眺めのいい部屋

人、映画、本・・・記憶の小箱の中身を文字に直す作業をしています。

大好きなおじさん ・・・・・ 『アジョシ』

2012-05-16 16:45:46 | 映画・本

長くなった「ひとこと感想」その18。

 メモには何も残っていない。(きっとウォンビンとキム・セロンだけ見てたんだろな~。)

物語はシンプルといえばシンプル。悪い奴らに拉致されちゃった「隣の幼い女の子」を、元特殊部隊の暗殺要員が取り返しに行く話。(ストーリーは『96時間』、2人の間柄は『レオン』にちょっと似てるかな?)。

悪役たちのやってることが麻薬に臓器売買、それも子どもを使って・・・という調子なので、後半アジトに乗り込む辺りから、話は相当エゲツナイ(というか陰惨な)感じになる。戦闘シーン以外にも残酷描写が結構あって、私なんて直視出来ない場面がゾロゾロ。

それでも、なんでコンナモノ観に来ちゃったんだろ・・・と後悔しなかったのは、一つは悪役たちが表情豊かで面白かった?こと。(しかもやってることはあまりにあくどいので、最後にどれほどやっつけられても可哀想と思わずに済む(笑)。)

もう一つは母親にも満足に面倒をみてもらえない、貧しく寂しい少女ソミを演じるキム・セロンの演技力に惚れ惚れしたから。『冬の小鳥』でも驚かされたけれど、そのときの少女ジニとこの映画のソミという、一見よく似た「可哀想な少女」を、全く別人格の2人として演じ分けていることに、私はとても驚いたのだ。

まだ幼い少女の見せる、洞察力と諦めの表情・・・。

「おじさん(アジョシ)、おじさんも私のこと恥ずかしかったから、あの時いなくなっちゃったんでしょ。」

「でも、私おじさんのこと嫌いにならないよ。だっておじさんのこと嫌いになったら、私好きな人この世に一人もいなくなっちゃう。」

あの思いつめた眼差しで真正面からそう言われたら、おじさんじゃなくても何も言えなくなるだろな。しかも、彼は昔、妻とおなかの赤ちゃんを事故で失っているのだから。

映画のラストは苦く切ない。おじさんの言った言葉に、少女の表情は曇る。それでも彼女は微かに頷く。そして・・・彼は居なくなる。

この先、少女はどうやって生きていくのだろう。それでも、自分のためにここまでの事をしてくれた大人がいたということが、彼女の支えになるといいな・・・そんなことを、ふと考えた。アクション・メインの娯楽作にそーゆーことを思うのは、もしかしたら邪道なのかもしれないけれど。







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2 コメント

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Unknown (お茶屋)
2012-05-16 20:43:41
>もしかしたら邪道なのかもしれないけれど。

ええーー!?
王道だと思いますぅ(^_^)。
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そうですよね(^o^) (ムーマ)
2012-05-16 23:20:40
どうもありがとう。
王道という言葉を聞いて、なんだか安心しました(^o^)。

少女のその後に触れてる感想を、私はあまり見た記憶が無くて。
ただ単に、見ても忘れてるだけの気もしますが(^_^;。
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