「えんそくバス」実践例
絵本を読む。そして、バスに揺られて左右に動いたり、がたがた道で上下に弾んだ
りするところは一緒に体を動かす。模倣の動きも入れながら絵本に引き込んでいく。
そして、場面に応じてクイズである。
「どんなおやつがでてきたかな?」
「どのおやつがすきですか?」
「どれをもっていきたいですか?」
「おやつはいくつでてきましたか?」
子ども達の状態に応じて、絵本の場面を隠して質問してもいいし、見せながら質問
してもいい。一緒に数えながらでもいい。要は子ども達に、「思考」させ、「できた
」という思いを持たせれば成功である。
3 日常の会話ができる段階の子
ことばの数が増え、日常の会話ができるようになってきた段階の子ども達は、「太
田ステージ」でいえば、ⅢからⅣの段階である。発達年齢的には3歳以上である。こ
の段階になると、物と物との関係性がつかめてきて、状況設定をある程度理解できる
ようになっている。発達障がいがある場合やはり視覚的な支援は外せない。この段階
を越えれば複雑な見せ方や、ことばの問いかけが可能である。クイズの形式ややり方
はかなり幅広く使えるようになる。
次にあげるようなクイズが有効となってくる。
4 様々な授業開きクイズ
(1) 部分を見せて動物クイズ
①動物の絵、または教科書の絵とB5程度の画用紙を用意する。
②絵を画用紙で描くし、「何が隠れているでしょう.分かった人は素早く答えてくださ
い。」といって少しずつ見せる。
③絵を教師の背中や机の下に見えないように隠しておいて、さっと見せて隠し、「な
んでしょう?」と聞く。
※ この見せる絵は友達や教師の写真にして当ててもおもしろい。
(2) パワーポイント映像クイズ
動物、乗り物や食べ物など、パワーポイントで輪郭を見せ、考えるクイズも楽しく
惹きつけることができる。
「今から乗り物が出てきます。分かったら手を上げてください。」
といって次の映像を順に出す。
順番にヒントが見えてくるので、子ども達はかなり惹きつけられる。最後の答えに
写真を見せるときには、大いにじらす。出てきたときには歓声が上がる。
(3) ☆本を使ったクイズ
特別支援学校で使われる教科書に☆本という物がある。☆一つが小学部一・二年生
☆二つが三・四年生、☆三つが五・六年生でつける力の目安になっているが、実際は
様々な発達の段階に応じて扱われる。
この☆本の中にも様々な目を引くイラスト、ストーリー性のある数枚の絵などが含
まれている。見て考えたり、パワーポイント画像に貼り付けて、大きく写してみんな
でクイズを楽しんだりすることもできる。
①こくご☆・シルエットクイズ
特別支援が必要な子の認識は不確かなことが多い。形の特徴と実物が合っていない
ことがある。たとえば、牛のシルエットに対して、ある子は「うま」、ある子は「や
ぎ」と答えた。次のページで正しい動物が現れる。そこで特徴を確認すると、新しい
情報が正しく蓄積されることとなる。
②こくご☆☆・これなあにクイズ
正しい答えのイラストが次ページの同じ位置にある。見比べながら、足はいくつあ
るか、羽はいくつあるかなど、生き物の特徴を学ぶことができる。誤学習しているこ
とを正しく修正できる。
③こくご☆☆☆・誰が出てきたクイズ
「出てきた動物は?」という問いかけから、答えをイラストで確認できる。
シンプルではっきりとしたイラストなど、視覚的手がかりがしっかりしている。そ
のことが、特別支援が必要な子ども達の知的な好奇心をかき立て、正しい知識の蓄積
につながるのである。