「マイミーパイウーン」
「sea grass in front of the bamboo trap」
「暑いね~」
タイ語と英語と日本語が混ざり合う山の頂。
「1のアルファ、1頭確認です」
(A, B, C, Dだと聞き取りづらいので、通信の際はアルファ、ブラボー、チャーリー、デルタという)
「――、――、ラージャ!」
トランシーバーが運んでくる、海風と船上の声。
突き刺す太陽、賑やかな笑い声、どこまでも広がる海。
山で食べる弁当、船でいただく冷たい飲み物。
そして明るく優しいタイ人たち。
何もかも、今日で全てお別れ。最後の観察日だった。
朝6時出発という気合を入れたスケジュールだったが、タイ人はそろって30分遅刻。
30分後に爽やかに現れる感じがすごい。見習うつもりはないけど(笑)
船で朝ごはんをいただき、ひと寝入り。板の上で寝るのもすっかり慣れっこだ。
島に到着し、タイスタッフの中でもプロフェッショナルと言われている強者と、先頭で山を登った。
スリッパでも速かった彼が(スリッパで登れるような所ではない)靴を手に入れたので、もうメチャメチャに速い。勘弁してくださいと言いたくなるぐらいに。
それでも、一番初めに登ったときに30分くらいかかっていたのが、今や10分ぐらいに。人間続ければ成長するものだ。
タイ語の方も、タイ人の軽い冗談が分かるぐらいにはできるようになり、語学の楽しみというか、ありがたみを再認識。まだまだ学びたいな。
残念ながら、観察の方はさざ波しか見えずにタイムオーバー。旅に後悔はつきものだ。
夜はオシャレ女子が行くような雰囲気の店に大人数で乗り込んで、久々に外国の食事をいただいた。そして飲み会。最後日にふさわしい夜だった。
何かの節目にあたる時にそれまでの出来事を振り返ってまとめる、という作業は実はあんまり好きじゃくて、あえてやらないようにしている。そこに費やしたエネルギーとか時間が大きければ大きいほど、特に。文章に落しても、そこまで深く考えないし、表現を限定しない。
後になって書く事はあっても、すぐには書かない。
本気で取り組んだことほど、きれいにはまとまらないし、まとめなくとも自分の中できちんと消化されるからだ。
高校のインドの振り返りを書いたのは半年後だったし、部活の会誌に載せる文章を書けといわれた時は、「4年間を振り返って」というタイトルを無視して、聖書のような例え話を書いた。
時間が経って、ふと思い出したり、懐かしくなったりしたら、その時に改めて書くかもしれない。
でも、日々の日記とそれにまつわる思い出が旅の全てだ。
あえて感情を書くとするなら、それは寂しさではなく、それを通り越した喜びなのかもしれない。
ありがとう、トラン。いつか、また。
Q.E.D.
日の出と共に出航
この崖ともお別れ
Sticky rice and fried chckein, with graric onion and spicy source
このご飯が一番すきだった
いつもの場所、いつもの双眼鏡