思う・学ぶ・発達支援 心のケア サイト

特別支援教育の実践情報など。また,日々の喜びを見つけ、よくする手立てはないか考える、成長・教育のサイトです。

様々な幼児の様子から

2019年03月17日 | 教育
○3月生まれで体が小さく,まだ3歳の発達を乗り切っていない様子の子。

→成長を見守る。徐々に理解が進み,聞き分けの力もついてくる。

○所持物の始末が苦手。遊びで順番が待てない。

→所持物に関しては,初め,一個一個を一緒にやってほめながら身に付けさせて
 いけるとよい。たくさんあるようなら,一つに絞ってきちんとできるようにす
 ると,他ものもできるようになる。いっぺんにやろうとすると混乱する。

→順番に関してはメモや付箋などで,1給食袋を掛ける2タオルをかける3鞄を
 しまうなど手順を示しておけるとよい。タイマーで,「何分でできるか挑戦!」
 とがんばってみるのもよい。

○友達のものを取ったり,友だちをたたいたりする。

→世話好きでやりすぎてしまうところがある。やりたい気持ちをその場に合った
 適切なやり方で行えるよう,一緒にやったり,お話して身に付けられるとよさ
 を伸ばすことができる。

○集団の指示が理解できない。一人で遊んでいることが多い。

→他の子から,「叩かれた,悪口を言われた」と苦情が出ている。先生の話はよ
 く聞き,素早く反応するところがあるので,先生の目の離れたところでやって
 しまう恐れがある。寂しさも感じられるので,声をよくかけてあげるようにする。

○名前を呼んでも返事をしない。農機具にすごく興味がある。農機具を上手に描く。

→夢中になる傾向がある程度。全体に話した後,個別に声をかける支援で大丈夫。

○友だちと少しぶつかっただけで,「何ぶつかるんだ!」と怒る。一人が多い。
 理路整然と話す。

→自分の好きなように行動する傾向が強い。ややイライラした気持ちを抱えている。
 よいことと悪いことはきちんと伝えるようにする。悪いことをしたときには素早く
 きちんと伝えてすぐ終わりにし,よいことをしたときには,強烈にほめる。

→場合によっては考えるイスを使うことも必要。
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全体の指示が入りにくく,話の理解も困難な様子を見せる幼児

2019年03月16日 | 教育
園で対応していけるとよいこと

・全体に話をした後,内容を理解していないことが予想されるので個別に伝える。
・できなかったときには叱るよりも具体的なやり方を教えてできたらほめる。
・境界知能の子はクラスに14%程度いる。2~3人は在籍しているということ
 になるので,その木立も含めて分かりやすい環境作りが必要。
・発達障害のある子や知的障害のある子はワーキングメモリー(作業記憶)が少
 ない。5歳になると通常5つ程度のことは話を聞いてわかるが,それが,1つ
 か2つになってしまう。
 「手を石鹸で洗ってタオルで拭いたら着席して待ちなさい。全員そろったらお
 やつを食べますよ」といった場合を考える。そこには
 ・石鹸を使う
 ・手を洗う
 ・タオルで拭く
 ・着席する
 ・おやつを食べる
 といった5つの短期記憶(さらに細かくすればそれ以上)が必要となる。
・発達障害があると,「おやつを食べる」という最後の言葉だけが残ってしまい,
 「おやつはどこ?」などと言ってしまう。
・全員に指示した後,まごついたり,最後の言葉だけ記憶していっているようなら,
 「最初は手を石鹸で洗います」と個別に指示することが必要である。
・飛び出したり,落ち着かず動きまわる子は感覚統合の面からみるとブランコやバ
 ランスボールなどで揺れ刺激を脳に与えていくのもよい。
・「長縄はどうですか?」という質問に,脳に縦の揺れ刺激を与えながら跳ぶとい
 う調整力はとても良いのではないかと話した。

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両親が忙しい幼児

2019年03月14日 | 教育
○ いつも眠そうにして,ボーっとしてしまうことが多い幼児について
(両親が仕事で忙しい。朝送りの父は自営業で,登園時間はばらばらである。)

【様子】

・日によって,「ねむい」とぐずりながら登園でなかなか生活のリズムに乗ること
 ができない。
・帰りの時間になってふらふらと遊び始めてしまう。
・一人遊びが多く,戸外では砂遊びが好き。
・時々切り替えが悪く,次の活動に移れないときがある。

【対応】

・声をかけるが,あまり眠そうなときには少し時間をおいてから所持品の始末を
 するように促す。
・集合の際,なかなかあつまれないときには椅子をおいて,「集合の時間は椅子
 に座る時間」と伝え,ふらつかないようにさせている。

【今後】

・睡眠時間がどうなっているか確かめ,必要に応じて園に来てから少し休むこと
 も必要ではないか。
・集団ゲームをしている様子を見たときには,友だちと元気に仲良く行っていた。
 見通しが持て,楽しいことは集中力が高まるようである。登園の経験が少なく,
 活動が分からない場面が予想されるので,全体に話した後,分かっているか個
 別に確認する必要がある。

