ちょっとだけ長い「ひとこと感想」その11。
上映当時、映画としては西原理恵子原作の『毎日かあさん』の方が好きだという声が多かったと思う。でも、私はどちらかというと(映画としての出来不出来は別として)こちらの方が好きかも。アルコール依存症というものの大変さと同時に、専門病棟での日々の様子や「断酒」教育を色々見せてくれるので、なんだかお金のかかったある種の教育映画?を観ているような気分にもなったけど(笑)。
家に帰って書いたメモには、「どういう人を観客として想定しているのかヨクワカラナイけど、私には予想より面白かった。」。その理由として、「とにかく、主人公が思うことがいちいち自分もワカルのに驚いた。なるほど、私も依存症の1人なんだな・・・ということを再確認させてもらったわけで、正直・・・ゾッとした。今のところは逃げのびているけれど、気が許せないという意味では、映画の登場人物たちも私もそれほど違わない。」などと。
私がこの映画が好きなのは、妻のことを全く悪く言ってない?せいかもしれない。
綺麗事で、現実が描けていないと言えばそうなんだけど、私は(患者本人が男性の場合)あまり妻のことを悪しざまに言うような場面を見たくないのだと思う。現実の壮絶さが薄々想像できる?ので、余計にこの映画の上品さというか「きれいごと」の良さの方を感じてしまったのかもしれない。映像の淡い色調の美しさも、「きれいごと」だからこそ不自然とは思わない・・・といった風に。(清志郎さんの主題歌「誇り高く生きよう」に、なんだか涙が出そうになった。)
そして、夫に「良い本だよ。読んでみて」って渡したのを覚えています。
映画は観ていないので何とも言えませんが
原作も人によっては、そんな甘いもんじゃね~よと
言われかねないかな~?とは思いますが
あくまで、アル症の患者さんがそれぞれ症状も病気の重さも違うので、西原さん一家の場合として読めば
それはそれ、勉強になる部分もありました。
まだまだ浸透していないこの病を
一般の方に知って頂くには、こういう作品は必要ですね
私、鴨志田さんの本は西原さんとかとの共著でしか知らないんですが、なんというか「ロマンチストで、しかもとても優しい人」っていう印象を受けました。
この映画は、私が持っていたそういう鴨志田さんのイメージを壊してないので、なんとなく私は好きなのかもしれません。
>まだまだ浸透していないこの病を
>一般の方に知って頂くには、こういう作品は必要ですね
公務員の知人が、「断酒会を知ってもらうために、あちこちで上映会してるよ。」とも言っていました。
確かに、知識の普及に貢献してくれそうな作品なんですが、それプラス、男性のロマンチックさというか可愛らしさ?みたいなものも感じられて、「アルコール依存症」というのは周囲を巻き込む大変な病気ではあっても、その本人たちは元々はごく普通の人たちなんだ・・・という作りになっていたのも印象的でした。