○ その他の発達障害の診断を受けている幼児について

・指導場面を見ると,聴覚的な指示が多い。話に注目できない,集団にのれない
 子が増えている現状もあるので,視覚的な手段を使っての指示も多く行ってほ
 しい。 
・小学校の特別支援学級では授業の流れをカードで示したり,写真やイラストを
 多く用いたりしている。通常学級でも,どの子にも分かりやすい指示が必要と
 なってきている。
・ゲームをするときにはやり方のモデルを見せてやることをイメージさせた方が
 よい。
・遅れがちな子がいたときには,全体に指示をした後,その子に対して個別に指
 示が必要。
・全員の注目をいかにあげていくかが,出歩いたり,集中の続かなかったりする
 子にとって重要となる。

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自分勝手な行動への対応(園・幼児)

2019年03月13日 | 教育
1 様子

・前回相談した後,保育経験の長いベテランA保育士がマンツーマンで付いた。

・他の子を砂場から追い出してしまうなどあったが,A保育士に注意を受け,
 素直に話していた。

・前回来たときにはとにかくふらついてしまう行動が目立ったが,集団行動に
 合わせて活動する場面が増えていた。プール学習では,プールサイドに座って
 みんなと話を聞くことができていた。

・給食の時にお代わりをすぐにしたくて待てなかったが,お代わりができる時間の
 時計の絵を描いて,「同じ形になったらいいよ」と話すと,待つことができるよ
 うになった。

・困ったとき,イライラしたときには,ベランダの木の下に行ったり,小部屋に行
 ったりすることで,落ち着けるようになった。

・掃除でほうきを担当したとき,ほうきが4本しかなく,5人いて自分の分がなか
 った際,「終わったら貸して」と友だちに言って,壁で待つことができた。

・給食の後,隣のクラスが読み聞かせをしているところへ入っていって,座って聞
 き始めたが,A保育士が呼びに来て目が合うと,自分からすっと立って戻った。

2 2回目の相談

・前回来たときと比べると,格段に自分のコントロール力が付いている。以前は自
 分の欲しいもの,やりたいことにしか目が行かなかったが,A保育士がマンツー
 マンで付き,大人の目が向くようになり,友だちにも声がかけられるようになっ
 た。成長したのではないかと話した。(物→大人→友達へと広がり)

・時計の絵を提示して時間を守れたことや,プールサイドで待つ場所がはっきりし
 ていて分かりやすかった様子など見ると,身振りなどもまじえて本人に分かりや
 すいやり方や動き方を示したり,どの位置に移動すればよいか目印をつけたり,
 指さしたり,具体的に教えていけば,きちんと行動できる場面が増えるのではな
 いかと話した。

3 その他の相談


・自分勝手に行動してしまう4歳児の双子のことについても相談を受けた。やはり,
 前回来たときに比べると着席行動など随分身に付いていた。

・できている行動が消えないよう,きちんと認めてほめることが大切だと話した。

・一人の子が「給食を片付けない」と言って30分近く先生とやり取りをしていた。
 きっかけは,その子がトトロの絵本を読もうとしたとき,「今は給食中だからダメ」
 と取り上げたことだった。

→①うける
 ②正しい行動を教える
 ③ほめる

という手順で,

 ①「トトロの絵本見たいんだね」と見たい気持ちは受け止め,
 ②「給食の後読んであげるから今は座ろうか」
 などと誘い,
 ③やめればすかさずほめる,座ればさらにほめる


という具合に問題行動の始まるきっかけの所でうまく処理できるとよいと話した。

・プールの後やトイレの後に服や下着を付けることを途中で忘れてしまう子についても
 相談を受けた。

→やることを忘れて他に注意を奪われやすいので,その際やってあげるのではなく,そ
 のときすることを,肩をたたいたり下着を見せたりして気付かせて,始めれば誉める
 という指導を提案した。


・意欲なく寝転んでしまうこの相談を受けた。

→次回観察の上相談ということになったが,様子を聞くと,身体の調整力の不安定が感
 じられたので,トランポリンやブランコに乗って,前庭感覚や固有覚の働きを高めて,
 身体の安定を作る感覚統合を取り入れてはどうかと話した。


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面談で話したこと。

2019年03月12日 | 教育
幼児の保護者と面談があり,前向きに受け止めていただけたこと。

・本児が発達上抱えている問題は,育て方の問題ではなく,生まれ持った脳の器質的
 な弱さを抱えているため。

・社会スキルが身に付けづらいので,具体的に見せたり,一緒にやったりして,
 やろうとしたり,できたら褒めるようにすることで身に付いていくこと。

・叱っても一向に身に付かず,教えてほめることが大切であること。

子どもをより理解でき,安心できる言葉を伝えていきたい。
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